○湖南市景観条例

平成25年9月30日

条例第32号

目次

前文

第1章 総則(第1条~第5条)

第2章 景観計画の策定等(第6条~第10条)

第3章 行為の規制(第11条~第19条)

第4章 景観重要建造物等

第1節 景観重要建造物(第20条~第23条)

第2節 景観重要樹木(第24条~第27条)

第5章 景観重要公共施設(第28条・第29条)

第6章 良好な景観形成の推進(第30条・第31条)

第7章 表彰、支援等(第32条・第33条)

第8章 湖南市景観審議会(第34条~第36条)

第9章 湖南市景観アドバイザー(第37条)

第10章 雑則(第38条)

付則

湖南市は、南北に市域を縁取る山地・丘陵地や中央を流れる野洲川、国の天然記念物に指定されているうつくし松などの豊かな自然、東海道、湖南三山といった歴史・文化資源、広々とした田園景観、ぬくもりを感じさせる集落景観などの多様な景観資源に恵まれています。景観は、人々の心や姿勢の表れ、周りの人々への心づかい、人知を超えた自然の営みの表れであり、これまで守り継がれてきた美しい景観に触れることは、心の豊かさや幸福の実感につながるものです。わたしたち一人ひとりが、湖南市らしい景観を守り、次世代へ継承するとともに、美しい景観づくりを通して湖南市への愛着と誇りを持ち、“ほっ”と和めるふるさと「こなん」の実現をめざし、ここに湖南市景観条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、景観形成に関し、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づく景観計画の策定、行為の規制等に関する事項その他必要な事項を定めることにより、美しいふるさと湖南の風景を守り育てることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 景観形成 良好な景観を保全し、若しくは創造し、又は良好な景観に修復することをいう。

(2) 大規模建築物等 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物(以下「建築物」という。)で高さ13メートル以上、4階建て以上若しくは延床面積500平方メートルを超えるもの又は工作物(建築物を除く。以下同じ。)で高さ13メートル以上のもののうち規則で定めるものをいう。

(市の責務)

第3条 市は、良好な景観形成を図るため、基本的かつ総合的な施策を策定し、これを実施するものとする。

2 市は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、市民及び事業者(以下「市民等」という。)の意見が十分に反映されるよう努めなければならない。

3 市は、道路、河川、公園その他の公共施設の整備を行う場合には、良好な景観形成を図るための調査、研究を行うとともに、先導的役割を果たすよう努めなければならない。

4 市は、市民等が景観形成についての理解を深めるよう、啓発に努めなければならない。

(市民及び事業者の責務)

第4条 市民等は、自らも景観形成の主体であることを認識し、自主的、かつ、積極的に景観形成に寄与するよう努めるとともに、市が実施する景観形成に関する施策に協力しなければならない。

(国、地方公共団体等に対する協力要請)

第5条 市長は、必要があると認めるときは、国及び他の地方公共団体並びに公共的団体に対して、良好な景観の形成について協力を要請するものとする。

第2章 景観計画の策定等

(景観計画)

第6条 市長は、景観計画(法第8条第1項に規定する景観計画をいう。)を定めようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。これを変更しようとするときも同様とするものとする。

(重点地区の指定)

第7条 景観計画区域(法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域をいう。以下同じ。)のうち、次の各号のいずれかに該当する区域において、当該区域の特性を生かした景観づくりを重点的に図る必要がある区域(以下「重点地区」という。)を指定し、景観計画に定めることができる。

(1) 湖南市を代表する観光地など多くの人が訪れる地域で、良好な景観形成を展開することによって、市全体のイメージアップに効果が高いと期待される区域

(2) 周辺の景観に大きな影響を与えることが予想される大規模な市街地整備が実施中あるいは予定されている区域

(3) 地域の環境美化活動など多様なまちづくり活動を実践している区域や、地域住民の身近なまちづくりに対する意欲が高い区域、又は期待できる区域

(4) 固有の地形条件や自然条件を有し、景観資源や各種公共公益施設が点在するなど、各種の施策を総合的に展開することができる区域

(重点地区候補地の指定)

第8条 市長は、景観計画区域のうち、重点地区として指定の検討を行う必要がある区域を重点地区候補地として指定することができる。

2 市長は、前項の指定を行ったときは、重点地区として指定するための必要な調査検討を行うものとする。

(景観計画への適合)

第9条 景観計画区域内において建築物の建築等又は工作物の建設を行う者は、当該建築物又は工作物を景観計画に適合させなければならならない。

(景観計画の提案)

第10条 法第11条第2項の条例で定める団体は、第30条第1項に規定する景観形成市民団体とする。

2 市長は、法第11条の景観計画の提案を受けた場合において、当該提案に基づき景観計画の策定若しくは変更する必要があると認めるとき、又は第14条第1項の規定による通知をしようとするときは、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。

3 景観法施行令(平成16年政令第398号)第7条に規定する景観計画の提案に係る一団の土地の区域の規模は、1,000平方メートル以上とする。

第3章 行為の規制

(行為の届出)

第11条 法第16条第1項第4号の条例で定める行為に係る同項の規定による届出は、同項に規定する事項を記載した届出書に、規則で定める図書を添付して行わなければならない。

2 法第16条第1項第4号の条例で定める行為に係る同項の条例で定める事項は、行為をしようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びに行為の完了予定日とする。

3 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、第7条第1項に規定する地区における次に掲げる行為とする。

(1) 土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更

(2) 木竹の伐採

(3) 屋外における物件の堆積

(4) 水面の埋立て又は干拓

4 法第16条第1項第4号の条例で定める行為に係る同条第2項の条例で定める事項は、設計又は施行方法のうち、その変更により同条第1項の届出に係る行為が同条第7項各号に掲げる行為に該当することとなるもの以外のものとする。

(勧告の手続、公表等)

第12条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴くことができる。

2 市長は、法第16条第3項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、その勧告に係る措置の実施状況その他必要な事項について報告させることができる。

3 市長は、法第16条第3項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくその勧告に従わなかった場合は、その旨、勧告の内容その他規則で定める事項を公表することができる。この場合において、市長は、あらかじめ、その者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(届出等を要しない行為)

第13条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの

(2) 規則で定める工作物以外の工作物の新設、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更

(3) 法令又は他の条例の規定に基づく許可、認可、届出、協議等を要する行為で規則で定めるもの

(4) 法令又は他の条例の規定に基づいて定められた地域、地区等で規則で定めるものの区域内で行う行為

(5) 国の機関、地方公共団体その他規則で定める公共団体が行う行為で規則で定めるもの以外の行為

(6) 重点地区以外の景観計画地区における大規模建築物等の新築若しくは新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(以下「新築等」という。)以外の行為

(特定届出対象行為)

第14条 法第17条第1項の条例で定める行為は、法第16条第1項第1号又は第2号の届出を要する行為とする。

(届出の時期)

第15条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出は、当該届出に係る行為が、建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項又は第6条の2第1項に規定する確認を要するものであるときは、当該確認の申請をする日の30日以上前に、その他の行為にあっては、その行為に着手する日の30日以上前に行わなければならない。

(事前協議)

第16条 法第16条第1項及び第2項又は第5項の規定による届出の対象となる行為を行おうとする者又はその設計若しくは施工を請け負う者は、その届出の前に市長と協議しなければならない。

2 市長は、前項の事前協議において届出の対象となる行為が景観計画に適合しない場合は、当該行為者に対して必要な措置をとることを指導することができる。

(行為の着手の制限に係る期間の短縮の通知)

第17条 市長は、法第18条第2項の規定により同条第1項の期間を短縮したときは、景観計画区域内における行為の着手期間短縮通知により、その旨を法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者に通知するものとする。

(完了届)

第18条 法第16条第1項及び第2項又は第5項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為が完了したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

2 前項の者が同項の行為を中止したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(変更命令の手続等)

第19条 市長は、法第17条第1項の規定により必要な措置を命じ、又は同条第5項の規定により原状回復若しくはこれに代わるべき必要な措置を命じようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。ただし、規則で定める場合において、既に湖南市景観審議会の意見を聴いているときは、この限りでない。

第4章 景観重要建造物等

第1節 景観重要建造物

(景観重要建造物の指定の手続等)

第20条 市長は、法第19条第1項の規定による景観重要建造物の指定をしようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。法第27条第2項の規定によりその指定を解除しようとするときも同様とする。

(原状回復命令等の手続)

第21条 市長は、法第23条第1項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置を命じようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(管理の方法の基準)

第22条 法第25条第2項の条例で定める管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 景観重要建造物の修繕は、特別の理由がある場合を除き、当該修繕前の外観を変更することのないようにすること。

(2) 消火器の設置その他の景観重要建造物の防災上必要な措置を講ずること。

(3) 景観重要建造物の滅失を防ぐため、その敷地、構造及び設備の状況を定期的に点検すること。

(4) その他規則で定めるもの

(管理に関する命令又は勧告の手続)

第23条 市長は、法第26条の規定により必要な措置を命じ、又は勧告しようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ景観審議会の意見を聴く時間的余裕がないときは、この限りでない。

第2節 景観重要樹木

(景観重要樹木の指定の手続等)

第24条 市長は、法第28条第1項の規定による景観重要樹木の指定をしようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。法第35条第2項の規定によりその指定を解除しようとするときも同様とする。

(原状回復命令等の手続)

第25条 市長は、法第32条第1項において準用する法第23条第1項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置を命じようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(管理の方法の基準)

第26条 法第33条第2項の条例で定める管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 景観重要樹木の良好な景観の保全のため、剪定その他必要な措置を講ずること。

(2) 景観重要樹木の滅失又は枯死を防ぐため、病害虫の駆除その他必要な措置を講ずること。

(3) その他規則で定めるもの

(管理に関する命令又は勧告の手続)

第27条 市長は、法第34条の規定により必要な措置を命じ、又は勧告しようとするときは、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ景観審議会の意見を聴く時間的余裕がないときは、この限りでない。

第5章 景観重要公共施設

(景観重要公共施設の指定)

第28条 市長は、景観計画区域内の道路、河川、公園等の公共施設で、景観形成において特に重要な景観資源として位置づけられるものを景観重要公共施設として景観計画に定め、当該公共施設管理者との協議により、法第8条第2項第4号ロに規定する景観形成のための整備に関する事項についての基準を定めることができる。

2 市長は、景観重要公共施設を景観計画で定めようとするときは、あらかじめ、当該公共施設管理者と協議するとともに、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(景観重要公共施設の占用等)

第29条 景観重要公共施設の占用等の許可を申請しようとする者は、その申請の前に市長に対して法第8条第2項第4号ハに規定する許可の基準に関する協議を行わなければならない。

2 市長は、前項の事前協議があったときは、当該公共施設の管理者の意見を聴くことができる。

3 市長は、第1項の協議において申請に係る占用等が景観計画に適合しない場合は、当該申請者に対して必要な措置をとることを指導することができる。

第6章 良好な景観形成の推進

(景観形成市民団体の認定等)

第30条 市長は、一定の地区において自主的に良好な景観形成に関する活動に取り組む市民等が設置した団体であって、市が実施する景観施策を市と協働して推進し、かつ、次の各号のいずれにも該当していると認めるものを、景観形成市民団体として認定することができる。

(1) 構成員の過半数が市内に住所を有する者であること。

(2) その活動の目的及び内容が、景観計画に定められた景観形成の目標と方針その他の事項に即したものであること。

(3) その活動が当該地区の多数の住民に支持されていると認められるものであること。

(4) その活動が関係者の所有権その他の財産権を不当に制限するものでないこと。

(5) その活動が営利活動、政治活動又は宗教活動を目的とするものでないこと。

(6) 該当団体の規約が、規則で定める要件を満たしていること。

2 前項の規定による認定を受けようとする団体は、規則の定めるところにより、市長に申請しなければならない。

3 市長は、第1項の規定により認定した団体が、同項各号のいずれかに該当しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

4 市長は、景観形成市民団体に対し、技術的支援その他の必要な支援を行うことができる。

(景観協定)

第31条 法第81条第4項又は第90条第1項の規定による景観協定(以下「景観協定」という。)の認可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。

2 市長は、前項の規定による申請があったときは、景観協定の認可について、あらかじめ、湖南市景観審議会の意見を聴かなければならない。

3 前2項の規定は、法第84条第1項の規定による協定の変更及び第88条第1項の規定による協定の廃止について準用する。

第7章 表彰、支援等

(表彰)

第32条 市長は、良好な景観形成に特に貢献していると認められる建築物、工作物その他の物件について、その所有者、設計者、施工者等を表彰することができる。

2 市長は、前項に掲げる者のほか、良好な景観形成に貢献した個人又は団体を表彰することができる。

(景観形成に係る支援等)

第33条 市長は、景観形成のために必要と認める場合は、市民等に対し、必要な支援を行い、又は助成措置を講ずることができる。

第8章 湖南市景観審議会

(設置)

第34条 市長の附属機関として湖南市景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、この条例及び湖南市屋外広告物条例(平成28年湖南市条例第31号)の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するほか、市長の諮問に応じ、景観形成に関する事項を調査審議するものとする。

3 審議会は、景観形成に関する事項について、市長に意見を述べることができる。

(組織)

第35条 審議会は、委員13人以内で組織する。

2 審議会の委員は、景観形成に関し学識経験を有する者その他市長が適当と認める者のうちから市長が任命し、又は委嘱する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、再任されることを妨げない。

4 補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(審議会の運営)

第36条 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。

第9章 景観アドバイザー

(景観アドバイザー)

第37条 市長は、良好な景観形成を推進するため、市民活動の支援、建築物等のデザイン及び色彩についての専門的な助言等を行う景観アドバイザーを設置することができる。

2 景観アドバイザーに関し必要な事項は、市長が別に定める。

第10章 雑則

(委任)

第38条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成25年12月1日から施行する。

(平成26年条例第48号)

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(湖南市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 湖南市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正(平成16年湖南市条例第48号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成28年条例第31号)

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。

湖南市景観条例

平成25年9月30日 条例第32号

(平成29年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第2章 都市計画・公園
沿革情報
平成25年9月30日 条例第32号
平成26年12月26日 条例第48号
平成28年12月26日 条例第31号