平成29年度第5回総合教育会議 会議録

更新日:2019年07月01日

平成29年度 第5回 総合教育会議 要点筆記

開催日時

平成30年2月19日(月曜日) 午後3時30分 開議

開催場所

湖南市役所西庁舎 3階大会議室

会議次第

  1. 議長あいさつ
  2. 議題
    1. キャリア教育に対する取組について
    2. こころの教育に対する取組について
    3. 主権者教育に対する取組について
    4. 平成29年度総合教育会議総括

会議に出席した委員

6人

会議に出席した事務局職員

8人

会議を傍聴した人

なし

会議内容

事務局

 みなさんこんにちは。平成29年度第5回目の総合教育会議を開催させていただきます。まず、開会にあたりまして市長の方から挨拶を申し上げます。

市長あいさつ

 みなさんこんにちは。定例教育委員会に引き続いての総合教育会議ということで大変ご苦労様でございます。また平素は湖南市の教育行政に際しまして、適切なご判断を賜わっておりますことに感謝申し上げたいと思います。もう年度末ということで、あと40日もすると新年度が始まるというところに差しかかっています。本年度もいろいろなことがございましたが、今のところ大過なく進ませていただいているかなと思っています。先月、教育再生首長会議で首相官邸を訪問させていただき、その中で安倍総理からもいろいろな面で教育の重要性は理解しているというお話をいただきました。今の国の文部科学行政、特に初等中等教育につきましては湖南市での取組が積み重ねとして国全体に広がりつつあるということでございますので、これもいろいろな面で教育委員会のみなさま方のこれまでの取組、また現場の先生方の取組の成果であろうと考えているところでございます。引き続いてこういった取組について、国全体というよりも地域共生社会といったような取組にもシフトしてきておりますので、湖南市が取り組んできたことが間違いなかったと思いますし、こういった取組をますます進化させていただければなと思っておりますので、引き続いて委員のみなさま方には忌憚のないご意見をいただきながら、教育行政の中においては適切な意思形成をしていただきますようによろしくお願いを申し上げまして開会冒頭にあたりましてのごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

事務局

 ありがとうございました。それでは規則に則り谷畑市長から議事進行をお願いしたいと思います。

議長

 本日は3点の議題についてご議論いただきます。まず最初にキャリア教育に対する取組について、説明を事務局からお願いします。

学校教育課指導主事

<キャリア教育に対する取組について>報告

議長

 ありがとうございます。いま事務局からの説明がありました件について委員の皆さんからご意見やご質問があればよろしくお願いします。

 この職業なりきりカードは面白いですね。

学校教育課指導主事

 職業なりきりカードもたくさん活用していただきたいと思っています。

議長

 職業なりきりカードは進路選択をしようとしたときに視野が広がりますね。

教育長

 教育委員会で買って学校へ配ります。

委員

 このキャリア教育はどういう授業の中で展開されるんですか。

学校教育課指導主事

 総合学習の場面ですることが多いです。理科や社会など内容によって各教科の先生が語ることもありますし、道徳もそうですが、いろんな場面で授業ができたらなと思っています。

委員

 ものすごく大事な教育だと思いますので、どんどん推進して行ったらいいと思っています。さっきもおっしゃったように視野を広げるというのは子どもたちにとって非常に大事なことだと思います。その中でこの資料を読ませていただくと説明が固いように思えて、もう少し視野を広げるということで子どもにとって多様な未来があって選択の可能性がたくさんあるということをここでうたってあげた方が子どもたちにやる気が出て、単に勉強ができて成績がいいだけが問題じゃなくて、勉強自体も視野を広げる時に必要なものとしてとらえられるようになるような書き方ができるんじゃないかなと思います。

学校教育課指導主事

 この資料は今日の会議資料になりますので、今おっしゃっていただいたように子どもたちがやわらかく可能性が広がるような説明ができる資料を各学校工夫してもらえるように伝えていきたいなと思います。

委員

 「こんな未来が君たちには待っているんだよ」みたいに子どもたちの展望を開いてあげてほしいと思います。

学校教育課指導主事

 中学校にもなると教える方も固定観念にとらわれることがあり、それをなくす方向で進めていきたいと思います。

委員

 子どもも選択肢が広がっているということが分かったら、自分はこういう勉強をすればいいとやる気が起こるようになると思います。

議長

 このなりきりカードを先生の方がやってみてもいいのではないでしょうか。

委員

 この菩提寺北小学校の取組は子どもたちにとって大変有意義なのではないかと思います。実際に働く現場の声を直接聞けるというのは子どもたちにとって新しい世界を見ることになるし、職業なりきりカードなどで見た内容の実際の声を聞かせてもらえるというのは非常にいいことだと思います。菩提寺北だけじゃなく、他の学校にも広げることはお考えでしょうか。

学校教育課指導主事

 似たようなことをしている学校もあると思いますが、ここまで広げているところはないと思います。ぜひ他の学校にも紹介していきたいと思います。

議長

 おそらく、菩提寺北小の校長先生がどんどんやっていて、他の学校ではやり方が分からないのだと思います。やり方のコツのようなものを共有できるようにしてあげると、おそらく他の学校でも取り組めるのではないかなと思います。

委員

 ここに湖南市商工会との連携とありますので、商工会にもお声かけをいただいたらと思います。

議長

 他はよろしいでしょうか。キャリア教育は非常に大事なことだと思いますので、湖南市の教育の大きな柱として子どもたちの基盤を作るように育て上げてほしいと思います。それではキャリア教育についてはここまでとして、次にこころの教育に対する取組について、説明を事務局からお願いします。

教育研究所指導主事

<こころの教育に対する取組について>報告

議長

 ありがとうございます。道徳教育を中心にこころの教育ということで、自尊感情を高めていくということでありますけれども、今の報告についていかがでしょうか。

教育長

 いま、湖南市ではこうやっていると報告していただきましたが、研究会などに行かれて市外の状況を聞いたところで湖南市の取組の特徴的なところやここは他よりうまくいっていると思われるようなところはありますか。

教育研究所指導主事

 めあてを提示するということかと思います。2年前くらいまではあまりなかったことが、彦根や草津などで徐々に出てきました。湖南市では先駆けて道徳でもめあてを提示しており、めあてを自覚することによって授業に見通しを持ち、そこからぶれずに考えを進めることができるという良さがあります。これは湖南市が先駆けて行ってきたことで、他の市町からも湖南市が開催する研究会などにたくさん参加いただいております。その中で湖南市のやり方を学ばれた先生が、自分の学校で実践するなど広がっています。最初に教師がこれについて考えようなどを示すのではなくて、子どもたちが自ら考えたくなるようなめあてが出てきています。

委員

 資料の中で、菩提寺小学校では地域にも呼びかけて授業参観を実施しているということですが、地域の方の参加はどれぐらいあったか教えてください。

教育研究所指導主事

 保護者の方がほとんどで何割とかはっきりした数値は出ていないのですが、全戸配布などで呼びかけられて、今まで以上に多くの方が参観に来られました。さらには、これまでと変わって参観者同士の私語がなくなるなど、保護者の態度も変わってきているようです。

議長

 道徳の教科化などナイーブなところが続いてきた中で、湖南市で率先して取り組んでいただいていて、これまで実践した結果が積み重なってきていると思っていますし、それをどうやってフィードバックしながらまた水平展開しながら共有化をして深められるようにしてほしいなと思います。また、先ほどの話のように全県下から見にこられるということで、まさにフロントランナーとして動いてもらっていることは非常にいいことだと思っていますし、そういった中で湖南市らしさというものが全県に広がっていけばいいなと思います。現場として道徳はさわりやすいですか、さわりにくいですか。

教育研究所指導主事

 正直どちらかよくわかりませんが、教科化を目前にして先生方が意欲的に学ばれています。昨年度まではなかったことですが本年度は学校の方から道徳の研修要望が寄せられています。具体的に評価をどうしていったらよいのかなど、道徳部会と連携して協議しており、子どもたちが頑張れるような道徳の評価でありたいと願っています。

教育長

 特に中学校の教諭は自分の専門教科しか授業をしていませんので、基本道徳は学級担任がいわば専門外の教科を教えることになりますので、一生懸命勉強していただいていると思います。

委員

 以前に岩根小学校で行われた道徳の公開授業を見せていただいて、県内各地から先生がたくさん見にこられ、真剣に議論されておられました。関心の高さと教科化に対する意欲の高まりを知ることができました。

教育長

 岩根小学校の場合は、一昨年、昨年と2年間道徳教育の指定を受けていました。今年と来年は菩提寺小学校、岩根小学校の前は三雲東小学校でしたし、いろんな小学校を回しております。

委員

 今回、道徳の教科化になってくるわけですけれども、全体としてはまず自分を確立する、次に他人との関係を築く、それから社会の一員としての自分を確立する。そこには郷土意識あるいは日本という国に対する意識、それと国際人としての自分、自然環境の中での人間、そして命というものの大切さ、それらに分かれています。湖南市で行われているいわゆる仲間意識、これは教育の中でいじめの問題が克服しなければならない問題として大事になってくるので、この仲間意識というテーマになってくるのだと思います。しかし、それと同時に湖南市というのは国際色豊かな市ですので、社会性や国際性に対する目を開かせることについてどのような配慮がされているか教えてください。

教育研究所指導主事

 まず国際性ということで、自分の学校の中にもいろんな国籍の子がいるという話がありました。学校によって違いますが多いところでは全校生徒の1割強から2割近く在籍しているという状況もあります。道徳の年間計画をしっかりと立てて、抜け落ちないようにやっていくことが大事だと思います。実際に中学校の教材というのは何ページにもわたる大変長いものなので、外国籍の子どもにとって理解しやすいように絵や図を駆使して授業をするなどの工夫もされています。また、国際的な内容についても授業に取り込んでいくことが重要だと思います。

教育長

 以前視察に行った小学校であった、全学年が同じ教材で学ぶ全校道徳を湖南市にも広めていくというのもひとつだと思います。学年を超えて議論する中で外国籍の子どもも巻き込めると思います。

教育研究所指導主事

 全校道徳の取組をヒントにしながら湖南市の自分の学校ならどんなことができるかなどみんなで考えてみるなどという形で進めていきたいと思っています。

議長

 道徳の中で、日本の国というのはどのように説明されているのですか。

委員

 私が教科書を見ていた際に感じたのは、全体的に日本を非常に優れた国だと主張しようとする傾向が強いということです。ですから、戦争中に他国のためにいろいろ尽くした人の話などの伝記物が教科書に取り上げられていることが多いですね。あと、世界で素晴らしい成績を上げたスポーツ選手など日本人重用の記述が多く、日本に対してネガティブな記述が少なかったことが気になりました。そういう点から湖南市で選ばれた教科書もあまり良くなかったと思います。もうすこし日本を相対的に見るまなざしも欲しかったですね。

議長

 他、よろしいですか。今後さらに教科化に向けてブラッシュアップをしていっていただきたいと思います。続きまして3つ目の議題、主権者教育に対する取組について事務局から説明を願います。

学校教育課指導主事

<主権者教育に対する取組について>説明

議長

 主権者教育についての説明が終わりました。何かご発言ございますでしょうか。

委員

 推進のしかたについて、主権者教育はおそらく授業の中で進めていくのだと思いますが、社会と国語が上がっていて、小学校ないし中学校の社会と国語の授業の中の一部として位置づけて行うということですかね。

学校教育課指導主事

 社会科の公民の分野があるので、社会科が主軸となっています。ただ、例えば自分の実感として自分のやってることが役に立つんだという気持ちを持とうとすると、一番小さな単位で家庭の中で自分の役割があるんだということになると、家庭科の学習もつながってきます。また、総合的な学習の中で「こころざし宣言」であるとか「卒業宣言」、「夢作文」などこんな大人になりたい、そのために今こんなことをしたいんだ、というような学習に取り組んでいるところなので、そのあたりも関わってくるのかなと思います。国語科の中で自分の思いを言語化して発信するんだとか、社会科の中で公民的な分野として直に学ぶこともあるんですが、他の教科との結びつきなども考えられると思っています。

委員

 ということは、社会や国語といった特定の科目の特定の時間を設けて、主権者教育をテーマとして推進するというだけではない、もっと全体的なものとして考えようとしていると理解すればよいということですね。

学校教育課指導主事

 児童会活動など教科以外もあるので、そのように考えています。

議長

 全体像というのはどこかで取りまとめていくのでしょうか。

学校教育課指導主事

 今後の見通しというところで、発達段階におけるものを洗い出ししたりとか、年間計画を作っていく中で見えてくると、少しでもどこの教科とどう関連付いてるというものが作れるかと考えています。

教育長

 教科構造として、縦糸横糸と私は呼んでいるんですが、国語科、社会科、算数科というのは積み上がっていく系統性を持っています。それを縦糸と呼んでいます。それに、今日出たキャリア教育だとかこころの教育、あるいは主権者教育なんかは横糸なんです。横糸の教育というのはいろんな教科構造の中に含まれていたりもするんです。教科の中に特活も含んでいますが、それを一覧表の中で国語科における主権者教育に係る学習内容とはどんなものか、社会はどんなものか、算数数学はどんなものか、こうやってマトリックスに落とし込んでいくと主権者教育の構造が見えてくると思っています。まだ今そこまではできていません。

委員

道徳教育もそうですね。

教育長

 今まで道徳教育というものは構造の中で縦よりも横の関係でこころの教育としていたんですが、今度は教科として立ち上がってきましたから、こっちの方で位置づいたということです。

委員

 甲西中議会の時に、国語科と社会科の事例を挙げておられましたが、国語科の先生と社会科の先生が一緒に連携をとりながら進めていかれたということでよろしいでしょうか。

学校教育課指導主事

 はい、そうです。

委員

 その時にこういう課題があったとか、こういう点に気をつけようとかあったんでしょうか。

学校教育課指導主事

 別々にやっているとものすごく時間がかかるところが、国語科でも提案し、社会科でも考えた課題を話し合うなど、普通は2時間いるところを、一緒にドッキングすることで短くて済んだということもありますし、重層的な学びが出来たということで手ごたえがあったと言われています。話し合う時間は必要ですが、その方が子どもたちには響くので手ごたえがあったと聞いています。

委員

 例えば環境問題であったら理科の先生が入ってくるというのも可能なんですよね。

学校教育課指導主事

 効果的な学習というのは必要だと思います。中学は教科担任制ですので、そういうことを考えるとこれから必要になってくると思います。

議長

 甲西中議会の取組は水平展開はしないのですか。

学校教育課指導主事

 他の学校にも広めていくということですが、どうしたらいいかわからないというのがまず先立つと思うので、このような取組をしましたということをお示しし、いきなり一足跳びではできないと思うので、子どもたちの実情を見ながら、できることを考えていきたいと思っています。

議長

 他によろしいですか。今日の3本のお話はいずれも教育長曰く横糸の教育だということですので、ぜひこれはしっかりと整理をしながら、先生も同じように取り組めるという形で学校に提供できればと、教育委員会事務局の方でも整理をお願いしたいなと思います。

 他はよろしいですか。それではそろそろお時間ですので、この議題についても閉めせていただきたいと思います。

議長

 年度末ということもありますので、議事としては今年度の総合教育会議の総括ということが挙がっています。今年度は個別事案で複数回臨時会議を開いたことから、総合教育会議として一人ひとりの子どもたちの困りに対して全体として取り組むということができたかなと思っています。1年間いろいろな取組をさせていただきましたけれども、われわれ市長部局と教育委員会とが車の両輪となって子どもたちを支えられる、子どもたちが育つ環境を提供することができるというようなところにつなげることができたのかなと思っておりまして、これも教育委員のみなさまのご協力のおかげだと感謝を申し上げたいと思っております。

 湖南市の教育はいろんな実験的なことも含めてとんがったことをさせていただいていると思いますけれども、やはり一番大事なのは教育の構造図にあるように、命、人権をしっかりと押さえながら、子どもたちが自尊感情を持ってのびのびと夢とこころざしを実現できることにつないでいくということだと思いますので、引き続き委員のみなさまのご協力、そして市長部局と二人三脚になって取り組んでいただきますことをお願いしたいなと思っています。

 ということで一年間の総合教育会議の活動をこういった形で閉めてまいりたいと思います。また、何かあれば臨時会を開くかもしれないのでよろしくお願いします。新年度につきましても26日に3月定例会が始まりますので、その中でも教育長から、教育方針演説でその方向性を示させていただくことになりますので、市長部局執行部も一緒になって取り組ませていただきたいと思います。委員のみなさまにも引き続きよろしくお願い申し上げまして本年度の総合教育会議を閉めさせていただきます。ありがとうございました。

事務局

 ありがとうございます。これにて第5回の総合教育会議を閉じたいと思います。みなさんありがとうございました。

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