○湖南市農業次世代人材投資資金交付要綱
平成29年12月1日
告示第139―2号
湖南市青年就農給付金給付要綱(平成24年湖南市告示第180号の2)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この告示は、次世代を担う農業者となることを志向する経営開始直後の新規就農者に対して、予算の範囲内で経営開始型の農業次世代人材投資資金(以下「資金」という。)を交付することについて、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営第3543号農林水産事務次官依命通知。以下「実施要綱」という。)、農業次世代人材投資事業費補助金交付要綱(平成24年6月13日付け滋農政第436号滋賀県農政水産部長通知)及び湖南市補助金等交付規則(平成16年湖南市規則第44号)に規定するもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(交付対象者)
第2条 資金の交付の対象となる者(以下「交付対象者」という。)は、次の要件を満たすものとする。
(1) 独立・自営就農時の年齢が、原則50歳未満であり次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること。
ア 交付対象者が農地の所有権又は利用権(農地法(昭和27年法律第229号)第3条に基づく農業委員会の許可を受けたもの、同条第1項各号に該当するもの、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号。以下「基盤強化法」という。)第20条に基づく公告があったもの、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第18条に基づく公告があったもの、都市農地の貸借の円滑化に関する法律(平成30年法律第68号)第4条に基づく認定を受けたもの及び特定作業受委託契約を締結したものをいう。)を有していること。
イ 交付対象者が主要な農業機械・施設を所有し、又は借りていること。
ウ 交付対象者の名義で生産物や生産資材等を出荷・取引すること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 基盤強化法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項に規定する認定の取消しを受けた場合及び同条第3項に規定する認定の効力を失った場合を除く。
(4) 青年等就農計画に農業次世代人材投資資金申請追加資料(様式第1号)を添付したもの(以下「青年等就農計画等」という。)が次に掲げる要件に適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン及び農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(5) 農業経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ交付期間中に、新規作目の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等のリスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると市長に認められること。ただし、一戸一法人(原則として世帯員のみで構成される法人。)以外の農業法人を継承する場合は交付の対象外とする。
(6) 人・農地プラン(人・農地問題解決加速化支援事業実施要綱に定める実質化された人・農地プラン等をいう。)に中心となる経営体として位置づけられている、又は位置づけられることが確実と見込まれ、又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること。
(7) 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
(8) 原則として、実施要綱別記2に規定する農の雇用事業による助成を受けたことがある農業法人等でないこと。
(9) 原則として一農ネットに加入していること。
(10) 農業経営の開始後5年以内であること。
(11) 園芸施設共済の引受対象となる施設を所有する場合は、当該施設について、気象災害等による被災に備えて、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険、施工業者による保証等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。
(12) 第4条第1項の青年等就農計画等の承認申請時において、前年の世帯全体の所得が600万円以下であること。ただし、600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、交付の対象とする。なお、市長は、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると認めた根拠及び考え方を整理し、国から照会があった場合は提示するものとする。
(13) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域コミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持及び発展に向けた活動に協力する意思があること。
(資金の額及び交付期間)
第3条 資金の額は経営開始初年度にあっては、交付期間1年につき1人当たり150万円、経営開始2年目以降については、交付期間1年につき1人当たり350万円から前年の総所得(農業経営開始後の所得に限り、資金を除く。以下同じ。)を減じた額に5分の3を乗じて得た額(その額に1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)とする。ただし、前年の総所得が100万円未満の場合は、150万円とする。
ア 家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
イ 主要な経営資産を夫婦で共に所有していること。
ウ 夫婦共に前条第6号の要件を満たすものであること。
4 資金の交付期間は最長5年間とする。ただし、当該年度の前年度以前に経営を開始した者にあっては、経営開始後5年度目分までを交付対象期間とする。
(青年等就農計画等の承認)
第4条 資金の交付を受けようとする交付対象者は、青年等就農計画等を市長に提出し承認を求めなければならない。なお、青年等就農計画等を作成するに当たっては、市に相談し、計画の妥当性及び目標達成の実現性の観点から、滋賀県普及指導センター等の関係機関、第10条第2項のサポート体制の関係者等から助言及び指導を受けることとする。
2 市長は、経営開始型の交付を受けようとする者が青年等就農計画等を作成するに当たっては、当該者に対し、滋賀県普及指導センター等の関係機関、次項のサポート体制の関係者等と協力して、青年等就農計画等の妥当性及び目標達成の実現性の観点から、必要な助言及び指導を行うものとする。
(青年等就農計画等の変更承認)
第5条 前条の規定による青年等就農計画等の承認を受けた者は、青年等就農計画等を変更する場合は、市長に計画の変更を申請し、その承認を求めなければならない。ただし、追加の設備投資を要しない程度の経営面積の拡大、品目ごとの経営面積の増減等の軽微な変更の場合は、この限りでない。
(交付の申請及び決定)
第6条 青年等就農計画等の承認を受けた者は、農業次世代人材投資資金(経営開始型)交付申請書(様式第2号)を市長に提出しなければならない。
2 前項の規定による交付の申請は、半年分又は1年分を単位として行うものとし、経営開始後1年を経過したときは、既に経過した年数分は、交付の対象としない。
3 市長は、第1項の申請書の提出があったときは、これを審査し、適当と認めるときは、資金の交付を決定するものとする。
5 1年分を単位とする資金の交付の決定をした場合の資金の交付は、原則として半年分を単位として行うものとする。ただし、市長が必要と認める場合は、1年分を一括して交付することができるものとする。
(就農状況の報告等)
第8条 交付対象者は、交付期間中において、毎年7月末及び1月末までにその直前の6箇月における就農状況を、就農状況報告書(様式第3号)により、市長に提出しなければならない。
4 交付対象者は、交付期間終了後5年間の間に農業経営を中止し、離農した場合は、離農届(様式第6号)を市長に提出しなければならない。
6 市長は、前項の中断届の提出があったときは、その内容がやむを得ないと認められる場合、就農の中断を承認し、資金の交付を中断する。また、市長は就農再開に向けた取組状況を適宜確認し、就農再開に向けたフォローアップを行う。
(住所等変更届)
第9条 交付対象者は、交付期間内及び交付期間終了後5年間において、氏名、居住地、電話番号等を変更した場合は、変更後1箇月以内に住所等変更届(様式第9号)を市長に届け出るものとする。
(サポート体制の整備)
第10条 市長は、平成29年度以降の資金交付対象者の「経営・技術」、「営農資金」及び「農地」の各課題に対応できるよう、関係機関に所属する者及び関係者で構成するサポート体制を構築するものとする。
2 サポートチームは、原則として10月と4月の年2回、交付対象者を訪問し、経営状況の把握及び諸課題の相談に対応し、サポートチーム活動記録(様式第10号)を取りまとめるものとする。
(中間評価)
第11条 市長は、交付対象者の交付期間2年目が終了した時点で、中間評価を次の各号に掲げるとおり実施するものとする。
(1) 市長は、サポートチームや関係機関、関係者で構成する評価会を設置する。
(2) 市長は、農業経営基盤強化促進基本構想や第4条の審査の観点等を参考に評価項目、評価基準を設定し、評価会において就農状況報告や決算書等の関係書類、現地確認の状況等も参考にしながら、原則として面接により評価を実施し、評価区分のうち該当する区分に決定する。
(3) 評価区分は原則としてA(良好)、B(やや不良)、C(不良)の3段階とする。
(4) 市長は、評価の結果がA評価相当の者については、引き続き交付を継続するものとする。なお、A評価相当の者のうち希望するものについては、次条の経営発展支援金を交付することができるものとする。また、B評価相当の者については、サポートチームを中心とした重点指導の対象者として認定し、1年間、重点指導を行った上で、再度、中間評価に準じて評価を行う。C評価相当の者については、資金の交付を中止するものとする。
(5) 平成28年度以前に交付対象となった者についても、残りの交付期間中に評価を実施するものとする。
(6) 市長は、交付対象者に対し、経営の安定を図るため、農業共済その他の農業関係の保険への積極的な加入を促すものとする。
(経営発展支援金事業)
第12条 市長は、前条の中間評価でA評価相当とされた者のうち、希望するものに経営発展支援金(以下「支援金」という。)を交付する。
2 支援金の交付を希望する者は、経営開始型の交付3年目の交付対象期間内に経営発展支援金交付申請書(様式第11号)を市長に提出しなければならない。
3 市長は、前項の申請書の提出があったときは、これを審査し、交付対象者のさらなる経営発展につながる取組であると認める場合は、承認し、審査結果を通知するとともに、支援金を交付する。
4 前項の承認を受けた交付対象者が承認された内容を変更する場合は、その変更を市長に申請しなければならない。
6 交付対象者は、承認された内容を実施し、事業完了後1箇月以内又は該当事業年度の3月末日までに経営発展支援金実績報告書(様式第11号)を市長に提出し、承認を得なければならない。
7 市長は、前項の実績報告書の提出があったときは、内容を審査し、適当であると認める場合は承認し、支援金の精算を行う。
8 交付額は、第3項で承認された取組の実現に必要な額のうち他の助成措置等による助成額を除いた額とし、交付対象者が交付3年目に資金の交付を受けた場合の交付額の2倍又は150万円のいずれか低い額以内の額とする。
10 交付対象者が融資機関から行われる融資を活用し、農業用機械等の導入等の事業を行う場合について、当該事業に係る経費から融資額を除いた自己負担部分に充当することも可能とする。
(交付の中止)
第13条 交付対象者は、資金の交付を中止しようとするときは、中止届(様式第12号)を市長に届け出るものとする。
(1) 第2条の要件を満たさなくなった場合
(2) 農業経営を中止した場合
(3) 第8条第1項の就農状況の報告を行わなかった場合
(4) 第8条第2項の実施状況の確認等によって、次のいずれかに該当する場合その他交付対象者の考え方に規定する要件を満たさず、適切な農業経営を行っていないと判断した場合
ア 青年等就農計画等の達成に必要な経営資産を縮小した場合
イ 耕作すべき農地を遊休化した場合
ウ 農作物を適切に生産していない場合
エ 農業従事日数が一定以下(年間150日かつ年間1,200時間未満)である場合
オ 市から改善指導を受けたにもかかわらず、改善に向けた取組を行わない場合
(5) 国及び市長が実施する報告の徴収又は立入調査に協力しない場合
(6) 第11条の中間評価によりC評価相当と判断された場合
(交付の休止等)
第14条 交付対象者は、病気その他のやむを得ない理由により農業経営を休止しようとするときは、休止届(様式第13号)を市長に届け出るものとする。
2 市長は、前項の休止届の提出があったときは、資金の交付を休止するものとする。
4 市長は、前項の再開届の提出があった場合において、交付対象者が適切に農業経営を行うことができると認められるときは、資金の交付を再開するものとする。
(1) 第13条第2項第1号から第5号までの規定及び前条第2項に該当した時点が既に交付した資金の対象期間中である場合は、残りの対象期間の月数分(当該事由に該当した月を含む。)の資金を月単位で返還する。
(2) 偽りその他の不正行為により、不正に資金の交付を受けた場合は、資金の全額を返還する。
(その他)
第17条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この告示は、告示の日から施行する。
附則(令和元年告示第71号)
この告示は、告示の日から施行し、平成31年4月1日から適用する。
附則(令和2年告示第45―6号)
この告示は、令和2年4月1日から施行する。