平成28年度第4回総合教育会議 会議録

更新日:2019年07月01日

平成28年度 第4回 総合教育会議 要点筆記

開催日時

平成28年12月20日(火曜日) 午後3時30分 開議

開催場所

湖南市役所西庁舎 3階大会議室

会議次第

  1. 議長あいさつ
  2. 議題
    1. 自尊感情・学びの礎育成プロジェクトについて
    2. 不登校の現状と取組について
    3. 問題行動・いじめに対する取組について
    4. その他

会議に出席した委員

6人

会議に出席したオブザーバー

1人

会議に出席した事務局職員

7人

会議を傍聴した人

1人

会議内容

議長あいさつ

 教育委員の皆さまには平素から子どもたちの育ちをしっかりとお支えいただいているということで感謝申し上げます。実は、昨日の議会本会議で石部中学校の食器を購入する予算を議会の全員で削られましたので、当面新しい食器が買えないというような状況になりました。その理由は定かではありませんが、説明責任が十分に果たされていないということについては危惧をしているところでございます。湖南市の教育の取り組みにつきましては、滋賀県内でも先端を走らせていただいているところでございますし、県の教育改革のなかでも湖南市の取り組みがそのまま取り上げられているところもたくさんあります。さらには、文部科学省と連携をしながら、来年度には発達支援にかかる教員が増員されるとか、発達支援にかかる事業も増やしてもらえるというようなことについても、文部科学省と特別支援教育の担当課長との連携のなかで実現してきていることもありがたく思っております。実は、先月12日に山形市でイクボス首長サミットというのが開催され、働き方改革について議論がありました。特に学校教員の現場における働きについても十分に改革をしていく必要があると思っておりますし、前々回の総合教育会議に県の青木教育長にお越しいただき、現場の取り組みについて改善のディスカッションをさせていただいたところでもあります。第6回首長会議におきましてもそれについては議論になりましたので、県においても今後取り組んでいただけるのかなと思っております。また、先月17日には子どもの貧困シンポジウムに参加させていただいておりまして、子どもの育ちを市としてしっかり支えていく必要があろうかと思っております。教育委員の皆さまにも今日の4回目の総合教育会議を闊達なるご意見をいただきながら、自尊感情であるとか不登校、問題行動というテーマに沿って議論いただけるようにお願い申し上げまして開会のあいさつとさせていただきます。

事務局

 ありがとうございました。それでは議題(1)自尊感情・学びの礎育成プロジェクトについて、湖南市学校教育課吉村指導主事より説明をお願いいたします。

指導主事

<自尊感情・学びの礎育成プロジェクトについて>説明

事務局

 ありがとうございます。今、吉村指導主事より説明のあった自尊感情・学びの礎育成プロジェクトについて、何かご意見があればお願いします。

委員

 授業の湖南市スタイルはどの学校でも同じような内容を行っていくということで非常にいいことだと思いますが、一方で学校の特殊性や地域性というものも必要だと思います。特に体育祭、音楽会や演劇などそれぞれの学校が違った取り組みをしているからいいんであって、むしろ特殊な取り組みの方がユニークで面白いと思うのですが、その辺りはどうですか。

指導主事

 例えば学校の独自性は教科によってこのスタイルはあるんですが、たとえば理科で実験に時間がかかる場合など途中で切り上げて考察に入っても充実していかない場合、45分授業の枠を取り払って流れの中でスタイルを決めるなど、各校がスタイルを柔軟に捉えながら、目の前の子どもに力が付く授業を行っています。教科による特性もあり、先生の独自性などが十分発揮できるようにと思っています。

委員

 資料6ページの関係機関との連携ですが、子育て支援課や少年センターなどの連携は大事ですが、例えば学校についていけない、暴行・窃盗など問題行動のある生徒はなかなか学校に連れていけないので、警察や児童相談所などの機関も入るべきだと思います。いろんな機関の協力を得てしていったらどうかと思います。それともう一点、最後のページの「いじめはどんな理由があってもいけない」というのが、中学校95.7%、小学校97.5%と非常に高くて素晴らしいことだと思いますが、残りの5%の子どもたちはどういう考え方をしているんでしょうか。

指導主事

 その件について直接子どもに聞くことはできないのですが、その背景にあるものや、なぜそのように答えてしまったのかという理由を聞くのではなく、学校だけでなく地域の皆さんと一緒に支えていかなければならないのかなと思います。

委員

 そのあたりの子どもをどうフォローするかということが大事だと思います。

教育長

 授業の湖南市スタイルについて、特にベテランの教師から反発があるのではないかと思っていました。自分が教えやすい型を一人ひとりお持ちなのですが、やってみたら案外効果的に進んでいるようです。これを取り入れたのは、「一つ身に学ぶ子ども」という言い方をするんですが、子どもというのは一人の子どもが国語も社会も算数も学んでるんです。そして小学校から中学校に上がっていきますから、小学校と中学校、さらに教科間での学習のしかたの違いに戸惑い迷惑するのは子どもたちなんです。そういう意味で湖南市の授業スタイルはインクルーシブ教育だと思っています。つまり今まで自分の型を持っている先生というのは教師にとっての教えやすさをメインに開発してきたのですが、これを子どもにとっての学びやすさという観点を取ってみると小学校や中学校、また教科関係なく同じやり方で進めていこうというのが子どもにとって学びよいと思います。そしてこの形で道徳もやっていますから、先生たちも話がしやすいと思います。そういう意味でいい傾向なのではないかと思います。また特色ある取り組みというのは、29年度の教育方針にも入れてありますが、本校の特徴や他校との違いあるいは強みというのを意識して入れていったらいいと思います。

委員

 各学校がいい意味で競争していくといいですね。

議長

 教育長はそうおっしゃいましたが、現場の先生としゃべっていると、湖南市スタイルについてやりにくいと言っている先生も実際にはいます。この湖南市スタイルについては、湖南市に新たに赴任してきた先生にとっては一から教え方を組み直すということになりますね。

教育長

 なる人もいればならない人もいます。実はこの授業の湖南市スタイルは全国学力テストで1位になった秋田に習ったんですかと聞かれることがよくあるんですがそうではなく、いろんな先生が授業で大事にしているエキスを集めて、アクティブラーニングとも言われていますが、大事にしている要素を集めて5つぐらい精選して行いくとこうなるんですね。だから湖南市スタイルと秋田スタイルは似通ってくるし、他市から来られた先生でもこのスタイルでいくと外すことはないと思います。ただし、これはかなりの自覚が必要となってきますし、レベルが上がっていくにつれて子どもたちが学習面において自己主張してきますから、そうなってくるとずいぶん変わってきますし、そういったことを見つけていただくと先生方はやりやすくなると思います。

議長

 塾ではないのでカリスマ講師はいらないので、やはり大変な子どもにとっても同じレベルの教育がしっかりと受けられることをするのが公教育だと思いますので、塾のように全くの自由ではなく一定の形のなかでそれぞれの先生が工夫をして切磋琢磨していただくということですね。

委員

 そういうスタイルのなかから「こうしたら子どもたちが生き生きしてきた」など各先生が発見したことを持ち寄って交流したらいいと思います。

教育長

 それを具体的な中身の工夫と言っているんですが、これをワーキンググループにて中身の追求をしていただいたらいいと思います。

議長

 前々回に高校との連携ということを言っていましたが、湖南市から市外に通学している子どもがいる高校との連携というのが、前々回は発達支援室や人権擁護課を通じてつながっているというお話がありましたけれども、その時に話をしていた課題について、その後県教委と改善についての話し合いは進んでいるのでしょうか。先般の首長会議でもその点について言っておきましたが。

教育長

 具体的に県教委との進め方の合意はまだないんですが、構想として持っていますのは、関係機関との連携のなかでの少年センターについて、市教委というのは義務教育までが守備範囲ですけれども、高校に送ったらそれで終わりというのではなくて、高校を卒業して就労できるシステムを発達支援システムに習って作っていきたい。そのためには、高校を中退した子の対応を市として誰がするかというと少年センターになってくると思うんです。アウトリーチ型の取り組みを29年度から行っていきたいと思っています。現在、子どもが通っている40校の高校に訪問しているのは湖南市だけです。

議長

 そういう形でシームレスに子どもの育ちに応じて支援をしていくというのは、市教委だけではなくて、市全体として取り組んでいく必要がある話ですね。本来は県がその受入れ口をきちっと作ってくれて、市と県とが協働できると一番いいんですが、まだそこまで行けていないということですので、それはまた引き続いて市から県の方に働きかけをしていく必要があると思います。

教育長

 県の中学校夜間学級設置の協議会に委員として3回出ていますが、その中で居場所づくりについてNPOなどいろんな形で動いていますから、県として夜間学級をどこかに一つ作るのではなくて、今動いているところに支援をしていくようなシステムを県の方で整備する必要があるのではないかということを意見て出しておいたので、答申に含んでいただけると期待しています。

委員

 県に一つや二つ作ってもらってもどうしようもないですしね。地域社会の中で解決しなければいけないことですね。

委員

 今日まとめていただいたのは、これまでの総合教育会議や定例教育委員会で議論してきたことの非常に基本的なことをまとめてくださったということだと思うので、これに関して異論はありません。理想的な方法で進めようとしておられることもよくわかります。湖南市スタイルについても前から打ち出されていていいものですが、自尊感情から教えることから学ぶことというのは、全体的に文部科学省が打ち出している初等・中等教育への基本的な考え方だと思います。ですから湖南市スタイルは湖南市独特の考え方ではなくて、現在文部科学省が小中学校教育に対して投げかけている一つの方針だと思います。この湖南市教育を文部科学省の方針を入れて湖南市としてやっていくということになると、前におっしゃっていた「生きる力の根っこを太くする」の方が、より具体的でわかりやすいですし、これが何も出てこないのはさびしいと思います。

教育長

 その「生きる力の根っこ」というのは自尊感情であるという説明の仕方をしています。

委員

 「生きる力の根っこ」が大事というのは、小中学校の教育で私たちが子どもに何をしようとしているのかというと、将来の自分たちが生きていくうえでの選択肢をなるべく増やしてあげるということが大事なんです。勉強がよくできるばっかりの子どもがいっぱいいてもダメなんです。勉強が嫌になって学校に行けなくなったということは、同時に自分の将来の選択肢をだんだん減らしていっているということになりますから、そういう意味でこの「生きる力の根っこ」を入れてほしいと思いますね。

議長

 この事業名は県の事業名ですね。ですから、うちでやる場合には事業名を変えてもいいと思いますね。

委員

 この間も話していましたが、少々苦しいことがあってもいじめられてもそれを力強くはね返していく力を学校教育のなかでも教えてほしいと思いますね。

教育長

 それをパート2.で「ふんばる力」として表記しておきましたので、ご意見がありましたらよろしくお願いします。

議長

 温室の中で無菌純粋培養ばっかりしているので弱いんですね。ですから今のいじめ対策なども無菌培養を現場で徹底しようということになっているので、逆の意味で必要な視点ですね。

教育長

 自尊感情を育てる・学力保障などという言葉は、「将来の選択肢を増やす」ということに読み替えられますし、教員のなかには人権教育と授業改善は違うというとらえ方をする者もおりますので、人権教育啓発室の指導主事と学校教育課の指導主事が一緒になって、学力保障というのは授業改善と人権教育であり、将来の選択肢を広げているということを入れていきたいと思いますね。

事務局

 ありがとうございます。それでは次に議題(2)不登校の現状と取組について、湖南市ふれあい教育相談室林室長と学校教育課の長谷川指導主事より説明をお願いします。

室長

<不登校の現状と取組について>説明

議長

 支援ですが具体的に福祉的アプローチとの連携というと発達支援室だけじゃないですね。そこはどういうふうに家庭のなかに入り込むような手立てをしていますか。

室長

 家庭児童相談室と連携させていただくケースもあるのですが、基本的に学校としてはふれあい教育相談室を家庭児童相談室のように家庭に入ってもらいたいと思っておられるケースが多いですので、学校や保護者にとっても本当に最後の砦ということで、緊急事態がない限りは私たちの方で話を聞かせてもらって対応しているケースがほとんどです。

議長

 家庭児童相談室もそうですし、いろいろな福祉の制度もありますのでうまく使えるようにしてもらうのが一番いいのではないかと思います。

委員

 発達支援室の活動では、どうにもならないという子どものケースもありますか。

室長

 どうにもなりにくいケースもありますが、複雑なケースで一度に変えることはできないんですが、訪問をするとか少し介入することによって保護者さんの気持ちが軽くなったり、本人の気持ちが前向きになったりということで、一度に登校というところまでは変えることはできないんですけれども、家庭内に波風が立って影響が出ることによって変化が出るということを丁寧に続けていくような感じです。

議長

 そういうところを例えば民生委員さんや児童委員さんと連携は行っているんですか。

室長

 連携は取らせていただいていて、民生委員さんが入っていただきやすい地域や環境などもありますので、入っていただけるというケースについては家庭児童相談室を通じて入っていただいたり、出会いの接点を作っていただいたりしています。

委員

 区長さんなどもおられますが、地域社会の支援の輪みたいなものはできてるんですか。

室長

 うちを中心に話ができていないのが実状です。

議長

 先ほどの関係機関連携というのが必要になってくるのだろうと思いますし、実際そういう動きもしているんだろうと思いますけれども、対象の子どもを中心にいろんなものを組み立てていく際にケース会議も開いているようですから、そこの関係機関や関係者をどれだけうまく集められるかですね。

室長

 今、中心に入っていただいているのがことばの教室で、そこと連携しながら特性のある子どもの支援ということで、そこに家庭事情必要なときは社会福祉士を活用したりスクールソーシャルワーカーさんに入っていただいたりでケースを整理させていただいている状況です。

委員

 大変な職場ですね。ご苦労も多いと思います。

室長

 大変ですがあきらめなければ何かしら変化は出ると思います。大人が決して子どもや家庭をあきらめてはいけないと思っています。

議長

 今の施設は吉永の勤労青少年ホームですが、施設としてはどうなんでしょう。

室長

 ほとんど人が来ないのが立地として逆にありがたいです。例えば家から全く出たことがなく人に出会えない子どもさんが、駐車場に車がいっぱい停まっていると見ただけで引いてしまいますが、今のところは職員以外の車は停まってない状況で、そういう子どもたちが安心して入れるという点でありがたく活用させていただいています。調理活動やスポーツ活動が行えるという施設は他市にはないので、ありがたい環境だなと思っています。

学校教育課長谷川指導主事

 ここで「不登校と長欠児童生徒」について説明させていただきます。

指導主事

<別添資料2.不登校と長欠児童生徒数の推移>について説明

議長

 外国籍の子どもとかそういう特徴はあるんでしょうか。

指導主事

 外国籍のお子さんのなかにも二種類ありまして、家の人の文化のなかであまり学校に行かさなくてもいいという家庭のお子さんもいますし、本国に一時帰国をしていて、それが長欠として出てきていることもあります。それは省いている部分と一部学校になじめない状況の中で不登校にあげている分もあり、まちまちであると言えると思います。そのような子どもを除いたら全国平均に近づくと推測されます。

委員

 湖南市の特殊性と言えるでしょうね。そういう子どもたちは学校で勉強が分らないから不登校というのも原因にありますか。

指導主事

 勉強が分からなくなって自身が持てなくなって休む子もいますし、勉強だけがすべてではなく、勉強ができてなくても毎日元気に学校に来る子もいますので、何らかの形で自尊感情というか自分が認められているとか活躍できる場があると生き生きとした学校生活が送れると思います。

議長

 先ほどのいじめはどんな理由があってもいけないことだと思う97%にはこういう子どもたちを除いての数字なんでしょうね。学力調査には参加していないだろうと思いますから、そういう子どもたちが入るとこの数値ももう少し落ち込んでいくということになるかも知れませんね。

指導主事

 調査の日に来れてない子もおりますので。

委員

 学校だけの努力ではどうにもならない部分もありますよね。仕方ないことでしょうが、できる限りのことをしていただきたいと思います。

議長

 ですから福祉的関与と地域の力が必要なんですね。先日の県の首長会議では、野洲市長が野洲市内の学校での不登校は劇的に改善したと言っていたが、実際どうなんでしょう。県内全体では上昇傾向とのことですがどこも同じような傾向なんでしょうか。

指導主事

 全県的に増加傾向であるといえます。野洲市さんが改善しているというのは今年のデータ的に見られていると思うんですが、どんな取り組みをされているかは研究しなければいけないところもありますがわかりませんが、はっきりとこういう野洲スタイルで変わるんだよという報告は受けておりません。

委員

 不登校について全国的に小学校より中学校の方が多いという傾向なんですが、小学校と中学校での環境の違いが大きいと思います。湖南市では小学校と中学校の段差を取り除くというプロジェクトがありますがそれをもう少し増やしていく方向で、実際に小学校と中学校で場所が変わって登校距離が長くなる子もいます。通うだけで負担になっている子もいて、もう少し小学生が中学校に足を運ぶ機会が増えて中学校になじめれば、一人でも多く子どもの違和感をなくすことができていいのではないかと思います。

委員

 外国籍の子どもにもう少し光をあててあげてほしいと思います。彼らは言葉もわかりにくいですがそんなにたくさん通訳さんもいるわけではないですし、コミュニケーションが取りたくても取れなくて楽な方へ流れてしまうという傾向があります。些細なことでもいいので彼らの特性をうまく生かして彼らが主役になれるような仕掛けをしていければ彼らも自信が持てていいのではないかと思いますし、他の子も彼らに対する偏見が少しでも晴れるのではないかと思います。また不登校に関しては親御さんへのサポートも必要だと思います。親御さんが変わったら子どもも変わると思いますので大変な仕事だとは思いますがよろしくお願いします。

議長

 外国籍児童・生徒の多い学校についてはコミュニティスクールの運営委員などに必ず外国籍の親が入ってもらうとか、そうすると学校の運営にいろいろ配慮ができるようになることも考えられると思います。

委員

 外国籍の子どもや親が積極的に活動できる場を開く必要があると思います。 逆に日本の子どもが異文化を学ぶ機会になりますね。岩根小では今年の運動会なんかでも通訳できる方が放送をされていて、外国籍の親御さんたちが応援しているということがありました。そういう人たちがもっと入って学園祭などで自分たちの文化を紹介できるようなコーナーができればよいのではと思います。 外国の日本人学校では、文化祭などにあたるフェスティバルで日本の文化を紹介するようなコーナーなども催され、現地の人とコミュニケーションが取れることもあります。不登校に関しては、多様なので細かく分けて対処する必要があり本当に大変なのではないかと思います。一つは発達支援が必要な子どもの不登校ですが、これはふれあい教室で対応していただいており、この場合はたいてい1対1で対応しないとうまくいかない場合がほとんどだと思いますがものすごくご苦労も多いと思います。もう一つは貧困のために通えず次第に学習が遅れていって来れなくなるなど、このようにいろいろあって学校の先生も大変でしょうし、その分析も難しいと思います。

議長

 分野の違う専門家がたくさんそろってる方がいいと思います。ふれあい教室が使える道具がいっぱいあるという状態を作っていくのが大切だと思います。

委員

 貧困のために家庭の教育がうまくいかなくて、子どもが学ぶ意欲を失って登校できないという状況は、湖南市ではコミュニティスクールなどで地域の方が学習の場を作ったりして、そこに出ていれば子どもたちにやる気が起こってくるようなことがある程度起こりつつあるわけです。地域との連携のなかで少しずつ解決されていくのではないかとの希望は持っています。

室長

 個人の不登校の原因を読み解くのにすごく時間がかかります。学校の先生も原因を知るところまでいかれないので、私たちが家庭に入って保護者や本人と関わる中で、実は家に貧困の問題があったなど後から見えてくることが多く、 ケース会議のなかで担当課に協力いただきながらケースを整理するといった地道な活動を行っています。

事務局

 ありがとうございます。それでは時間の方もございますので議題(3)「問題行動・いじめに対する取組について」学校教育課長谷川指導主事より説明をお願いいたします。なお、この議題につきましては特定の個人情報も含まれますので、傍聴の方についてはご退席をお願いします。

≪傍聴人退席≫

指導主事

 説明の前に本日は甲賀警察署生活安全課の小宮山さんにもオブザーバーとして出席していただいておりますことをご紹介させていただきます。

指導主事

<問題行動・いじめに対する取組について>説明

オブザーバー

<教育委員会と警察の連携について>説明

議長

 1年ほど前は、甲賀警察署長は「湖南市教育委員会は何も協力をしてくれない」と怒っておられましたが、それも今は昔ですね。

教育長

 今は問題がない段階から、警察としっかりと連携をしています。各学校の生徒指導主任の集まりにも出てきていただき顔つなぎをしていただいております。小学校も心配とのことでしたがいかがですか。

指導主事

 小学校の指導主任の会議にも出てきていただいております。万引きや軽犯罪でのお店から警察にいって警察から学校に連絡した事案もありましたし、対教師暴力などケガにはならないのですが、今後のこともありますので連携をしていく必要があるのかなと思います。小学校の先生は警察と連携することは非常にハードルが?いと思っておられたようですが、大分垣根が取れてきたと思うところもあります。

オブザーバー

 いま、少年補導委員さんが誘拐防止教室や万引き防止教室など小学校で開催されているものにお邪魔させていただいてお話をする中で顔見知りにならせていただいております。

議長

 少年補導委員さんが学校支援地域本部に入るとかは考えられないですかね。各学区に何人かずつおられますので、それぞれ支援本部は青少年育成学民会議とは連携していると思いますが、地域の力を学校の中に入れながら、違う目が入ることで未然に防ぐといった取り組みができると思います。それから警察から少年院などを経て出てきた子どもたちをどう支えていくのか、地域や学校ににどうやって復帰させるのかといったところで保護司さんとか更生保護女性会とかとの連携も大事だと思いますし、地域との連携をしっかりしていくということも重要なことかと思います。今までの補導委員さんは定型的に年間決まった行事をこなしながら活動していたと思いますが、少年センターを攻めに転じるという方法もありますので、そこで補導委員さんの役割についてももう少しアクティブに未然防止の方に重点を置く方向に変えていってもいいのかも知れません。今は素行不良少年を見つけて注意するということが主になっていて、そこに至るまでにうまく抑えられるような取り組みにシフトしていってもいいかも知れません。

委員

 ありがたいことに対教師暴力や生徒間暴力が減ってきているのは連携の大きな力でしょうね。子どもたちを一緒になって守っていくという姿勢が非常に大切ですね。

指導主事

 警察には月に1回程度面談に来てもらっているので、悪いことをしようとする気の歯止めにはなっていると思います。

委員

 確かに子どもたちにとって歯止め効果は大でしょうね。ただ教育のなかに警察が介入して本当にいいのかということについては考える必要はありますね。

委員

 でも、非行をストップさせる力として、警察など社会的な力は必要でしょうね。

委員

 できるだけそういう力に頼らないのが望ましいんですけどもね。歯止めになるのはいいことだと思います。

教育長

 先ほど私が「小学校でハードルが高いかも」と言ったのは、教員の心理的なものがあるかも知れないというところからです。つながりというよりも顔見知りになることで心理的な壁を取り払えればと思います。そんな中でどんな連携ができるか、これからはいろんなところで力を借りながら、学校だけでと何とかという考えは持たないでいこうと思っています。

委員

 悪いことは悪い、してはいけないことはしてはいけない、という考えをしっかりと教えていかなければいけないと思います。

議長

 昔と違って民事不介入だとかそういうことではなくて、行政の仕事自体も「待ち」ではなくて相談から課題を発見してアクティブに出て行って対応するという時代になってきましたので、どうしても学校だけが取り残されてガラパゴス化してしまうのではなく、学校においても法治国家の中なので、学校の中が無菌培養ではなくて社会の秩序もその中には入ってるんですよということも子どもたちが知っていてもおかしくないと思います。

委員

 先生自体がすでに力を振るえなくなっていますね。

議長

 それは逆に言うと、社会福祉士を入れたときにみんなが社会福祉士にぶら下がりに行ってしまっているということがありますので、警察に全部ぶら下がりに行くということであると、先生としての対応力も落ちてくる可能性もありますので、そこはある程度学校の中で歯止めをきちんとしておくということは大事だと思いますね。

委員

 とにかく連携を密にするということですね。

指導主事

 今ここにお話しに出ているのは、ごく一部の本当に突出した問題行動に対してお世話になっていますので、基本的には学校教育の中でしつけの部分であるとか大人になるための教育であるとか社会に出るための力をつけることなどは、各校責任を持って取り組まなければならない中での連携だと思っています。

オブザーバー

 去年の場合は子どもだけではなく、親が学校や警察に怒鳴ってくるという事例がありました。学校だけではとても対処できない場合もありますので、お互いにうまいこと行くように学校と警察が手を取って連携していければと思います。

議長

 引き続いて教育現場と警察と十分な連携が取れるようにしていければなと思っています。実は市役所の執行部も年1回程度、警察の幹部と情報交換をさせていただいておりますので、いろんな情報がダイレクトに交換できるようになっています。そういう意味で昔よりは連携が取れていると思っています。これからの時代は相談と連携がキーワードになるのかなと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

事務局

 長時間にわたり大変ありがとうございました。今日はそれぞれの議題が重い内容でしたので、また議事録がまとまりましたらお送りさせていただきたいと思います。それではこれで第4回の総合教育会議を終わらせていただきたいと思います。第5回の総合教育会議は2月になっており、本日決めていただいた定例教育委員会と同日となります。本日は大変ありがとうございました。

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