平成30年8月湖南市臨時教育委員会 会議録

更新日:2019年07月01日

開催日時

平成30年8月30日(木曜日) 午後3時00分から

開催場所

湖南市役所 西庁舎 教育委員会室

会議案件

日程第1 議案第45号

平成31年度使用教科用図書の採択について

  1. 小学校通常級「特別の教科 道徳」以外の全教科の教科書
  2. 中学校通常級「特別の教科 道徳」の教科書
  3. 小中学校特別支援学級の教科書

日程第2 協議事項

  1. その他

会議に出席した委員

教育委員5名

会議に欠席した委員

なし

会議に出席した事務局職員

8名

会議を傍聴した人

なし

日程第1議案第45号 平成31年度使用教科用図書の採択について 
(1)小学校通常級「特別の教科 道徳」以外の全教科の教科書

 提出資料に基づき議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択1.小学校通常級「特別の教科 道徳」以外の全教科の教科書について説明する。

 まず、公立の各小中学校で使用する教科用図書の採択については、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の規定により、採択地区協議会が設置され協議会での選定結果に基づき、各市教育委員会が採択することになっております。
 資料1ページに本市が所属する教科用図書第二採択地区協議会の規定を載せております。この協議会は草津市・栗東市・守山市・野洲市・甲賀市、そして本市の6市で構成されております。それぞれの教育長、教育委員代表、保護者代表を構成委員とする協議会です。この協議会で第二採択地区内の小中学校で使用する教科用図書を選定しております。3ページが30年度の協議会委員一覧です。
 次に、本日議決を求めること、並びに第二採択地区での教科用図書選定までの経緯と結果について説明いたします。
 本年度は、中学校で使用する「特別の教科 道徳」の最初の教科用図書採択の年です。また小学校の道徳以外の全教科において、4年に1度の採択替えの年になります。現在まで協議会を2回、代表協議会を1回、幹事会を3回開催いたしました。
 あわせて、5月25日から7月17日にかけ、各市より選出した委員よる調査委員会を開催し、教科用図書の厳正かつ精密な調査を行いました。8月9日の協議会では、中学校で使用する「特別の教科 道徳」および小中学校特別支援学級の教科書について委員長より調査報告を受け、選定し、第二採択地区としての議決を行いました。
 なお、小学校の道徳以外の全教科の教科書については、昨年度の検定で新たな図書の申請がなかったため、平成25年度の検定合格図書の中から採択を行うことになります。小学校全教科においては、来年度、学習指導要領改定に伴う採択替えを行うことから、2年続けての変更は、子どもに混乱を招く可能性があること、また学校現場に大きな負担がかかること、現在使用の教科用図書について学校現場から不具合が起こっている声は上がっていないことの3点から、平成26年度の調査研究報告と4年間の実績を踏まえ、現在使用の教科用図書を選定し、第二採択地区として議決を行いました。
 中学校は、平成27年度が採択替えの年であり、平成28年度から31年度までの4年間、同じ教科用図書を使用することになっています。来年度も今年度と同じ教科用図書を使用いただきます。
 資料5ページに、小学校通常学級で使用する全教科書一覧とその理由を示しております。現在、各小学校で使用しているものと変更はございません。
 1番については以上でございます。ご審議お願いいたします。

質疑、意見等

谷口教育長

 協議に入る前に1点補足いたします。資料2ページ、教科用図書第2採択地区協議会規定第14条、雑則をご覧ください。
 平成13年、教科用図書の無償措置に関する法律が施行されたことに伴う改定、平成23年の八重山教科書問題を受けて法律が改正されたことに伴う改定があり、市町村の教育委員会は採択を行うための協議会を設けなければならなくなりました。また、協議会での協議の結果に基づき、協議会に所属する教育委員会は、同一の教科書を採択しなければならなくなりました。
 したがって、協議会の協議結果を是とするかの協議になります。よろしくお願いいたします。

森本委員

 1年だけで変更となると混乱も起きやすいでしょうし、そのままという決定でいいのではないかと思います。

伊藤委員

 湖南市においても学校現場から不具合なかったという理解でよろしいでしょうか。

事務局

 そういう声は耳にしておりません。

谷口教育長

 では、現在使用の教科書を選定するということでよろしいでしょうか。他に何かありますか。ないようですので審議結果につきましては異議なしと認め、議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択1.小学校通常学級「特別の教科道徳」以外の全教科の教科書の審議結果を可決することでよろしいでしょうか。

各委員

 全員承諾 

谷口教育長

 それでは議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択1.小学校通常学級「特別の教科道徳」以外の全教科の教科書について、承認することといたします。

日程第1議案第45号 平成31年度使用教科用図書の採択について
 (2)中学校通常級「特別の教科 道徳」の教科書

 提出資料に基づき議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択1.中学校通常級「特別の教科 道徳」教科書について説明する。

 中学校「特別の教科 道徳」の協議会の調査結果を報告いたします。教科書会社は、東京書籍・学校図書・教育出版・光村図書・日本文教出版・学研教育みらい・廣済堂あかつき・日本教科書の8社から発行されたものです。では、8月7日に調査委員長から報告された結果を簡単にご説明いたします。
 まず、東京書籍です。この教科書の特徴は、いじめや生徒への尊重に関して、1つのテーマで3つの教材を組み合わせ、ユニットをつくることで、テーマについて多面的・多角的に考えさせるようにしているところです。読み物を読んだ後に、場面をやってみようといった投げかけ、Action!という設定より、実感を持って道徳的価値の理解を深め、考える工夫もあります。また、中表紙に「話し合いの手引き」が付いており、問題の発見から話し合いまでの道筋、学習の流れが明示されているので、「考え・議論する道徳」に対応していると言えます。ただ、AB版は扱いにくいのではないかという意見が出ました。また、見開きで読み物等が完結していない教材もあり、次の教材が見開き左側にあることで、その内容に気がとられる生徒が出てくることも予想されます。
 続きまして、学校図書でございます。狙いに迫る多彩な教材、漫画や新聞統計資料等、さまざまな媒体を用いた教材があり、生徒に訴えかける紙面づくりがされています。教材ごとに「学びに向かうために」がテーマ設定されており、意見交換のマークによってグループでどんなことを話し合うのかがわかりやすく示されています。また、教材末にある「心の扉」では、ものの見方や考え方を深められるようになっており、自分を振り返るときに有効であると思われます。さらに、各学年の巻末には、「保護者の方へ」というコーナーがあり、学校での学習を家庭に伝えることができます。ただ、これもAB版は扱いにくいのではないかという意見が出たことと、教材の文書が少し長く生徒にとってはやや難解ではないかと思われます。
 続いて、教育出版でございます。この教科書は生徒の生活実態に合わせ、生徒が共感的に読めたり、切実感を持って考えられたりする教材を数多く掲載しているところが特徴と言えます。また、教材の種類についても、最初のページで1年間の学びの見通しを持たせ、巻末には「心かがやき度」で学習を終えた実感の星印を塗りつぶしたり、学期ごとの振り返りを記入したりする欄が設定されており、自分の成長を残す工夫がなされています。ただ、いじめを直接的に取り扱った教材が弱いのではないか、また2段組で掲載されている教材が複数あり、読みづらいのではないかという意見が出ました。
 続きまして、光村図書でございます。この教科書は、生命を大切にする心の知性に重点を置いて、各学年に3本ずつ系統立てた教材が収録されています。また、漫画で考えさせる教材もあり、生徒が親しみを持って道徳的価値について考えることもできます。各教材の最後には、「学びのテーマ」「考える観点」といった学びの手引きが設定されています。授業者も生徒も目当てを意識し、学習に臨むことができ、道徳的価値について深く考える工夫がなされています。ただ、全体的に少々地味な印象の教科書であり、中学生の観点からすと、読んでみたい・考えてみたいと興味を引くような教材が少ないのではないか、また情報モラル・いじめについてのおさえが弱いといった意見が出されました。
 次に、日本文教出版でございます。現代的な課題を題材とした教材が網羅されています。特に、いじめに関しては間接的なもの、直接的なもの、スキルを身につけるものと多彩な教材が学年ごとに用意されています。教材の配置についても、導入期・発展期・充実期と段階を踏まえて計画されており、指導者が学級集団の成熟とともに、生徒に考えを深めさせることができる工夫がなされています。コミュニケーションの意義やあり方を取り上げた教材が配されているのも特徴です。地域教材にも適切に配されており、身近な滋賀県内の中学校や滋賀県の名所を取り上げているところも魅力の一つといえます。また、この教科書は別冊道徳ノートが用意されています。ノートには友達の考えを書き込む欄があり、多様な見方、考え方が意識できるようになっており、教科への活用もできます。写真も大変美しく、さまざまな価値を理解する一助としては大変効果的であると考えます。
 続いて、学研教育みらいでございます。この教科書は道徳的価値が高いと定評のある教材を中心に、現在活躍する人や先人の生き方から学ぶ教材など、多彩な資料が配されています。3種類の特設ページ、「深めよう」「クローズアップ」「クローズアッププラス」が設けてあり、体験的学習や視点変えて考えられている工夫がなされています。また、本文より前に主題名を書かないことで生徒自らが気づくことを重要視する構成になっているところが特徴です。このことにより、議論の自由度が高くなり、多面的・多角的な学習ができるよう工夫されております。ただ、他の教科書に比べて一回り大きく、その割には字が小さく見える印象があります。中学生の教科書としては、このサイズは大きく扱いにくいのではないかと考えます。また、本文が2段組となっており、読みにくいとの指摘もありました。
 次に、廣済堂あかつきでございます。この教科書はいじめ・生命尊重に重点を置いた構成になっています。また、スポーツに関するものを多く採用するなど、生徒にとってはわかりやすい教材が多いです。また、この教科書には道徳ノートがあるのも特徴です。ノートは教材について考えるために、補助的なものではなく、別冊として内容・項目ごとに分れていて、内容・項目に関する読み物や記述が設けられており、本冊と別冊ノートの2冊が一体になってつくられているところが特徴と言えます。ただ、別冊の道徳ノートについては、本冊の教材と別冊の教材の二つを使いこなすことが難しいのではないかという意見が出ました。全体的には写真が小さかったり、挿絵が少なく古めかしい感じがするので、生徒がとっつきにくいとの意見も出ました。
 最後に、日本教科書でございます。この教科書の特徴は、先人の生き方から知恵や勇気、感動を感じとれる教材が多く採用されているところです。実在の人物と実話に学ぶことができ、キャリア教育の視点から自己実現につながる工夫がされています。また、日常生活の身近な内容で登場人物等身大の悩みを共有できる教材も見られました。他教科との関連を意識した教材も配されています。さらに、絵・図のみで構成した教材等、1つの教材でもさまざまな道徳的視点から考えられるように工夫がなされています。ただ、全体的に多く配されている「先人から学ぶ」といった教材は、生徒に感動を与えられたとしても、我が身に引き寄せて考えるといった展開はつながりにくい、少し押しつけがましい印象があるといった意見が出ました。
 以上が8社の特徴等をご報告させていただきました。
 そして、委員長からは今申し上げた観点から、日本文教出版が最もよい評価であったとの報告がありました。教材の内容、仲間や先生とより深く楽しく考えられるような工夫、活用しやすい挿絵、教科書のサイズ等、そのコンセプトにある躍動感が紙面を通して最もよく伝わってきて、今を生きる中学生の心にも届くものであり、トータルとしてバランスのよい仕上がりになっていることから、今回の調査結果としては8社の中で最も適切であるという報告を受け、協議会として採択いたしました。
 以上でございます。ご審議お願いいたします。

質疑、意見等

谷口教育長

 審議いただく前に1点補足いたします。資料15ページをご覧ください。第二採択地区協議会の教科用図書の調査研究の観点を示しています。第二採択地区協議会として、独自の調査研究観点を設けたところが、今回の教科書採択におけるポイントであります。この観点をもとに、各市教育委員会が意見を出しています。
 大きな変更点としては、内容の取扱いの4番、「多様性の尊重について、生徒が広い視野から多面的・多角的に考えられるように工夫・配慮がなされているか」の1文が新たに追加しています。私が提出した意見を採用いただきました。岩城委員にはもっとシビアな意見を出していただいていましたが、最終的には資料のとおりとなり、第2採択地区協議会の調査研究観点として教科書を調査いただきました。

岩城委員

 8社の教科書を見ますと、全ての会社の教科書が小学校の道徳の教科書とほぼ一緒で、まず私をどう確立していくかという「私」の問題、次が他人との関わり方をどうしていくかという「友人関係」の問題、そこにいじめ問題等が加わってきます。3番目が、自分が社会の中でどうしていくか、社会の中での位置や、社会への関わり、「社会生活」の問題です。最後は、生命尊重と自然問題になっています。これは全ての教科書に共通していますので、この基本構成に従って教科書が編集されていると考えています。おそらく、教科書の編集代表者と文部科学省との話し合い等の中で、あらかじめ枠組みとして決まっているのではないかと思います。
 各教科書を見ていく上での目安になりますし、わかりやすいので資料として作成いたしました。

伊藤委員

 湖南市においても学校現場から不具合なかったという理解でよろしいでしょうか。

谷口教育長

 とてもわかりやすく、きれいにまとめていただきました。これは学習指導要領の内容そのものです。「私」と示されているのが自分自身に関すること、「他者・友人関係」が人との関わり、「社会生活」が集団社会との関わりに関すること、「生命尊重」が生命や自然、崇高なものとの関わりに関することになります。ですので、どの教科書も学習指導要領の指導内容にきちっと沿っているということですね。

岩城委員

 この枠組みの中にどういった題材を組み込むかによって、出版社ごとの教科書の扱い方や傾向がよくわかります。

谷口教育長

 教科書会社も教材・資料がダブっていますよね。全8社とも取り入れている教材もありますし、その中で、問いかけ方や考え方が教科書ごとに違っていますね。

岩城委員

 例えばある教科書会社では、「他者・友人関係」のところでそのテーマが取り上げられていて、他の出版社では「社会生活」に関わって取り上げられていて、そのテーマへの切り口が異なっていますね。

森本委員

 教科書全体を見て、学習指導要領での項目の割合に沿っている教科書が多いと感じました。「私」「他者」「生命尊重」についての教材の数が同じくらいで、「社会生活」に関するものが多めになっている教科書が多いと感じましたね。構成も各教科書、とても似ている印象を受けました。

伊藤委員

 教科書を読ましてもらいましたが、実在する方の実話と文部科学省の作成した話ですと、やはり受けとめ方が違いますね。出展を見てやはりと思うことがありました。子どもたちにとっても、アスリートの方等の話は、感じることが違うのではないかと思います。

上西委員

 私もどの教科書も大きく異なることはないように思いました。先程の協議会からの報告にもありましたが、教科書の大きさが気になりましたね。

谷口教育長

 学研の教科書ですね。小学校の教科書は、他の教科でもA4版の大きさの教科書がありましたよね。

事務局

 いえ、AB版であったと思います。

谷口教育長

 小学校の机と中学校の机の面積は一緒ですか。

事務局

 高さは異なりますが、天板の大きさは同じです。

谷口教育長

 なるほど。学研の教科書は、教科書自体は大きいのに中の文字が他の教科書と同じ大きさなのが見にくい要因ですね。

伊藤委員

 日本教科書では、1年生は生き方から学ぶ、2年生で生き方を見つめる、3年生で生き方を創造する、と学年ごとにテーマが決められていました。また日本文教出版ですと、1年生の教科書はいじめの項目が重点的に取り上げられており、3年生の教科書では命についての内容が重要視されていて、成長段階に応じて各学年の教科書で重きをおかれているテーマが少しずつ変えられていました。その中で先生方がどこに重点を置くか、現場で議論されるのかとは思いますが、なぜこれが1年生の教科書なのか、2年生なのかという点については、他の教科とは異なり曖昧であるように思います。学年を分けず、1年生の教科書を2年生で使用したり、2年生の教科書を1年生で使用したりしても良いのではないかと感じました。

谷口教育長

 そうですね、3年生の教科書を1年生に使用するのは難しい部分があると思いますが、2年生の教科書を1年生に使うことは問題ないことだと思いますし、良いことだと思います。

伊藤委員

 各学校・学年で起こっている課題はさまざまですし、どこに重点を置くかについては変わってくるように思います。その点で、日本文教出版の教科書は、同じ教材でもテーマがいくつか分けられていて、さまざまな側面から考えられる工夫がされているように感じました。

谷口教育長

 教材には、下限はありますが上限はありません。この教材は、この学年以上でないと難しいが、学年があがっても内容が簡単過ぎるというのはないのです。私自身も国語の授業で、小学校1年生の教科書に掲載されている「おおきなかぶ」を小学校6年生で取り上げたことがございます。
 例えば、光村図書の教科書では、小学校の教科書に掲載されている教材を出してきていますよね。「橋の上のオオカミ」「泣いた赤おに」「手品師」、これらはどこの小学校の道徳でも扱われる有名な教材です。その教材を中学校の教科書でも扱っています。この件は、協議会ではあまり話題になりませんでしたね。
 日本文教出版と廣済堂あかつきの教科書には道徳ノートが付属していますが、私自身の意見としては反対です。画一的な授業が起こる要因になると考えています。ですが、協議会研究委員会の先生方は、道徳が不得意の先生には手がかりとなるし、道徳の得意な先生は使用せず独自プリントを作成すればいい、という意見でした。
 道徳ノートには反対ですが、日本文教出版の教科書は私の評価は上位でしたし、選ばれてもいいかなと考えていました。
岩城委員はどうでしょうか。

岩城委員

 昨年の小学校の道徳の教科書の採択の際にも感じたのですが、正直全体としてどこかぼんやりしています。だから、絶対これがいいという教科書はありませんでした。ぼんやりしている理由としては、どの教科書も、話題が子どもの心の持ち方ばかりに集中している点ではないかと思います。ですので、特に中学生に対しては、自分の置かれている社会、あるいは歴史の中で人間がどう生きていて、何を失敗したか、といった歴史と社会の知識が基本にあって、それから自分自身を考えましょうという方向に持っていくべきではないかと私は考えています。その点で言いますと、これらの教科書は足らない部分があると思います。

谷口教育長

 成功体験だけではだめだということですね。

岩城委員

 そうですね。調査委員会の調査結果は、事務局に説明いただいたとおりですが、非常にぼんやりとした評価なのです。この教科書はこういう点を論じているから良い・悪いといった、内容を厳しく議論した点がありません。ですので、協議会の会議の際に、内容に関しての議論は必要ではないか、今回どういった議論をされたかについて質問させてもらいましたが、明確な回答はいただけず非常に残念でした。今後は、内容的な問題についても検討していくべきではないかなと思います。
 教科書全体としては、そんなに悪くはないと思います。私個人 としては、教科書をABCDで採点しており、日本文教出版はBとしていました。Aとした教科書はありません。
 また、道徳教育を進めていくうえで、子どもたちには社会問題・国際問題における相対的に物事を見る視点が必要だと思いますし、この点を学ぶには、現場の先生方にプラスで協力いただく必要があるのではないかと思いました。こう行動することが良い、こうすべきだ、という子どもたちの心の良さばかり育てるのではなく、経験から学べる環境を用意することも道徳教育の一つだと私は考えています。
 また、気になることがもう1点あります。今回の教科書の編集責任者の方たちは、皆小学校の教科書編集においても編集の中心におられます。同じ方々が編集していますので、考え方はおおよそ一緒です。またこれらの先生方は、道徳教育では実績があり活躍しておられる先生方ですが、現在の倫理学の点からすると、業績がなく実力が不足している方ばかりかなと思いますので、教科書を編集するうえでそういった偏りは問題があるかと思います。
 最後に、どの教科書にも共通してですが、国際的な関わりの 中で、日本がいかに貢献したかといった日本賛美の内容が非常に多いです。そういった内容ばかりですと視点が内向きになってしまう感じがして、問題があると思いました。

谷口教育長

 今、岩城委員がおっしゃられた観点からすると、抜きん出た 教科書はありませんでしたね。
 湖南市の場合は、考え・対話し・議論する道徳教育ということで、主権者教育の観点から道徳教育を進めていきたいと考えています。

伊藤委員

 基本的なことになりますが、中学の道徳はどなたが担当されることになるのですか。担任の先生でしょうか。

谷口教育長

 中学校の学級担任です。

伊藤委員

 他の教科との関連でいいますと、やはり国語・社会との接点が多いように思います。社会で学んだことを道徳の授業に関連させると、理解も深められ、より充実した授業になるのではないでしょうか。

谷口教育長

 なるほど、確かにそうですね。社会科の教員と学級担任の間で、今社会の授業でどの分野を扱っているか等の情報交換が大事になってきますね。

上西委員

 1年間の授業時間数は決まっているので、全ての教材を扱うことはできないのですよね。

谷口教育長

 いえ、全ての題材を扱うのが基本ですし、おそらく教師もすべて終えるつもりで授業を進めると思います。

岩城委員

 日本文教出版の教科書は、ある程度社会の現状に関する話題や社会の組織、歴史に関する知識を求めている点では評価できると思います。例えば、1年生の教科書に掲載されている、真珠湾を反省するようなホノルルでの花火の話題。反戦平和や文化・価値観の違いを理解し学ばせたいという思いを感じます。2年生の教科書には、リスペクト・アザーズという題材の中に、アメリカ人と日本人の考え方や感覚の違いについて触れています。日本人の特徴として、目立つのことを嫌がり、人と同じであることを好む、物事をうやむやに終わらせる癖があるといったネガティブな問題に対しての指摘がされています。こういった話題を積極的に取り上げていただき、子どもたちに考える機会を作るようにしてほしいと思います。

谷口教育長

 そうですね。これらの教科書は採択後に4中学校へ配布することはできるのでしょうか。

事務局

 特に問題はないと思います。

谷口教育長

 教科書は主たる教材ですので、他の会社の教科書も見ていただき、良いものがあれば利用いただけたらと思います。著作権の関係については1度調べてください。

事務局

 参考にする分には構いませんが、教科書をプリントアウトし生徒に配布して授業をするとなると、著作権の関係上難しいのではないでしょうか。

谷口教育長

 同じ題材に対しても、問いかけ方が教科書会社によって異なります。教材研究にも役立つと思いますので、配布していただきたいですね。

谷口教育長

 他に何かありますか。ないようですので審議結果につきまして異議なしと認め、議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択2.中学校通常学級「特別の教科 道徳」の教科書の審議結果を可決することでよろしいでしょうか

各委員

 全員承諾 

谷口教育長

 それでは議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択2.中学校通常学級「特別の教科 道徳」の教科書について、承認することといたします。
 それでは、湖南市としても日本文教出版の教科書を中学校「特別の教科 道徳」の教科書として採択いたしますが、その使用方法については、私自身道徳ノートの使い方も懸念しておりますので各学校へ指導していきたいと思います。

日程第1議案第45号 平成31年度使用教科用図書の採択について 
(3)小中学校特別支援学級の教科書

 提出資料に基づき議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択3.小中学校特別支援学級の教科書について説明する。

 昨年度、平成30年度使用教科用図書の小学校知的障害学級道徳一般図書において4冊が選定されました。しかしそのうちの1冊である「ワンダー4さいのおはなし8 やさしい心を育てるお話」が供給不能となったため、再度選定作業を行っております。「絵でわかるこどものせいかつずかん4.おつきあいのきほん」、「みんなのためのルールブック-あたりまえだけど、とても大切なこと-」の2冊を新たに選定しました。
 まず、合同出版株式会社の「絵でわかるこどものせいかつずかん」の特徴を5点申し上げます。1点目、コミュニケーションのとり方の具体例が日常の場面を想起できるように、基本的な事柄がわかりやすく取り上げられている。2点目、人との付き合い方の基本となる内容が見開きに分かれて構成されており、どのページも同様の内容配列になっていて、1時間単位の学習が可能であり指導計画を立てやすい。3点目、困ったとき・悲しいことがあったときなど、自分の感情や思いを伝えにくい場面や人の関わり方が難しい場面の例がいくつも取り上げられており、日常生活の実際場面に役立てることができる。4点目、文章表現が簡潔で児童に理解しやすい。文字の大きさも適切で、やわらかく暖かな色づかいされていて親しみやすい。最後5点目、紙質が上質で、どのページにも明るく親しみやすいイラストが描かれている。イラストに沿って役割演技による学習を取り入れることも可能であり、児童が意欲的に学習に取り組むことができる。
 続きまして、草思社の「みんなのためのルールブック-あたりまえだけど、とても大切なこと」の特徴を5点申し上げます。まず1点目、前向きな表現で記述されており、自分を大切にする道徳的信条を育てる内容である。2点目、日常生活に関連した題材であり、一つ一つの内容が短くわかりやすくまとめられている。3点目、具体的な行動とその結果が簡潔に表現されており、なぜその行動がよいのかを考えたり、期待される効果について気づいたりできる。4点目、一つ一つのルールについて、見開き2ページにまとめられている。右側のページに行動・左側のページに理由や期待される効果が簡潔に表現されており、児童にわかりやすく適している。最後5点目、全てのページにその場面の信条を表現した親しみやすい挿絵があり、児童の興味関心を喚起するように工夫されている。小学校分については以上でございます。
 続きまして、中学校特別支援学級で使用する教科用図書について説明いたします。中学校知的障害学級外国語一般図書について、供給不能になった図書がありますので、再度選定いたしました。個々の発達段階に応じた教科書を準備するには、検定本だけでは不十分でありますので、一般図書を対象としております。次年度から教科化となる道徳の一般図書につきましても検定を行いました。選定理由については、知的障害特別支援学級の障がいの内容や程度はさまざまですので、これらの生徒に可能な限り対応できるよう配慮しております。外国語においては、「親子ではじめる英会話じてん1.らくらくひとこと編」「We Can!1.」「We Can!2.」の3冊が新たに選定されました。道徳においては、「やっぱりこういうときどうするんだっけ」「こころのふしぎ なぜ?どうして?」「未来へ向かう心が育つおはなし」「イラスト版 気持ちの伝え方」の4冊が選定されました。なお弱視学級については、通常学級で採択された教科用図書の拡大版、文部科学省の著作本である点字版の教科用図書を選定しております。
 それでは、選定された各本について特徴を説明いたします。
 まず、外国語です。三省堂「親子ではじめる英会話絵じてん1.らくらくひとこと編」は、日常会話でよく使われる会話表現がたくさん集められており、挨拶をする・お礼を言う等、どのような状況場面で使うのかイラストを見ればすぐわかるようになっている。外国の生活の様子にも関心を持って学べるよう工夫されている点も評価した点である。
 次に文部科学省作成の「We Can!1.」「We Can!2.」についてです。外国文化に興味を持たせ、日本文化を外国に紹介する等、日常生活の中で関心が持てる話題や出来事が多く扱われている。そのため、学習指導の動機づけが高まるだけでなく、生徒が表現してみたくなる学習内容となっている。また、イラストつき単語リストは、カード形式になっており、生徒の学習活動に繰り返し生かせるものとなっていることも評価できる点であった。
 続いて、道徳です。毎日新聞出版の「やっぱりこういうとき、どうするんだっけ」ですが、生徒が出会うような身の回りにある課題を取り上げ、自分で対処していくことができるよう展開されており、解決に向けて明るい展望が持てるよう工夫されている。また、文章と漫画で構成されており、生徒の興味や関心を高める点が多いことがあげられています。
 次に高橋書店の「こころのふしぎ なぜ?どうして?」ですが、人間の感情・記憶・思考・判断と大きな関係を持つ心に焦点を当てて編集されている。心の不思議・命の不思議等、心の秘密について親しみやすいイラストとともに説明され、心にまつわる疑問を解決する形式で、自分の心と向き合う工夫がされている。
 続いて、主婦の友社の「未来へ向かう心が育つおはなし」でございます。民話や名作・詩・伝記など様々な話が掲載されている。どの話にもイメージが膨らむ挿絵があり、楽しく読み進めていける工夫が盛り込まれている点が評価されています。
 最後に、合同出版「イラスト版 気持ちの伝え方」でございますが、こんなときにどのように言えばいいだろうと思ったとき、すぐ使えるように実践的な例を挙げ解説されている。話し方のスキルだけでなく、相手も自分も尊重しコミュニケーションをとろうという気持ちにさせる、そんな工夫がされている点が評価されております。
 以上でございます。ご審議お願いいたします。

質疑、意見等

谷口教育長

 目を通させていただきましたが、調査委員の先生方は、いろいろな観点から適切に選んでいただいていると思います。長くなりましたのでここで10分休憩をとりまして、委員の皆さまも今説明のありました教科用図書について確認いただけたらと思います。

( 休憩 )

谷口教育長

 それでは再開いたします。
 ご意見等ありますか。質疑もないようですので、審議結果につきましては異議なしと認め、議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択3.小中学校特別支援学級の教科書の審議結果を可決することでよろしいでしょうか。

各委員

 全員承諾 

谷口教育長

 それでは議案第45号、平成31年度使用教科用図書の採択3.小中学校特別支援学級の教科書について、承認することといたします。

閉会 午後4時40分

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 教育総務課
電話番号:0748-77-7010
ファックス:0748-77-4101

メールフォームでのお問い合わせ