令和元年度第3回湖南市総合教育会議会議録

更新日:2020年01月15日

令和元年度 第3回 総合教育会議 要点筆記

 

開催日時 令和元年10月25日(金曜日) 午後4時 開議

 

開催場所 石部小学校 2階会議室

 

会議次第

1、市長あいさつ

 

2、議題

(1)湖南市教育大綱について

(2)令和2年度湖南市教育方針(Ver.1)について

(3)多国籍児童生徒の日本語指導について

 

 

会議に出席した委員

4人

会議に出席した事務局職員   

11人

会議を傍聴した人

なし 

【会議内容】

事務局

みなさんこんにちは。ただいまより令和元年度第3回目の総合教育会議を開催させていただきます。開会にあたりまして市民憲章の唱和をいつもしておりますが、先ほどの定例教育委員会で済んでおりますので割愛させていただきます。

それでは市長から挨拶を申し上げます。

 

市長

みなさんこんにちは。教育委員会の皆様方には平素から湖南市の教育行政に対しまして過分なるお力添えをたまわっておりますことに感謝申し上げます。台風15号に引き続きまして台風19号が日本の広範囲に被害をもたらしたわけでありまして、未だ全国では4千人の方々が避難生活を強いられているところでもございます。そんな中で教育現場におきましても、避難所となった学校での再開の仕方でありますとか、被災した児童生徒の支援でありますとか、さまざまな課題を残しているようであります。実際のところ本市が被災した場合のシビアな対応につきましても教育委員会としてもしっかりと検証していく必要があると思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。また、神戸市須磨区の小学校での教員間のいじめ問題につきまして、単にいじめではすまされないような暴行、強要、器物損壊、名誉棄損など犯罪の構成要件を満たすような事件が連日報じられておりますが、我が国の教育の現場に対する国民の信頼が大きく損なわれている状況でもあります。本市におきましてはこのようなことが起こらない風通しの良い学校環境を続けられるように教育委員会としても学校現場をしっかりと指導していただきたいと思っております。その一方で問題行動調査につきましては、いじめの認知件数が過去最多となり、不登校も6年連続増加をしているということでございます。また、千葉県流山市のいじめ問題では、いじめ対策調査会で重大事案として認定されずに何年間も放置されたというような報道もありますが、本市におきましては可能な限り発生抑止と発生した場合の早期対応ができるように、精神論ではなく組織的、科学的根拠をもって学校現場を指導していただきたいと思っておりますし、またいじめが認知された場合には総合教育会議として毅然とした対応をしていかなければならないと思っておりますので、委員の皆さま方にも引き続きご協力をたまわりますようお願いをいたしまして開会のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

事務局

ありがとうございました。それでは湖南市総合教育会議運営規則に従い市長に議事進行をお願いしたいと思います。

 

議長

それでは第3回の湖南市総合教育会議を開きたいと思います。本日は湖南市教育大綱について、令和2年度湖南市教育方針(Ver.1)について、多国籍児童生徒の日本語指導についての3つの議題についてご議論いただきたいと思います。まず一つ目の湖南市教育大綱について説明を申し上げます。

 

議長

<1.湖南市教育大綱について>説明

 

 

議長

よろしいでしょうか。特にご意見がなければ本日付で湖南市教育大綱を改訂させていただきたいと思います。次に令和2年度湖南市教育方針(Ver.1)について、教育長より説明をお願いします。

 

教育長

<2.令和2年度湖南市教育方針(Ver.1)について>説明

 

議長

ただいまの説明につきまして委員のみなさまからご指摘等ございましたらお願いします。

 

委員

外国籍児童・生徒への日本語指導の充実について、「通訳ソフトの導入」とありますが、ポケトーク等のことを指しているならハード、ソフト両方にかかるような表現にしたほうがいいのではないでしょうか。

 

教育長

そういう方向で修正したいと思います。

 

学校教育課長

事務局の方から失礼いたします。先ほどの教育大綱について、就学前教育をここに上げていただくのは非常にありがたいと思っています。小学校への接続や、これまでの育ちについて教育で書くというのが大切なことだと考えています。その中で政策6に上がっている就学前教育の2つ目の項目をその前の政策5の1つ目の項目に集約することは不可能でしょうか。

 

教育長

政策6は残して2番目の「幼児教育に関する多様なニーズへの対応」という項目を政策5の中でふれるということですか。

 

学校教育課長

生まれてきてから小学校、中学校とずっと続いていくことですので、「特別支援教育の推進」の項目に集約した方がより湖南市らしい書きぶりができるのではないかと考えます。

 

議長

これは教育大綱なので、教育振興基本計画とは一定リンクしますけれども、教育委員会の所管に限らない部分も出てくると思います。「幼児教育に関する多様なニーズへの対応」ということは、今回スタートした幼児教育保育無償化についてもそういった観点から見るべき施策だと思いますので、教育大綱に書いてあることをすべて教育振興基本計画に落とし込む必要もないと思っていいます。他にありますか。

 

教育長

また教育委員さんにおかれましてはお気づきの点等ございましたらご意見ください。

 

議長

では議題(2)令和2年度湖南市教育方針(Ver.1)については以上といたします。それでは3つ目の議題であります多国籍児童生徒の日本語指導についてです。本日はさくら教室と学校教育課から説明をいただくことなっておりますのでよろしくお願いします。

 

さくら教室所長、学校教育課指導主事

<3.多国籍児童生徒の日本語指導について>説明

 

議長

ありがとうございました。さくら教室と日本語指導について多国籍児童生徒の日本語指導について説明をいただきましたが、何かご質問などありますでしょうか。

 

議長

基本的にタブレットのところで保護者は日ごろからコミュニケーションの取れている通訳を好むとありますが、あくまでも通訳は通訳だけの業務にしておかないと、通訳に人生相談までされると通訳がつぶれてしまうというのが一番大きな課題だと思いますので、そこは学校現場でしっかりと区分けをしておいていただく必要があると思います。

 

指導主事

私からも提案させていただいたのですが、タブレットを導入しましたので通訳がいない日でも対応できますよという情報を全保護者に通知を出させていただいたらどうかということで、この2学期、10月から11月ぐらいに実行していただくようにお願いしました。

 

議長

今、南米系以外の子どもたちはどういった形で国内に入ってきているのでしょうか。南米系は3世まで定住者として配偶者や子どもと一緒に入ってこられますが、ベトナムや東南アジア系ですと技能労働者として配偶者なしで入ってきている人が多いと思うんですけれども、実際現場で南米系以外の言葉を喋る外国籍の子どもたちによるさくら教室などへの負荷がどれくらいかかっているのか教えていただきたいんですが。

 

指導主事

南米系の次は両親のどちらかがフィリピンの方で、結婚されて住まわれているという方の子どもさんがいますが、この場合は両親どちらかとコミュニケーションを取るために日本語は比較的よくできます。またフィリピンの方は英語ができる方が比較的多いですので、英語での支援ということでサポートさせていただいています。またポケトークの中にはタガログ語も入っておりますし、活用していただいている状況もあります。国際協会などでお話をしていると、それ以外にベトナムなどからも入ってきていますが、長い目で見て今後定住などされたときにそのお子さんが日本の学校に入ってこられるのではないかと考えています。

 

議長

現状としては現場で東南アジア系の子どもたちはそれほどいないんですね。

 

指導主事

ベトナムの子どもが1人か2人ぐらいいます。今後は増えてくるかもしれませんが、まだまだ日本語指導で困っているというようなことはありません。

 

議長

この4月から特定技能制度が新設されまして、特定技能1号になると家族を帯同できずに支援機関の支援を受けて仕事をするのですが、特定技能2号になると本国から家族を呼び寄せることができて、機関支援もなくなりますので、地域で受け入れて支えなければいけないということになります。そこまでの間で対応を組み立てなければならないというのが全国の自治体の共通課題であります。

 

教育長

先ほど指導主事がふれましたが、さくら教室の教育計画を各学校の日本語教室にどれぐらい活用されているか、その現状はいかがですか。

 

さくら教室所長

それはまだです。先ほど出させていただいたのが現状でして、実質的に各日本語教室で使っていただいているということはありません。水戸小学校の日本語教室の先生とお話しさせていただくと、基本的に日本語教室では小学校1年生の学習を踏襲していくという形で日本語を教えているとのことで、高学年にもなると全部に対応できませんので、大事な部分だけを集約して教えているとのことです。

 

教育長

先ほどの指導主事の話では、担当者会などを行っているとのことでしたが、私が見たところ各学校が手探り状態で温度差があるように見受けられます。こういったさくら教室の教育計画や各学校の工夫した取組を交流するとかそういうことが必要かなと思っています。

 

指導主事

4月に来させていただいた際に教育長からお話を受けまして、今までの交流会は情報交換的なことが中心だったのですが、今年度からは具体的にうまくいった教材や事例などを交換するような場として動かしています。ですので初めて担当になった方でも情報を共有しやすくなっていると思います。経験が浅いと図書教材一つにとっても何を買ったらいいかわからなくて困ることも多いのですが、長年経験のある先生たちと情報共有することで解決するなど毎回時間が足りないぐらいです。

 

教育長

回数はどれくらい行っていますか。

 

指導主事

学期に1回のペースで行っています。主にさくら教室の状況も教えていただきながら各学校の状況や教材なども共有しています。

 

さくら教室所長

その会の中でも出ていましたが、ポケトークが1台では足りません。2台あって初めて会話になりますので。1台ですとタイムラグがありすぎて会話になりません。また、実際使ってみてそばにいる通訳に言わせるとポケトークのポルトガル語は訳し方が固く、子どもたちが使わないような単語や言い回しをするので理解しにくいとのことです。また、子どもたちのポルトガル語も発音や文法が正しくないので、日本語に変換されにくいのが難点です。

 

委員

先日県の教育委員の集まりで外国語教育の分科会に出席した際に県の担当者の説明を聞いたのですが、県の担当者の説明の基礎は湖南市にあるということがはっきりわかりました。湖南市の外国人への語学教育は進んでいて、県も湖南市を参考にしながら施策を進めようとしています。ですから今聞いていてすごく丁寧に外国人教育を進められているのがよくわかります。またポケトークについてもおっしゃるとおりだと思います。ただこれは利用しない手はないので、一応暫定的に利用して自分の語学力を身につけるという方向に持っていければと思います。一つお聞きしたいのは教科書のルビ打ちはローマ字ですか。

 

指導主事

ひらがなです。ひらがなは身についているという子が多いので。

 

委員

漢字などにもひらがなでルビを打っておられるのですね、わかりました。また教材のリライトはどのくらいしておられますか。すごく時間がかかると思うのですが。

 

指導主事

例えば中学2年生で「走れメロス」を学ぶんですが、かなり原文だけでも難しいんです。それをいろんな人の協力を得てやさしい日本語にするのですが、読めても理解することが難しい子もいるんです。そういう時に司書教諭と協力して絵本で読む走れメロスを用意して、内容を理解してからやさしい日本語、原文とステップアップして学習意欲を引き出すようなこともしています。全部が全部リライトできませんが全国の研修などに行きますと進んでいる地域では上手にリライト学習をされていて、そういった教材を共有することによって進めていければなと思っています。

 

委員

子どもの能力を実感されることはありますか。つまりある一定のところまで学ぶと突然日本語をしゃべるようになったり、ものすごい能力を持っていると思うんです。あまり悲観的に日本語を教えるのではなく子どもの能力を実感したような経験はこれまでにありますか。

 

指導主事

外国籍の子どもがいると日本語を指導しなければならないということが大前提に来るのですが、交流の面など日本の子どもたちにとってもプラスになることが多いと思います。外国籍児童生徒にとっても日本語の指導を通していろいろな道が開けていくこともたくさんありますし、中学生だと部活動での活躍を通してより学習が伸びたり、英語などは母国語に近いので吸収が早かったり、美術などでも才能を発揮して学校生活が充実するなどいろいろな要素があると思います。教員もそういった目線で子どもたちと関わっていかないといけないなと思っています。また高校入試について来日6年以内の受験生は特別に辞書を使って受験することができます。ただし使えるのは例えばポルトガル語と日本語相互の辞書であってもちろん英語の辞書は使えません。ただ、県内には100か国以上の国籍の外国人がいてポルトガル語、スペイン語以外の母国語を持つ生徒のほかにもたくさんいます。例えば先ほどもお話ししました英語が使えるフィリピンの生徒は、社会や理科の教科であっても現在の規定では英和・和英辞書が持ち込めないと言った現状もあり、そういったことを改善してほしいと要望しているところであります。

 

委員

特に小学校で英語が始まりましたので、そういう点でポルトガル語ができる子は有利で日本の子どもが置いて行かれるということが出てきますね。いろんなコミュニケーションが豊かにできてくることになると思いますね。

 

学校教育課長

先日の県の会合でもやはり湖南市から来ている教員はそういった課題が切実で、県の総合教育会議に本市の指導主事がゲストスピーカーに招かれるなど他市をリードしているところもあります。

 

 

委員

湖南市は先進的だと思いますよ。経験も他の市町に比べて豊かですから。

 

指導主事

市長をはじめ皆さんがバックアップしようという体制を築いていただいていることが本当にありがたいです。

 

委員

日本語教室は本当に親切だと思います。海外に子どもを連れて行ってもそんなサービスないですから。でも3ヶ月4ヶ月すれば子どもはペラペラしゃべりだしますからね。日本に来ている子どもさんもそういう能力持ってると思います。

 

委員

さくら教室と国際協会のかかわりについて、国際協会でもポルトガル語講座を夜にしてると思いますが、それを活用できればいいのではないかと思っています。

 

さくら教室所長

国際協会の方からは毎週水曜日の午後に、子どもたちが日本の文化を学ぶということで交流会を行っています。講師の方に来ていただいて竹とんぼなど日本の遊びを教えていただいたり、紙芝居など文化的なものを教えていただいています。

 

指導主事

小中学校ですと国際協会と連携する中で、ボランティアの方に授業に入っていただいて話し相手や宿題のチェック、漢字の丸つけなどいろんな形で、特に水戸小学校や日枝中学校は日本語教室をできるだけ地域に開放して皆さんに来ていただき本当にありがたく思っています。日によってはボランティアの方の方が多い時もありこれが他の学校にも広がっていくといいなと思っています。教師の負担も減りますし、子どもたちにとっても多くの地域の方にふれあうことで、小中学校の時に地域の皆さんにお世話になったなと将来の日本社会への貢献につながればと思っています。

 

委員

先ほどのルビ打ちですが、保護者からはルビが打ってあってもこれが何かわからない、字であっても読む気がしないという声を聞きます。保護者の方がわからなかったら子どもに伝わらず協力してもらえないということも出てきますね。

 

指導主事

保護者へは翻訳文書を必ずつけており、水戸小学校や日枝中学校など常に通訳がいる学校についてはほぼできています。それ以外の学校は市教委に相談されて職員の方で翻訳しているのですが、日枝中学校などで外国籍の方の保護者会などでスペイン語を母語にされている方がポルトガル語は似ているけれども難しいと言った意見やそれ以外の母語はどうするのかなど課題はあります。

 

学校教育課長

水戸小学校では急に下校しなければならない場合などタウンメールで送るときにも多言語対応をしています。

 

指導主事

県の生き生きサポート事業では、ポルトガル語以外にスペイン語や中国語やタガログ語などの通訳を月2回ぐらい派遣していただいておりまとめて翻訳などしてもらっています。もっと頻繁に来てほしいが全くないよりはずっとましという声を聴いています。

 

委員

子どもの対応は成果が上がっていますが、保護者への対応がなかなかということで、例えば国際協会などでボランティアで週1回ぐらい大人の日本語教室など設けておられるんですかね。

 

指導主事

保護者会については日枝中学校では定期的に行っており、私が戸別訪問で対応していたときのことを思うと、同じ場所で同じことを親同士が集まって共有できるのはありがたいと思います。また最近では卒業したOBの子たちが来てくれて高校受験の話などもしてくれるので、保護者さんたちも大変喜んでおられます。そこに管理職や学年主任、有志の先生も来てくれるので保護者と教員との意思疎通の場にもなり良かったなと思っています。

 

 

委員

コミュニティスクール委員会に外国籍の保護者が入ってもらえるといいのではないか思っています。

 

指導主事

日枝中学校ではコミュニティスクールやPTA活動等にも今度来てもらってお話を聞いてもらえることになっていて、学校長を中心に事務局にも入っていただけるような取組も行っています。

 

委員

最初の一人二人が来てもらえると、外国籍の皆さんのコミュニティから広がっていって他校区との交流も期待が持てると思います。

 

指導主事

日枝中学校の体育祭で一番盛り上がるのがPTAの綱引きで、いろんな国籍の保護者が一緒になって一生懸命引き合うんです。ああいった場が広がればいいなと学校長とも話しています。

 

委員

そういうつながりの中で、日本在住の長い方は通訳のボランティアとして来ていただけるようなお声かけができるようになると、もっとつながりができるのではないかと思います。

 

議長

卒業生や就職した人が学校に来て子どもたちや保護者にアドバイスをしていただけるのはいい取組ですし、全国市長会でも苦慮してるんですが通訳の確保が難しい中において、何かこう日本と諸外国とのかけはしになるような形で子どもたちを育てられないのかなと、そういったところでサポートに入っていただけるような人材として活躍をしてもらえるようなかたちのつながり方ができないかというのはこれから必要になってくると思っています。高校に行ってその高校を卒業した子どもたちとつながっていて、そういった子どもたちの活躍の場を地域の現場に設けるようなシステムは作れるんですかね。

 

指導主事

いま、カリーニョをさせていただいているのもそういった狙いがありまして、他市の中学校の研修会などでもカリーニョのメンバーを連れて行ったりするのですが、そういった子どもたちが現場に来てくれて子どもたちに語ってもらうなどしています。また異国籍生徒交流会も湖南市ではずっと続けていて、OBの子たちも積極的に参加してくれています。そいういった現場での広がりが少しずつ出てきているのかなと思っています。

 

委員

これは湖南市だけじゃなくて他の市にも活動の場が広がっていっているということですね。甲賀市の方も湖南市のいろいろな活動を参照にしながら頑張っておられるということを甲賀市の教育委員の方がおっしゃっておられました。

 

指導主事

先ほど議長がおっしゃってくださったような人材が少しずつ生まれてきていまして、湖南市で育った若者たちの活躍の場が社会にたくさん出てくると、例えば通訳なんかもそうですが、生活していく上でも十分な収入も得られてやっていけるようであればどんどん増えてきますし現場にもプラスになると思います。言葉はちょっと不自由でもいろんな力を持つ若者がたくさんいますので、そういった子どもたちが活かされるような社会になればなと思っています。

 

議長

甲賀市では日本語初期指導教室をスタートさせました。ただ、1箇所だけですので、広い甲賀市の中でそこまで子どもを送っていくことができないというので苦労されています。特に外国籍の方の奥さんは運転免許を持っていない方が多いので、行動範囲が家の周りの徒歩圏内だけになってしまいます。ですから水口に1箇所だけ作ってもそこまでたどり着けないのが大きな課題だと聞いております。

 

指導主事

長浜市でもありましたが、同じ理由で立ち消えました。

 

議長

いま出入国在留管理庁が、国全体が外国人受け入れの総合的な対応策を作っていまして、相談窓口を作るためのお金をいただけるようです。文科省のお金もありますが、一つの市に1箇所では今言ったような甲賀市や長浜市のようになってしまいますので、現実的に現場に応じたような形での財源配分をするべきだということも全国市長会として国に強く働きかけていく必要ががあると考えています。

 

委員

どこの学校でも日本語初期指導ができる体制が整ったらいいのですが、そうするとDLAなどの活用が必要になってきます。国際協会の関係でDLAの講習会に行かせてもらったことがあるんですが、県内の小中学校の先生方がたくさん来られていて一緒に講習を聞かせていただいて、やはり初めて日本に来た子どもたちの今のレベルを正しく判定しないと、どこから学習を始めたらいいのかがわかりません。効率的に始めないと既に知っていることばかりやっても仕方がありません。まず初期指導のやり方をいろんな先生方が共有されている方が広がっていきやすいのかなというのがあって、DLAがもっと広まるといいなと思っています。

 

議長

日本語がわからないのか発達の支援が必要な子どもなのかということを見極めるのも非常に難しいと思います。そういったところはどうなのでしょうか。

 

学校教育課長

それは大きな課題です。検査をするときに通訳を介してしますので、例えば特別支援学級に入級するときの保護者への説明でも、伝えた方は十分伝えたつもりでも、受け手の方が十分に伝わっていなかった、そういったトラブルはあります。

 

議長

新聞でも中京地区あたりでは外国人がどんどん特別支援学級に入れられてかなり問題になっているというのもあります。ですから「なんでうちの子が支援学級なんだ」と親が怒ってきたりとか。

 

学校教育課長

それが言葉の問題なのかその人の発達の問題なのかというのは日本人以上に慎重にしないと、理解しにくいイコール特別支援学級ではないというところに慎重に取組を進めています。

 

議長

他にありませんか。

 

教育総務課長

話を戻してしまって申し訳ないですが、教育大綱の政策6「就学前教育の充実」の部分の枝番2「幼児教育に関する多様なニーズへの対応」について、前期の教育大綱の計画を踏襲するとなりますと、大綱としましては政策番号に上がっている部分が大綱であって、下の枝番号にかかる部分は教育振興基本計画の分野に入ってきてしまいますので、その部分だけが教育振興基本計画に上がっていないということを鑑みると、政策5の枝番1「特別支援教育の推進」に集約していただけないかと思うのですが。

 

議長

発想が逆です。順番に「政策」「施策」「事業」というツリーになるわけで、ツリーの下がないから上を消せというのは逆の発想であって、上位計画に書かれていることがあるのであれば、それは下位計画にしっかりと書き込んでいくという方向性でないといけません。それが教育委員会の所管外であればそれはそれで構わないわけで、教育大綱と教育振興基本計画は別物ですから、教育大綱は市長部局で作って総合教育会議に諮り意見を聴くというものですので、教育委員会だけではないわけです。ですから教育委員会で所管できないから教育大綱を消せというのは本末転倒の話です。

 

教育総務課長

枝番も含めて大綱ということですか。

 

議長

これが大綱となっているじゃないですか。

 

教育総務課長

最後に申し訳ありませんでした。

 

議長

他に外国籍児童生徒の日本語指導について事務局から言い残したことはありますか。

 

 

指導主事

引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

 

教育長

1点だけ、岩根の学校支援員の方はポルトガル語ができる方ですか。

 

指導主事

はい、日系ブラジル人の日枝中学校の卒業生の子です。

 

教育長

菩提寺小学校と菩提寺北小学校は入っていないのは。

 

指導主事

今は大丈夫ということでした。

 

議長

9月6日にブラジル大使館から湖南市に対して表彰をいただいということで、またこういった取組を進めていきたいと思っております。今後多国籍化をしていく可能性があるということですので、先にそういったものに対応していくということについては、ポルトガル語やスペイン語に対して取り組んできたケースを増やすことが可能なのではないかと思いますので、また引き続き教育委員会もそういった取組をしていただければと思います。それでは議事3に意見がたくさん出てまいりましたけれども、本日予定をしておりました3項目をこれですべて終了させていただきたいと思います。これで第3回湖南市総合教育会議を終了いたします。ありがとうございました。

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 秘書広報課 秘書係

電話番号:0748-71-2314

ファックス:0748-72-1467

メールフォームでのお問い合わせ