○湖南市職員の公益通報に関する要綱
平成18年7月25日
告示第60号
(目的)
第1条 この告示は、職員等が知り得た行政運営上の違法又は不当な行為等に関して行われる通報について、必要な事項を定めることにより、市政における違法な事態の防止及び損失の抑制を図り、公正な職務の遂行を確保するとともに、公務に対する市民の信頼を確保し、公正かつ民主的な市政の運営に資することを目的とする。
(1) 職員等 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する本市(以下「市」という。)の職員、同法同条第3項第1号の3及び同条同項第3号に規定する特別職に属する市の職員並びに市長及び副市長、並びに市に対し公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第2条第1項に規定する労務を提供する者及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により市が指定したものが行う市の施設の管理業務に従事する者をいう。
(2) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者をいう。
(3) 公益通報 公益を守るために職員等が知り得た市政運営上の他の職員等の違法な行為若しくは違法性の高い行為又は人の生命、身体、財産若しくは生活環境に重大な損害を与える行為(不作為を含む。以下「違法行為等」という。)に関しての通報をいう。ただし、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正な目的で行うものを除く。
(4) 通報者 職員等であって公益通報を行う者をいう。
(1) 法令及び条例、規則、告示及び訓令違反又はこれに至るおそれのある行為
(2) 市民の生命及び健康に重大な損害を与えるおそれのある行為
(3) その他市民全体の利益等公益に反するおそれのある行為
2 通報者は、前項の公益通報を行うときは、原則として実名により行うこととし、氏名及び所属部署、行政運営上の違法行為等の行われた日時及び場所、証拠の状況等を明確に伝えなければならない。
(通報者の責務)
第4条 通報者は、公益通報を行うにあたっては、確実な資料に基づき誠実に行うように努めなければならない。
2 公益通報は、市の行政運営の適正化に資するために行うものであり、政治的行為、誹謗中傷、私利私欲等の不正な意図又は私憤、敵意等個人的な感情によって利用してはならない。
3 前条第1項の規定にかかわらず、人事上の処遇に関する事案その他私益を図るにとどまる事案については、公益通報をすることができない。
(公益通報審査委員会の設置)
第5条 市長は、職員等からの公益通報を処理するため、公益通報審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は、副市長、教育長、総合政策部長、関係部長(当該事案関係職員等が属する部長職位者に限る。)及び人事課長をもって構成する。
3 委員会に委員長を置き、副市長をもって充てる。
4 委員会は、委員長が招集し、その議長となる。
5 委員会の会議(以下「会議」という。)は、委員全員の出席をもって開催するものとする。ただし、やむを得ない事情のある場合は、この限りではない。
6 委員長に事故があるとき、又は欠けたときは、委員長があらかじめ指名した委員がその職務を代理する。
7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
8 委員に係る公益通報については、当該委員は、次条第2項の場合を除き、会議に参加することができない。
9 委員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事案又はこれらの者の従事する業務に直接の利害のある事案については、会議に参加することができない。
10 会議は、非公開とする。
(委員会の職務)
第6条 委員会は、次に掲げる職務を所掌する。
(2) 第9条第4項に規定する勧告及び告発等の措置に関すること。
2 委員会は、前項の調査のほか、必要があると認めるときは、公益通報に係る事案の決定に関し権限を有する者及び公益通報に係る職員を監督する責務を負う者(以下「管理者等」という。)から事情を聴くことができる。
3 委員会は、必要と認めるときは、弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)その他専門的知識を有する者に対し、参考人として出席を求め、意見を聴くことができる。
4 委員会の庶務は、総合政策部人事課において処理する。
3 委員会は、公益通報を受けたときは、直ちにその概要及び当該公益通報に係る受理又は不受理の判断を公益通報報告書(様式第1号)により市長に報告しなければならない。
4 通報者の氏名は、これを報告しない。ただし、特に必要があると認める場合において、あらかじめ本人の同意を得たとき、又は本人から特に依頼があったときは、報告することができる。
5 委員会は、受理又は不受理についての決定後、決定結果及び当該公益通報に係る処理の終了までに必要と見込まれる期間を、遅滞なく通報者に連絡するものとする。ただし、報告を希望しない通報者に対しては、この限りではない。
(委員会の調査)
第8条 委員会は、公益通報の受理を決定したときは、遅滞なく事実確認のための調査を開始しなければならない。
2 委員会は、必要があると認めるときは、委員長が指定する職員等(以下「調査員」という。)に調査をさせることができる。
3 調査員は、次の各号に掲げるところにより調査を行い、その結果を委員会に報告しなければならない。
(1) 管理者等に説明を求め、及びその管理する関係書類等を閲覧し、又はその提出を求めること。
(2) 管理者等に事情の聴取又は実態調査についての協力を求めること。
4 職員等は、第1項の調査にあたっては、これに協力しなければならない。
5 前項の規定により調査に協力した職員等は、調査結果が公表されるまでの間調査を受けた事実及び調査により知り得た情報を漏らしてはならない。
2 通報者の氏名は、これを報告しない。ただし、特に必要があると認める場合において、あらかじめ本人の同意を得たとき、又は本人から特に依頼があったときは、報告することができる。
3 市長は、調査結果の報告を受けたときは、必要に応じて告発するほか、再発防止のため必要な措置をとらなければならない。この場合において、調査結果の内容が市の他の機関に関するものであるときは、市長は当該他の任命権者に通知し、当該他の任命権者は市長に準じて必要な措置をとらなければならない。
4 市長又は当該他の任命権者が相当な期間が経過しても前項の措置をとらないときは、委員会は、期限を定めて措置をとるよう勧告することができるものとする。委員会が勧告した場合において市長又は当該他の任命権者が措置をとらないときは、自ら公表し、告発する等の措置をとることができるものとする。
5 委員会は、調査の結果、当該公益通報に係る事案に関し、行政運営上の違法行為等があると認められなかったとき、又は調査を尽くしても行政運営上の違法行為等の存否が判明しないときは、その旨を市長に報告しなければならない。
6 委員会は、調査の結果を通報者に報告しなければならない。ただし、匿名による通報者及び特に報告を希望しない通報者に対しては、この限りではない。
(市長等の責務)
第10条 市長及び他の任命権者(以下「市長等」という。)は、第5条に規定する委員会の報告等に対して誠実に対処しなければならない。
3 市長等は、この告示の運用にあたって関係者の人権が不当に侵害されないように配慮しなければならない。
(職員の処分の軽減)
第11条 通報者が当該公益通報に係る事案に関与した職員等であるときは、市長等は、法第29条第1項の規定に基づく人事管理上の本市基準から軽減して懲戒処分をすることができる。
(関係者の名誉の確保)
第12条 市長等は、通報に係る事実がないことが判明した場合に関係者の名誉が害されたと認めるときは、事実関係の公表等関係者の名誉を回復するため適切な措置を講じるものとする。
(運営状況の公表)
第13条 市長は、公益通報の件数及び主な内容等について、毎年度公表するものとする。
2 前項の規定による公表の方法は、市広報又は市ホームページへの掲載その他事案に応じて市長が適当と認める方法によるものとする。
(不利益取扱いの禁止)
第14条 通報者に関する情報は、非公開とするとともに、通報者は、正当に公益通報をしたことにより人事、給与その他の職員等の勤務条件についていかなる不利益取扱いも受けない。
2 正当に公益通報をしたことを理由として不利益取扱いを受けた通報者は、その旨を第5条に規定する委員会に申し出ることができる。この場合において、当該通報者が当該公益通報を行った後に受けた不利益取扱いは、特段の事由がない限り、当該公益通報をしたことを理由としてなされたものと推定する。
3 委員会は、正当な公益通報を理由として不利益取扱いがされたと認めたときは、当該不利益取扱いをした者に原状回復その他の改善を勧告することができる。
4 前項の勧告に従わないときは、委員会は、その事実を公表することができる。
(委任)
第16条 この告示に定めるもののほか、公益通報に関し必要な事項は、別に定める。
付則
この告示は、平成18年8月1日から施行する。
付則(平成19年告示第23号)
この告示は、平成19年4月1日から施行する。
付則(平成20年告示第117号)
この告示は、平成20年11月18日から施行する。
付則(平成25年告示第84―5号)
この告示は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成29年告示第45号)
この告示は、平成29年4月1日から施行する。