○湖南市公金の管理及び運用に関する基準
平成29年12月5日
訓令第17号
(目的)
第1条 この訓令は、湖南市が保有する公金(以下「公金」という。)について、安全性、確実性及び流動性並びに効率性を考慮した公金の管理及び運用を行うため、法令その他別に定めるもののほか、必要な事項を定めることを目的とする。
(公金の種類)
第2条 この訓令に定める公金とは、次に掲げるものとする。
(1) 歳計現金
(2) 歳入歳出外現金
(3) 基金
(4) 一時借入金
(管理及び運用の基準)
第3条 公金は、流動性の確保を優先した上で、次の各号に掲げる基準に基づき、効果的な管理及び運用を行わなければならない。
(1) 支払準備金及び事業資金の確保に留意した上で、資金に余裕があると会計管理者が認めたときに限りこれを行う。
(2) 安全性を最優先し、元本の回収に確実性のある運用方法で行う。
2 前項に掲げる公金の運用については、公金の種類によりそれぞれに定める基準に基づき管理運用するものとする。
(1) 歳計現金及び歳入歳出外現金
ア 歳計現金及び歳入歳出外現金は、預金保険法(昭和46年4月1日法律第34号)の規定により預金者が保護される指定金融機関、指定代理金融機関及び収納代理金融機関(以下「指定金融機関等」という。)の決済用預金で管理するものとする。
イ 歳計現金及び歳入歳出外現金で一時的に生じた剰余資金を預貯金で運用する場合は、原則として金融機関が扱う大口定期預金、通知預金等の元本や利息の保証が確実な預貯金によるものとし、指定金融機関等に分散して運用するなど最も安全で有利な預金先を選定するものとする。
ウ 預貯金は、原則として引き合いにより行うものとし、預金債権と借入金債務との相殺により預金保護が可能な金融機関とするが、指定金融機関等の業務にかかるコスト、借入金債務の状況、運用資金の総額等を勘案し、預貯金の額、期間及び金融機関を資金の状況により会計管理者が決定するものとする。
(2) 基金
ア 基金に属する現金の預貯金による運用は、歳計現金及び歳入歳出外現金の例により行うものとする。
イ 基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用する場合は、各基金条例の定めるところにより確実な繰戻しの方法、期間及び利率を定めて行うものとする。
ウ 基金の1年を越える中長期運用は、基金取崩し計画に支障のない場合に行うことができるものとする。
エ 基金の効率的な運用を図るため、複数の基金を一括して運用することができるものとするが、この場合における指定金融機関等への預入額の比率は、市の借入金の状況、運用資金の総額等を勘案し会計管理者が決定する。なお、運用により生じた収益は、基金の積立額に応じて編入するものとする。
また、基金の残高に関わらず財政調整基金以外の基金は、所定の利率を用いて配当する運用収入を算出し、差し引き後の運用収入を財政調整基金に編入するなど運用収入配分を重点化することができるものとする。
オ 利回りの比較、期間、金額等の点で公金の安全性を担保し、運用上有利と判断される場合は、債券での運用ができるものとする。
カ 基金を債券で運用する場合は、当該基金の流動性を阻害しない範囲で金額及び運用期間を設定しなければならない。また、国債、政府保証債、地方債その他元本の償還及び利息の支払が確実で、かつ満期まで20年以内の債券に限るものとする。
3 公金の運用を債券、定期性預貯金等で行う場合は、満期償還期限の保有を原則とする。
(1) 公金の安全性を確保するために必要な場合
(2) 流動性を確保するためにやむを得ない場合
(3) 安全性を確保しつつ、効率性を向上させるため当該商品の入替えを行う場合
(一時借入金)
第4条 会計管理者は、支払資金に一時的な不足が生じたときは、基金の繰替えによる借入を行うものとする。ただし、金融機関からの借入れの方が有利であると認めるときはこの限りではない。
2 一時借入金の運用は、歳計現金の例によるものとする。
(金融機関の選択)
第5条 公金を預託する金融機関は、市民の利便性及び地域経済への貢献等を考慮し、原則として湖南市会計規則(平成16年湖南市規則第46号)第2条第1項第8号に規定する地元金融機関を優先する。ただし、銀行法等による自己資本比率が、国際決済銀行(BIS)基準適用金融機関は8パーセント以上、国内基準適用金融機関にあっては4パーセント以上を最低基準とする。
(金融機関の経営状況の把握)
第6条 金融機関の経営状況の把握は、金融機関の決算資料、ディスクロージャー誌、格付機関による格付情報、株価、その他の公表される情報によるものとする。
2 金融機関の財務内容の健全性、収益性、流動性等を把握するための経営指標は、次のとおりとする。
(1) 健全性
自己資本比率、不良債権比率、保全率等
(2) 収益性
業務純益、経常利益、当期利益等
(3) 流動性
預金量、貸出量、流動性資産比率の推移等
3 金融機関の経営状況の分析及び評価は、収集した経営指標による同種及び同規模の他の金融機関との比較、同一金融機関の時系列による比較等により行うものとする。
(金融機関の経営状況に応じた対応)
第7条 本市の公金の預金先の金融機関(以下「預金先金融機関」という。)の経営状況が悪化した場合の対応は、次のとおりとする。
ア 公金を保全するための対応は、預金先金融機関の自己資本比率、不良債権比率、経常利益等の経営指標から総合的に判断して経営状況が悪化していると認められる場合、又は金融庁が預金先金融機関に対し、早期是正措置を発動した場合に行うものとする。
イ 会計管理者は、アの規定に該当すると認めたときには、市長及び湖南市公金管理委員会(以下「委員会」という。)の委員に対し該当預金先金融機関の経営指標その他の経営状況及び早期是正措置に関する情報を報告するものとする。
ウ 委員会は、イの規定による報告を受けたとき、当該預金先金融機関の経営状況に係る情報を総合的に検討し対応方針案を策定の上、市長に報告するものとする。
エ 市長は、ウの規定による報告があったときは、速やかに対応方針を決定するものとする。
2 預金先金融機関の経営が破綻した場合の対応は、次のとおりとする。
ア 会計管理者は、預金先金融機関の破綻に係る情報を入手したときは、速やかに該当預金先金融機関の破綻の事実関係及び破綻処理の方法等について、金融庁、預金保険機構等に確認の上、市長及び委員会の委員に対しその旨を報告するものとする。
イ 委員会は、アの規定による報告があったときは、当該預金先金融機関の破綻に係る情報を総合的に検討の上、公金保全の対応方針案を策定し市長に報告するものとする。
ウ 市長は、イの規定による報告があったときは、速やかに対応方針を決定するものとする。
(基準の見直し)
第8条 この基準は、金融情勢等の変化に応じ委員会等の意見を聴いて随時見直しを行うものとする。
(その他必要事項)
第9条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。
附則
1 この訓令は、平成30年4月1日から施行する。
2 湖南市資金管理並びに運用基準(平成17年湖南市訓令第8号)は、廃止する。
附則(令和6年訓令第8―4号)
この訓令は、令和6年4月1日から施行する。