令和元年度第2回湖南市総合教育会議会議録

更新日:2020年01月15日

令和元年度 第2回 総合教育会議 要点筆記

 

開催日時 令和元年8月21日(水曜日) 午後4時 開議

 

開催場所 湖南市役所東庁舎 3階大会議室

 

会議次第

1、市長あいさつ

 

2、議題 

(1)教育大綱について

(2)中学校における部活指導について

(3)学校へのスマホ持込禁止の見直しについて

(4)らくらく勉強会の進捗について

 

 

会議に出席した委員

5人

会議に出席した事務局職員   

15人

会議を傍聴した人

2人 

【会議内容】

事務局

みなさんこんにちは。ただいまより令和元年度第2回目の総合教育会議を開催させていただきます。開会にあたりまして市民憲章の唱和をいつもしておりますが、先ほどの定例教育委員会で済んでおりますので割愛させていただきます。

それでは市長から挨拶を申し上げます。

 

市長

みなさんこんにちは。令和元年度になりまして2回目の総合教育会議ということでお集まりいただきましてありがとうございます。今日は福永県教育長にもお越しいただきまして市の取組をお聞き取りいただきたいと考えているところでございます。この場は要望の場でもございませんのでご安心いただければと思っています。湖南市におきましては今ちょうど夏休みの最中でありますし、教職員のアドバンス研修も行われております。学校現場で先生をしっかりとお支えするというのが市長部局と教育委員会の仕事だと思っておりますので、教育委員のみなさま方にもいろいろな面でご協力をお願い申し上げまして開会のあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

事務局

ありがとうございます。続きまして県教育長の福永様よりご挨拶をいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 

県教育長

滋賀県教育委員会教育長の福永でございます。本日は湖南市の総合教育会議ということで参加させていただきます。県におきましては本年3月に滋賀県教育大綱を作りまして4月から5年間、この方向性で進めております。ただ、すべてがうまくいっているというわけではございませんし、課題も次々に出てきているところでございます。特に4月になってからは子どもたちの安全安心ということが一つの課題としてクローズアップされていますので、その点は県だけではなく各市町と意見交換をしながら子どもたちの安全安心にさらに取り組みたいと思っています。また、いまちょうど夏休みということで子どもたちの様々なスポーツの大会がありますが、近年のこの暑さの中で子どもたちの健康をもう少し考える必要があると感じています。特に屋外スポーツについて高校野球もやっておりますが、本県におきましても全国中学校軟式野球大会が始まっておりますし、屋内ではありますが昨日から全国中学校卓球大会も開催されております。やはり暑さ対策が大きな課題だと思っております。このように課題は様々ありますが、市町の皆さんといろいろ意見交換をしながら滋賀の教育をより一層振興していきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

 

事務局

ありがとうございます。本日配布資料の確認ですが追加議案として教育大綱(案)と変更いたしました次第を配布しましたのでご確認いただきますようお願いします。それでは湖南市総合教育会議運営規則に従い市長に議事進行をお願いしたいと思います。

 

議長

それでは第2回の湖南市総合教育会議を開きたいと思います。本日は教育大綱(案)について、中学校における部活指導について、学校へのスマホ持込禁止の見直しについて、らくらく勉強会の進捗についての4つの議題についてご議論いただきたいと思います。まず一つ目の教育大綱(案)については私の方から説明を申し上げます。

 

議長

<1.教育大綱(案)について>説明

 

教育長

各委員のみなさまには市長の修正が反映された黒一色の大綱(案)が行っていると思いますが、私の手元には現行の教育大綱を修正したものが赤、それに市長が手を入れられたものが青で示されているものがあります。これを見ていただければ思考過程がよくわかりますので、後ほどお配りさせていただいて目を通していただき、後日の臨時教育委員会でご意見をいただければと思います。地教行法が改正されて地方公共団体の長は教育大綱を作ると定められているのですが、本当に市長が作っているのは湖南市ぐらいです。今日はそれを福永教育長に見ていただいたということでよろしくお願いいたします。

 

議長

他にはよろしいでしょうか。では、後ほど見え消しのカラー刷りをお渡しいたしますのでご意見をいただけれればと思います。次に中学校における部活指導についてを議題といたします。学校教育課より説明をお願いします。

 

学校教育課長、学校教育課指導主事

<2.中学校における部活指導について>説明

 

議長

ただいまの事務局からの説明につきまして委員のみなさまから何かご意見等ございますでしょうか。

 

議長

今、課長が言った究極の目標は教育の質を上げることであって、時間外勤務の縮減は副次的なものではありますけれども、実際今まで教育の質を高めるところに、部活動等のいわゆる本務ではない部分がどれぐらい足かせになってきたのかデータ的なものはないんでしょうか。

学校教育課長

いまのところ、指標をどのように定めるのかを模索しているというような状況であります。例えば教材研究の時間が増えて子どもたちにしてみれば「授業が楽しい」といった子どもの評価も指標の一つになるでしょうし、子どもたちにゆとりをもって接するようになったという教員自身のとらえ方も指標になると思うんですけれども、それを各学校がどのように設定するかにつきましてはこの2学期におそらく設定できるのではないかと思います。

 

委員

先ほどの教育委員会でも話題になったのですが、子どもたちがスポーツを学んだり上達させるというシステムはいろいろ複雑になっていて、昔は部活一本だったのがいわゆるクラブチームや特にサッカーなどスポーツ団体のジュニアチームがあり、そこからプロへつながるというような二重三重の構造になっています。いま、教員の超過勤務の文脈のなかでスポーツの部活が取り上げられ、学校はブラック企業のようだから何とかしろと文科省も上から話題を絞ってきています。そういった形で部活が問題になってきているのですが、いまは子どもたちがスポーツをやる場所や機会は複雑になっているのですから、もう少し考えて別の可能性も探って、部活ありきの議論から部活のありかた自体を考える時期に来ているのではないかというのが先ほどの教育委員会定例会で話題になっていました。教育長は部活は一つではなくてもう少しいろいろできるようにすればという考え方をお持ちで、私もそういう時期に来ているのかなと思っています。

 

委員

バランスを取りながらというのは難しいと思います。働き方改革もあれば子どもたちに勉強もさせなければなりませんし、日枝中学校では部活の種類が他校に比べて少ないと言われていて、難しいんだろうなと思います。

 

学校教育課指導主事

おっしゃるとおり日枝中学校は部活動が少ないですが、複数の教員で部活を見れますので、ケガなどの対応はしやすいというのがメリットです。しかしその反面、中学に入学して小学校までやってきた種目がなく続けることができないというデメリットもあり、全ての子どもたちの要望に応えることができないところに難しさがあります。昨年度視察に行った記録を見ていますと、岐阜県の多治見市などは面白い取組をしておられて、午後5時までは部活動でその後は地域に帰すということで、保護者や地域の方が部活動を見ていただき、教員は仕事に戻っても帰宅してもそのまま部活を見てもいいという取組をされているようです。ただ、お話を聞いていますと人材の確保に苦労しておられるようですが面白い取組であることは間違いありません。

 

委員

例えば中学入学時にサッカー部に入ればそのままサッカー部に入り続けてサッカーが強くなることを目指すという形だと思うのですが、今はクラブチームなどでそういうことはできるので、中学校の部活においては学期ごとにいろんな競技を体験できる場にしていければ子どもたちのスポーツのすそ野を広げていくことにつながるんじゃないかという話は出ていました。

 

議長

これからはそういった側面も必要になってくるんでしょうね。事務局の方でもその点十分に研究していただいて、学校現場での判断になるとは思いますが、そういった事例等も現場に示していただきながら適切に誘導していただければと思います。他はよろしいでしょうか。

 

委員

指導していただく先生方の経験と言いましょうか、まったくやったことのない競技の部活に配属させられて、新たなスキルの習得になるかもしれませんが、それがかえって負担になるという先生もいるということがどうなのかなと思います。先生などスタッフによって部活動のあり方も大きく左右されるので、先生の人事異動によって強くなったり弱くなったりがあることを思えば固定化された地域のスポーツなどで長い期間見てもらう方が子どもにとってはいいのかなという気もします。

 

議長

体育系だけではなくて例えば吹奏楽などはジュニアバンドでやっている子たちもたくさんいますし、そういった意味ではクラブチームを活用していくというやり方と各学期ごとに体験的に取り組んでいくというやり方も考えられると思います。そういった施策の作り方を事務局の方でも練っていただいて教育委員会と議論していただきたいと思います。ただ指導員の部分については予算がともなうことでもありますし、働き方改革との整合や見合いということも十分に確認していただければと思います。

 

 

教育長

働き方改革のところでいうと、やはり大枠をどうするかということ、これは地方の一教育長が言ってても全然ダメなんですが、例えば勤務時間が17時15分までとなっていても最終下校はそれより遅いんですね。ハナから超過勤務を想定しているんです。それが朝も同じで8時過ぎの出勤時刻のずっと早くに、7時半とかに来ないと子どもたちが登校してくるんです。これも超過勤務を込めて今の日程を組んでいますので、それをどうするのかという問題もあります。また今話題になっているように部活の位置づけをどうするか、私の個人的考えを言いますと前回の東京オリンピックのレガシーがスポ少でしたから、今回の東京オリンピックでは中学の部活改革をレガシーとしていただきたいなと、中体連を解体しなければできませんが、それぐらいの大枠に手を付けないとどうしても中体連は今までやってきたことをやっていきたいと思っています。なかなかそこの大枠が変わらないですね。それともう一つは、部活というと運動系ばかりをイメージしますが、文化系もあるわけで、吹奏楽ならジュニアバンドがある意味でのクラブチームになっています。同じようにそこの位置づけをどうするかを考えていかないと、教師がライフで指導するのは私は構わないと思っています。ワークとして位置づけているから勤務時間などが関係してくるのであって、大枠が大事だと思っています。多治見方式や部活指導員などいずれも予算がいることですけれども、そういう形で持っていかないと校長会資料でもどの学校も運動系の指導者を探しています。部活は働き方改革とセットでやっていかないとかなり大きな問題で手こずると思います。

 

委員

なくなっていくと困りますよね。先生方が教えてくださるのと違って、部活の先輩後輩がいますよね。先生にも敬語を使えない子がジュニアバンドなどに来るとちゃんと敬語を使っていることを目の当たりにしてびっくりしました。そういう教育もすごいなと思いました。

 

教育長

今スポ少はほとんど地域の方が指導しておられて、教師が指導している部分もそれはライフで行われています。前の東京大会のレガシーはそうなっていますので、中学部活もそうならないかなと思っています。

 

委員

先生が積極的に部活にたずさわってライフとして指導を続けておられることは問題ないわけですよね。それがそうでない形で圧迫されるのは困るので、選択肢を設定するのは大事だと思います。部活を見ることができないと思っている先生にとってはものすごくプレッシャーになって他のことができなくなってしまうという状態が続いてきたのではないかと思います。学校に部活ファシズムはやめてくれと伝えたこともあります。子どもを犠牲にするなら中体連もそろそろいいのではと思っています。

 

教育長

保護者の間でも部活指導が熱心な先生はいい先生という評価もありますね。

 

議長

子どもたち全員が全員部活にのめり込んでいるわけでもなく、必死にやってる部活もあれば文化系でゆるく過ごしている部活もあったりしますから、ケースバイケースであるとは思いますけれども、先ほどもあったように先生側から見れば選択肢をきちんと選べるように、教育委員会の方でその部分は最低限のルール作りをしていただけばありがたいと思います。

 

委員

部活のことをファッショと言ったのは、そのころはスポーツをやっていれば必ず勉強もよくできるんだという一種の神話があって、先生方もものすごく厳しく指導して、でもそれが子どもにとってものすごいプレッシャーになっていてそれが嫌でしようがなかったですね。

 

議長

後は適宜教育委員会で議論していただいて、市長部局としては予算とのからみになってきますので、またよろしくお願いしたいと思います。それでは部活動についてはこれくらいにしたいと思います。次に三つ目の学校へのスマホ持込禁止の見直しについてを議題といたします。学校教育課から説明願います。

 

学校教育課長

<3.学校へのスマホ持込禁止の見直しについて説明>

 

議長

事務局から説明がありましたけれども、学校へのスマホ持込禁止の見直しについて、大阪市あたりだと解禁になっていますけれども湖南市ではまだ現場サイドではそこまで考えていないとのことです。委員のみなさんいかがでしょうか。

 

委員

小学校の英語の教科書にバーコードついているものがあってそれをスマホで読み込むときれいな発音の英語が聞けるんです。スマホがないとそれが聞けませんので、持ってきては絶対だめというんじゃなくルール作りが必要だと思いますね。

 

教育長

いま、教科書採択の時期で、新しい教科書を英語だけじゃなく理科や社会、国語にもQRコードがついているんです。教科書会社はどういう考えで作ったのか、文科省はどういう考えで採択したのかわかりませんが、便利なのでいずれスマホを使った授業になるのかも知れませんね。

 

委員

今年の教科書の選択をしてきて、やはりQRコードがついたのが多いので、何らかの形で利用せざるを得なくなることは確かですよね。学校では教師がパソコンで写して見るということができますが、家庭ではそうもいきませんから。

 

教育長

教室では教員がパソコン1台あれば広げて見られますので学校にはスマホは持って来ないと。

 

委員

そういった設備は必要になりますが、コミュニティスクールの会議などでは教育委員会で持込を禁止してもらったらありがたいという校長先生の意見も出ました。ただ、もう禁止することは無理だと思います。

 

教育長

今は文科省の方針で原則持込禁止です。

 

委員

学校では使わないにしても、持って来ざるを得ない状況になってきて、その時にどうやって預かって管理するかいうことに話が移ってくると思います。

 

議長

今の子どもたちは、生まれた時から隣にスマホがありますからね。我々のように後からパソコンのようなものが来てその後にスマホが来たということですからね。子どもたちにとっては普段から「あるもの」なので、大人の感覚で止めるのか止めないのか、止めないならどう管理するかということになってくるのではないかと思います。

 

県教育長

スマホや携帯電話について平成21年に文部科学省から通知があって、小中学校においては子どもが学校に持ち込むことは基本的に禁止しますとあります。持ち込むことがダメですので、使わなければいいというものでもありません。先ほどお話がありました大阪北部地震で、大阪府教育長がガイドラインで事実上解禁しますという表現がありましたが、これもよく読みますと登下校時の緊急時に限って使用を認めるというものであって、学校に入ったら預けるということで校内での使用は禁止ということになっています。またスマホによるSNSなどへの悪質な書き込み等について、平成29年度の県の調査では小学校で57件、中学校で134件、高等学校で27件あるというのが現実としてあります。スマホの所持率については全国学力・学習状況調査や県警少年課の調べで小学校6年生で50%ぐらい、中学生で約70%、高校生で98~99%となっています。で、どうするのかという話になるのですが、湖南市の場合は緊急時などにタウンメールで一斉に配信できるという安全確認のためのスキームを持っておられるのでそこは一定クリアできるのかなと思っています。そして、もう一つは登下校時にいろんな事件が発生した際、はたしてスマホを持っていれば解決するかということになるとそれも難しいかもわかりません。また、いまご議論いただいた教科書ですが、県立中学校の分は本日臨時教育委員会を開きまして採択の議論をいたしましたところ、確かに教科書にQRコードがついていて、文科省もICT教育を進めるために子どもたち用の機器をどうするか、予算の面からも課題があります。一つはWifiなどの通信部分のICT化、二つ目に教員が使う電子黒板やパソコンなどのICT化、最後に子どもたちが使うICT機器で文科省は理想としては一人1台のタブレットを考えているようですが、もちろん莫大な費用がかかります。それを学校がどこまでそろえられるかということで、県としてモデル的に保護者で買っていただけないかという取組を始めましたが、当然「うちでは無理です」という家庭も出てきており、それをどうするかが課題です。いきなり全部はできませんが、教員がタブレットやパソコンを用いて電子黒板を活用してすべての普通教室において子どもが見られることを優先して進めることが必要かと思っています。スマホの話に戻りますが、普段家庭も含めてのスマホの対策が必要かと思います。全国学力・学習状況調査で全国の値ですが毎日2時間以上スマホをさわっている中学3年生は全体の3分の1以上あるそうで、こういうことでいいのかと、6月県議会でも議論になりましたが、長時間スマホやゲームによる健康被害、いわゆるゲーム障害という形で韓国でも社会問題になっています。こういうこともしっかり意識しないといけないなと、ゲーム依存症に陥らないように考えていかないといけないと思います。

 

議長

先ほど意見を頂戴すればよかったですね。

 

県教育長

先ほど部活動の件については委員がおっしゃっていた部活動の種目数というのが大きな問題でありまして、子どもが全部やろうとすると限りなく難しくなってきます。何より教えられる先生の確保も難しくなりどこまで種目数を認めるのかということですが、やはり教員の働き方改革を含めて考えなければなりませんし、慣れていない教員にとっては指導することがストレスになるということもあります。これが原因で中学の教員志望をためらう若者もいますので、そういう点も気にしながら学校現場を考えていく必要があります。今、教員の選考採用をしてるんですが、教員志望者が減ってきているという危機的な課題があり、そのためにいろいろと取組をやっていかないといけないと思っておりまして、この部活の問題も大きなテーマだと思っております。

 

議長

いろいろとお話をいただきましたが、いかがでしょうか。

 

委員

今は学校現場でのお話でしたが、子どもたちの個人的な関係の中でのスマホのルール作りというのはもう少し繊細な面があって、つまりスマホの悪用によっていろいろな暴力事件が起こっていることは子どもたちにきちんと教える必要がありますし、湖南市でもスマホによる問題が既に発生しているんです。湖南市の教育方針の中にメディアリテラシーがありましたけれども、一つの取組としてスマホを使用するときにどういう問題が発生しているのか、またそういうことをしてはいけないということを、子どもに対してスマホの使い方を具体的に教えてあげることがますます大事になってきていますし、急ぐ必要があると思います。

 

議長

そのあたりは教育研究所かどこかで統一的に学校に指導できる教材か何かを作っていただくことはできますか。

 

学校教育課長

各学校が専門家を招いて具体的にこういう危険が迫っているよという具体的な話を親子で研修している学校もありますし、子どもたちだけを対象にという学校もありますし、スマホの研修は必須であるということを学校には言ってあります。

 

委員

親子でというのはすごく大事だと思います。子どものいじめだけではなくて、親もLINEでグループを作っていて、そこではじかれたとか悪口を言われたなどというのがいっぱいあります。親子というのはすごく大事です。

 

委員

確かに親同士のメディアリテラシーの方がもっと重要なのかも知れませんね。

 

議長

親育てが問題だという従来からの問題意識の中に全部入ってしまうんですけどね。子どものまま親になってしまった人があまりにも多いということで。

 

委員

ずっと気になっているのは、そういうメディアの中で起こってくるいじめとかの問題は、だいたい女性が被害を負うことが多いんです。そういう点で男女の関係での日本社会のあり方がすごく遅れているので、そこを含めた教育というものが足りないと思います。性教育も含めて男尊女卑があります。ですから、そういう問題が起こった場合は性非行の方に問題がすり替えられてしまうのです。そうではなく男性側が起こしたことにより被害者が出てしまっているということが事実なんです。

 

議長

ほかによろしいですか。

 

委員

先ほどのQRコードの件は、学校の中でタブレットで解決できるかと思うのですが、機器が年々進歩していってすぐに陳腐化してしまうのが問題で、5Gなど新しい規格に対応するためすぐに買い替えなければいけないなどが問題かと思います。

 

県教育長

その件に関しまして、先般高知県で行われました全国都道府県教育長教育会議でも話題に上がりまして、一部の電子機器メーカーが儲けるタネを作ってるのではないかという意見がありました。それに対応するために文科省が時代の流れをふまえて廉価で継続的に機器を供給できるような仕組みを作ってほしいという意見も出ました。教育長の集まりでしたので、やはり市長や知事といった首長部局に理解してもらうには、今までは交付税措置しているのでリースしてください、買ってくださいというスタンスだったのが、本当にやるんであれば、国が3分の1、交付金を出すので、あと3分の2を地方で持ってくれぐらいのことを言わないとなかなかすべての首長が「じゃあやろうか」ということにはなりにくいと思います。特に東京都なんかは交付税不交付団体ですのでそもそも交付税措置は関係ありませんし、そういうきっかけがないと、最初のWifi や電子黒板も含めてICTを進めるにあたっては、そういったことも訴えていくべきではないかという意見も教育長の中では出ておりました。また一定、国が趣向的にまとめて安く、調達しやすい形を工夫すべきではないかという意見も出ておりました。

 

委員

湖南市でも起こっていますよね。前回三雲東小学校でこの会議をした際も、機器が古くなっていて教育委員の方に何とかしてくれとお願いされました。切実な問題だと思います。QRコードがあっても使えないわけですから。

 

議長

国においてSociety5.0を推奨しているのに、全部現場の努力で何とかしろと言っていること自体がおかしいと思うのですが、国がどれだけ本気になって取り組んでいくかというところでないと、買い替えのための首長側の決意は慎重にならざるをえない部分がありますし、機器が進化するたびに買い替えのサイクルを早くしなければならず難しいところでもあります。教育委員会に何とかしてくれというのは市長部局に何とかしてくれということですので。

 

委員

導入当初は最新の機器が入って快適な環境で使えていても、どんどん古くなっていって使えない、ネットもつながらない、遅すぎてどうしようもない、結局部屋を占領されているだけというということになっていて、更新されるまでの期間によってお金が絡んでくるので難しい話だなと思います。

 

議長

機器に限らず学校の庁舎も同じで、できた当初は最新でもそれがちょっと時間が経って他の学校の改修がなされると「うちの校舎は古いままだ」ということになるんです。一斉に替えるということは財政的にも無理なことなので、そのあたりは財政上のインパクトを十分に考えながらやっていかなければいけないということです。

 

教育長

三雲東小学校で議論していたのはWifi 環境が先かトイレ改修が先かという問題でした。結果的にトイレが先だというのが現場の要求でしたね。

 

県教育長

小中学校は特に学校を選べないので、我々の県立高校もまだまだ進んでいなくて、先日ある高校に行きましたら新聞部の新聞でようやく来年トイレが改修されると記事になっていたぐらいで、昨年は県教委でもエアコンかトイレかということでエアコンを設置させていただきました。とは言え、Wifi もいろんなところに付いてくると高校進学した際に出身中学校間での差が浮き彫りになるということもあります。

 

議長

スマホについては学校での課題と、通学途上での課題と、家庭での課題とそれぞれあると思いますので、また教育委員会の方でも整理していただいて市長部局と絡む部分については今後協議をさせていただきたいと思います。それでは最後四つ目のらくらく勉強会の進捗についてを議題といたします。事務局から説明を願います。

 

少年センター所長、教育研究所長

<らくらく勉強会の進捗について>説明

 

議長

ありがとうございました。委員の皆さんいかがでしょうか。昨年までは厚生労働省が主体となった取組があったのですが、やはり貧困家庭だけではなくて幅広くつかんでいく必要があるということで、今年度から組み換えをさせていただいて所管も福祉部局から教育部局に移しました。

 

県教育長

この事業は放課後なかなか勉強する環境が難しい子どもたちに教えていただくということは非常にいい取組だと思います。ただ、特に小学生にとって下校時の安全をどのように確保するのかというのが一つの大きな課題です。また、放課後に勉強を見てくれるのならうちの子も、うちの子もとなって、当初考えていた人数よりはるかに多い児童が来てしまって、本当に学習習慣をつけたい子どもに目が届かないという事例が他の市でもありました。我々も習慣付けができていない子に個別に対応しないと現実的に難しいと思っており、将来生きていく力をしっかりとつけるということは公教育において大切だと思っていますので、我々も力を入れていく必要があると思っています。ただ、費用の面でも事業の効果の面でも人数を一定絞らないと難しいと思います。

 

議長

ただ、「あなたはそこに行く人ですよ」と指名してしまうと逆効果ということもありますので、一般的にみんなが来やすいという雰囲気を作ることも必要かと思います。

 

県教育長

当初の子ども食堂でも同じような議論がありまして、家で親と一緒にご飯が食べられない子どもが対象ですよとすると子どもを行かせにくいということもあり、みんなと一緒にご飯を食べに行こうよという感じでやらないと、という話は聞いたことがあります。

 

 

議長

他のところは特に問題はありませんか。

 

教育研究所長

今回この事業をすべての学校で行うにあたりまして、保護者からの質問等は教育研究所にどうぞという文書を配布させていただいて、10件以上の問い合わせがありましたが、全ての方に「宿題や学習の定着ができていないお子さんに何か支えができないかということで始めた事業です」とはっきり言わせていただいております。その中で1件でも「じゃあうちはやめときます」という方はおられなくて、自主的に宿題をしていくということに苦労されている親御さんが多くて、そのきっかけとして行かせたいということです。よく言われます「ふたこぶラクダ」の下の方からはやや広めの設定になっています。その中で下の方の子は学校から声かけをしていますし、広めにとってきて定着したら教室からの卒業もありだということにしています。幅の部分でいうとしんどくてできないというお子さんも多くいるというところがあって、その子が宿題をしてきて学級でほめられたという声を聞くと、子どもたちのやる気スイッチを押すことになればありがたいと思っています。押された子どもは卒業となるわけで当初の定員に近づいていくことになっています。実際追加の名簿が上がってくる学校もありますし、その中には支援が必要な子もいれば広がった部分にいる子もいます。

 

委員

まず第一歩としては成功じゃないですか。最初の段階で家庭学習支援システムにおいて、各学校で学習支援が必要な子どもというのを細かく調べてくださって、それが基礎になっていてそこから始まっていると思っています。支援が必要な子どもが全員ではないということですが、親御さんの口コミで少しずつ広がっていけば理想だと思っていますし、非常にいい試みだし続けていっていただきたいと思っています。

 

委員

人数が増えていくだろうという中で、指導員が少なければここでも指導崩壊が起こってしまうのではないかと若干危惧しています。学校の授業ではないので気楽にできる分遊びが入ってしまうこともあるかもしれませんが、できた子が他の子を教えるということになればいいかとも思います。

少年センター長

現在、学校によって1~4名の支援員が関わっています。うまく運営していただいているところについては最初にしっかりと説明してから始めていますので、楽しい中にも規律ある運営をしていただいています。確かにおっしゃっていただいたように、最初は指導が行き届かずに崩壊の危険もあるかと危惧していましたが、支援員を増やすというのも一つの方法であったので、それもOKという形で進めていただいています。

 

委員

予算がついて謝金を払って来ていただいている先生もいますが、ボランティアで来てくださっている方もこの中にいるんですか。

 

少年センター長

今のところは謝金を払っている支援員さんだけです。学校側もいろんな可能性の中で進めていただいていますので、おそらく将来的にはボランティアの方も加わっていただくこともありかと思います。

 

委員

今後のあり方として、ボランティアの方の参加も探っていけば、児童が増えても対応ができるのではないかと思います。

 

少年センター長

ある小学校では学区内の集会所やまちづくりセンターなども活用してやっています。そういうところで近所のおじさんやおばさんが興味を持って手伝っていただければ理想です。

 

教育研究所長

中学校は地域学校共同活動推進事業「未来塾」というものがあって、これは放課後等の学習支援をしています。ある中学校はこの制度を使わずに全部ボランティアで行きたいという話もあり、他の学校も事業を受けながら、足りないところはボランティアをうまく合わせた形で支援をしていくことになります。また小学校でいうと、とにかくこの事業で成り立たせるという課題があり人を集めるということからもボランティアも大事になってきますし、実際に土曜事業などでボランティアが活躍している学校もあります。

 

委員

各コミュニティスクールでも夏休みなど宿題を見ていただくような事業もありますね。そういう人たちとのコミュニケーションの中で、こちらの方にも力を貸してくださる方々も出てくるかも知れませんね。

 

教育研究所長

4月のコミュニティスクールの理事会でも教育長から、らくらく勉強会のことをご紹介いただき、内容を理解いただいてくださっているので、その中から連携協力が生まれてくると思っています。

 

委員

地域の方々に加えて、以前甲西中学校と甲西高校が連携して高校生が中学生を教えるというのがありましたが、その続きで中学生が小学生を教えるといったことができるともっと広がっていくのではないかと思います。

 

議長

湖南市にある県立甲西高校と石部高校はほぼ市立高校のように地域と連携していただいておりますので、授業の湖南市スタイルの型にはまれば、型の中で教えることができるのではないかと思います。

 

県教育長

高校におけるコミュニティスクールによる協働というのもこれからの課題だと思っています。ただ、県立高校も45校ありまして、いろんな地域から通学していますので、そういった中で地域との連携というのもどうしようかというところを整理する必要があります。高校における地域協働というのは一つの課題だと思っています

 

委員

教える楽しみを与えると言った意味で教員志望者が増えるきっかけになるといいですね。

 

県教育長

教わった子どもたちが将来教員を目指して志望者が増えると大変ありがたいです

 

委員

そういう意味ではまちづくりセンターの方がいろんな人の出入りはしやすいと思っています。

 

議長

湖南市の学校は地域の人が出入りしやすいようにしていただいているので、そういったところも使いながらコミュニティスクールと地域学校協働が十分連携しながら進められればと思います。そしてその中にまちづくり協議会も加わっていただければと思います。今日のところはこういった形でスタートしたばかりのらくらく勉強会も、一定の成果が見えてきているということですので、これをさらに充実していただければと思います。今日は湖南市教育大綱以外に3件ご議論いただきました。県の福永教育長にもご参加いただき積極的なご意見をいただきありがとうございました。また市教委と県教委と十分な連携を取らせていただけるとありがたいです。それでは各委員さんにおかれましては長時間にわたりありがとうございました。

 

事務局

それではこれで本年度第2回目の総合教育会議を終了いたします。ありがとうございました。

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