豊かな暮らしを体現できるまち

2019年4月に京都から移住された柴崎友佑(愛称ドリー)さん
現在、湖南市地域おこし協力隊として、古民家をセルフリノベーションして”ブックカフェ”を立ち上げるプロジェクトを進行中。そのブックカフェの準備と同時に、“栞(しおり)本”という造語で、一人一人の思いが込もった"世界で一冊だけの古本"を集めたり、「湖南ふるほんマルシェ」という地域内外の人たちで賑わうクラフトマーケットの開催をされています。

古本マルシェ開催準備の様子

地域のひとたちとの交流
ドリーさんは京都嵯峨芸術大学メディアアートコースを卒業し、WEB制作のフリーランサーとして活動した後、2016年に「Dongree コーヒースタンドと暮らしの道具店」を京都東山に立ち上げました。そして、そのセカンドステージとして、"自らが暮らし、人を迎える"ための新店舗立ち上げを志し、ここ湖南市で活動されています。

「Dongree」のテーマは、『顔の見える繋がりと手しごと』。豊かな暮らしには、"ちょうど良い距離”と"ちょうど良い規模"のコミュニティが重要だと考え、その実践の場として京都のお店を立ち上げられました。また、店舗運営と同時に野外でのマーケットイベントを数多く主催。
そんなドリーさんに湖南市の印象を聞いてみました。
僕は、京都のお店をスタート地点と捉えていて、次なる活動のフィールドを目指して約3年経営していました。そんな折に出会ったのが、京都からちょうど良い距離にある、お隣の滋賀県湖南市。
第一印象は、風景もまちの営みも”フラット"な町。
野洲川を中心とした雄大な田園風景と、どこまでも広がる空は、京都の暮らしでは考えられないほどのスケールで、日々清々しい気持ちにさせてくれます。また、まちのスーパーや飲食店なども、都市部に見られるような過度な密集は無く、それでいて生活インフラには十分な利便性を備えていて、ほどよい距離感と規模感で「まちで暮らす人のための商い」という感じです。激しい集客競争や、派手な広告戦略などとは無縁に見え、どこかホッとさせてくれます。

古民家の改修を協力してくれる仲間
本当に豊かな暮らしに必要なのは、観光地でも特産品でもなく、そこで"豊かさを感じて暮らす人"だと思います。
行きすぎた経済成長やグローバリズムに疲弊する人が増えている現代社会では、その豊かに暮らす人のもとにこそ、人は集まってくると信じています。
湖南市と京都を行き来する中で、県をまたいでいるとは思えないくらい近い印象を持ちましたし、実際に移動は苦になりません。静かな湖南の家と、賑やかな京都の両方を感じながら暮らしています。
また、隣の京都だけでなく、高速道路により関西の都市部からのアクセスも比較的容易だという側面もあります。
地方創生に重要なファクターとして、移住だけでなく”関係人口”や、"滞在が目的の旅人"が全国で増えている昨今、集まるチャレンジャー次第で、如何様にも進化できる土壌が、ここ湖南市には沢山あると思っています。
琵琶湖の南東に位置するこの豊かな町で、いま私はとても充実した暮らしを送らせてもらっています。それは、お金だけでは得られない、自らの手を動かした者だけが得られる充実感であり、本当の豊かさと言えるのかもしれません。

Dongreeのイメージ画像
Dongreeの新店舗『Dongree Books & Story Cafe』は、2020年オープン予定。
テーマは『本で人が出会い、物語が始まるカフェ』。読書や、近隣の新鮮な食材をつかったランチメニュー、そして様々なジャンルの手仕事の品。カフェという空間で、いろんな物語に触れ、豊かさのヒントが得られるような場所を目指して。
Dongree公式WEB
更新日:2020年04月28日