○湖南市政治倫理条例

平成17年9月30日

条例第29号

(目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その負託にこたえるため、市長、副市長、教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、市民全体の奉仕者として、政治倫理の確立と向上に努め、常に良心に従い、誠実かつ公正にその職務を行うべきことを促し、あわせて市民が市政の主権者としての自覚のもとに行動することを求め、もって清潔で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(市長等及び議員の責務)

第2条 市長等及び議員は、市民全体の代表者として、法令及びこの条例を遵守し、市政にかかわる自らの役割と責務を深く自覚し、自ら研鑽に励むとともに、良心に従い責任ある政治活動に努めなければならない。

(市民の責務)

第3条 市民は、主権者として市政を担うとの自覚のもとに公共の利益を目指し行動し、市長等及び議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(政治倫理基準)

第4条 市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の奉仕者として、常に人格と倫理の向上に努め、その職務に関して不正の疑惑をもたれるおそれのある一切の行為を厳に慎み、その品位と名誉を損なうおそれのある行為及び次に掲げる行為をしないこと。

 その自由刑として禁錮のみを定める罪以外の道徳的に非難されるべき動機に基づき行われ、その法定刑として罰金以上の刑を定める罪(道路交通法(昭和35年法律第105号)第125条第1項に規定する反則行為(同条第2項第1号又は第2号に該当し反則者とならない反則行為を除く。)を除く。)又は刑法(明治40年法律第45号)第211条(道路交通法第117条、第117条の2第1号又は第118条第1項第1号の罪と刑法第45条若しくは同法第54条第1項に規定する関係となる場合に限る。)の罪の被疑者として捜査機関の取調べの対象となる行為

(2) 市民全体の奉仕者として、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 市が行う許可、認可又は請負その他の契約に関して、特定業者を推薦、紹介するなど有利な取り計らいをしないこと。

(4) 政治活動に関し、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないものとし、その後援団体についても同様とすること。

(5) 市職員(会計年度任用職員等を含む。次号において同じ。)の公正な職務執行を妨げ、その権限又はその地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(6) 議員は、市職員の採用、昇進又は人事異動に関して、特定の個人の推薦若しくは紹介をしないこと。

2 市長等及び議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら誠実かつ公正に疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(市民の調査請求権)

第5条 市民(地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第18条に定める本市に選挙権を有する者に限る。以下この条及び第12条第1項において同じ。)及び議員は、市長等及び議員が第4条第1項に掲げる政治倫理基準に違反していると認めるときは、当該市長等又は議員が政治倫理基準に違反していると疑うに足る事実を証する資料を添えて、市民にあっては法第18条に定める本市に選挙権を有する市民(以下「有権者」という。)の200分の1以上の者の連署、議員にあっては3名以上の者の連署をもって、市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長に調査を請求することができる。

2 議長は、前項の規定により議員に対する調査の請求を受けたときは、その書面の写しを市長に送付しなければならない。

(政治倫理審査会の設置)

第6条 政治倫理確立のため必要な事項の調査、審査等その他の処理を行うため法第138条の4第3項の規定に基づき、湖南市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 市長は、前条第1項の規定による調査の請求(以下「調査請求」という。)があったとき、又は前条第2項の規定により議長から書面の写しの送付を受けたときは、速やかに審査会に当該審査を付託しなければならない。

3 審査会の委員は、6人とし、有権者で社会的信望があり、かつ地方行政に関し優れた識見を有する者のうちから、議長の同意を得て、市長が委嘱する。

4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員が生じた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

6 審査会の審査は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。

7 審査会の会議は、公開とする。ただし、委員の定数の3分の2以上の同意がある場合は、非公開とすることができる。

(審査会の職務等)

第7条 審査会は、市長から審査を付託されたときは、調査の請求の適否又は政治倫理基準違反の行為の存否について審査する。

2 審査会は、付託された審査を行うため、当該審査の対象となっている市長等及び議員(以下「審査対象者」という。)若しくは関係者に対し、資料請求、事情聴取等必要な調査を行うことができる。

3 審査会は、必要があると認めるときは、関係行政機関又は公私の団体に照会して事案の実態を明らかにするものとする。

4 審査会は、審査対象者に出席を求め、弁明の機会を与えなければならない。

5 審査会は、第1項の規定による審査を終えたときは、その審査結果を市長に報告しなければならない。この場合において、審査会は、必要と認める措置について、理由を付した文書をもって勧告することができる。

6 市長は、第5条第1項の規定による調査の請求を行った市民又は議員及び当該審査対象者に対し審査等の結果を通知し、審査結果の概要を公表するとともに、審査会から議員に係る前項の報告を受けたときは、その写しを直ちに議長に送付しなければならない。

7 議長は、市長から前項の審査結果の報告の写しを受けたときは、その概要を速やかに公表しなければならない。

(市長等又は議員の協力義務)

第8条 市長等又は議員は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して説明をしなければならない。

2 市長は、審査会より審査対象者が虚偽の報告をし、又は調査に協力しなかったとの報告を受けたときは、その旨を公表するものとする。

(宣誓書の提出義務)

第9条 市長等及び議員は、法令及びこの条例を遵守する旨の宣誓を行うものとし、別に定める宣誓書を市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。

2 市長又は議長は、前項の規定により提出された宣誓書を保管しなければならない。

3 市長又は議長は、第1項の宣誓書を提出しない者があるときは、その氏名を速やかに公表しなければならない。

(職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)

第10条 刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める贈収賄罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)の容疑により逮補された市長等及び議員が、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し、釈明しなければならない。

(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)

第11条 職務関連犯罪により起訴された市長等及び議員が、引き続きその職にとどまろうとするときは、当該市長等及び議員は、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めなければならない。この場合において、当該市長等及び議員は、説明会に出席し、釈明しなければならない。

(説明会開催請求)

第12条 市民は、前2条の規定による説明会が開催されないときは、有権者の200分の1以上の者の連署をもって、当該説明会の開催を請求することができる。

2 前項の開催請求は、逮捕後の説明会にあっては起訴又は不起訴の処分がなされるまでの間に、起訴後の説明会にあっては起訴された日から50日以内に、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に行うものとする。

3 市民は、説明会において当該市長等及び議員に質問することができる。

(職務関連犯罪による第一審有罪判決後の説明会)

第13条 前条の規定は、市長等及び議員が職務関連犯罪による第1審有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとするときの説明会の開催等について準用する。この場合において、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。

(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)

第14条 市長等及び議員は、職務関連犯罪による有罪判決が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定その他法律の規定により失職する場合を除き、市民全体の代表者としての名誉と品位を守り市民の信頼を回復するため、辞職手続をとるものとする。

(市の工事等に関する遵守事項)

第15条 市長等又は議員は、本人及びその配偶者又は同居の親族が経営し若しくは役員をしている企業、又は実質的に経営に関与する企業について、法第92条の2、第142条及び第166条第2項の規定の趣旨を尊重し、市が行う工事等の請負契約、下請契約、業務委託契約及び一般物品納入契約に関し、市民に疑惑の念を生じさせるような有利な取扱いをしてはならない。

2 前項に規定する企業について、市からの請負金額が、年商の3分の1を超えてはならない。ただし、その金額が3分の1以内であっても100万円を超える場合は、当該市長等及び議員は、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、その旨を届け出なければならない。

3 市長等及び議員は、市が出資又は運営費の補助を行う法人等で別に定めるものについて、報酬を受領する職務に就いてはならない。

(規則への委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年11月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日(以下「公布日」という。)から施行する。

(施行のための準備)

2 施行日において市長等及び議員である者は、施行後速やかに第9条の規定による宣誓書を市長又は議長に提出しなければならない。

(湖南市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 湖南市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成16年湖南市条例第48号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成19年条例第3号)

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(経過措置)

4 第6条の改正規定については、地方自治法の一部を改正する法律(平成18年法律第53号)附則第3条第1項の規定により、その任期中に限り、なお従前の例により在職することとされる収入役の在職期間中においては、第1条中「副市長」とあるのは「副市長、収入役」と読み替えるものとする。

(令和4年条例第18号)

この条例は、令和4年5月1日から施行する。

湖南市政治倫理条例

平成17年9月30日 条例第29号

(令和4年5月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 市長部局/第1節 事務分掌
沿革情報
平成17年9月30日 条例第29号
平成19年3月22日 条例第3号
令和4年5月1日 条例第18号