【障スポ出場!】水泳 身体2部 25m自由形・バタフライ 1位 寺村 真美子選手を取材しました!

更新日:2025年12月19日

わたSHIGA輝く障スポに出場され、水泳 身体 2部 25m 自由形・バタフライ それぞれ1位を獲得された寺村真美子(てらむらまみこ)選手にお話を伺いました。(湖南市在住)

寺村選手

【略歴】

1976年(0歳)青森県で生まれる

1979年(3歳)彦根市でスイミングを始める

1984年(8歳)選手クラスに入る

1986年(10歳)湖南市 (旧甲西町) へ引っ越し、市内のスイミングスクールに通う

1988年(12歳)小学校卒業と同時にスイミングを辞める

1998年(22歳)骨巨細胞腫を発症し、右膝複雑骨折。リハビリとして水泳再開

1999年(23歳)再発し、人工関節置換手術を実施。 27歳まで入退院を繰り返す

2006年(30歳)野洲のプールで泳いでいたところ、障スポのスタッフに声を掛けられたことがきっかけで障スポに参加

2007年(31歳)第7回全国障害者スポーツ大会 秋田わか杉大会 大会新記録

2017年(41歳)第17回全国障害者スポーツ大会 愛顔 (えがお) つなぐえひめ大会 大会新記録

2019年(43歳)第19回全国障害者スポーツ大会 いきいき茨城ゆめ大会(台風で中止)

2020年~ コロナ禍のため水泳から離れる

2025年(49歳)マスターズ・障スポともにレース復帰

メダル

水泳25m自由形とバタフライでそれぞれ1位入賞されたお気持ちをお聞かせください。

まずは、2つの役目を果たしてホッとしました。

1つは自分の目標である「2種目での1位獲得」。もう1つは、25m自由形が滋賀チーム最初のレース(プログラムNo.2)だったので、シーズンベストで勝ってチームに勢いをつけることでした。当日は朝からトラブルが続きましたが、結果としてベストを更新し、2種目とも1位を取ることができて安心しました。

コロナ禍のため2019年11月以降、水泳から離れており、約6年ぶりのレース復帰でした。選考会(2025年3月)はタイムが伸びず落ち込みましたが、「本番までにタイムを上げて1位を狙ってほしい」と期待をかけてもらい、滋賀チームのメダル獲得に貢献することを自分の使命に据えて取り組んできました。本業がある中、期待に応えるため調整したので、優勝できて本当に良かったです。

滋賀大会のメダルは、大きくて、デザインも良くて人気があります。会社でも友人にも「メダル見せて」と言われることも多く、たくさんに人が自分にメダルかけて写真を撮っていました。こんなに喜んでもらえるとは想像していませんでした。

バタフライ

地元開催の障スポでしたが会場の雰囲気などはいかがでしたか。

想像以上にたくさんの人に応援してもらえていることを体感できてテンションが上がりました。水泳の試合を見たことがない人も会場に来てくれたり、動画配信を見てメッセージを送ってくれたりして、「本当に今でも選手として出場している」という姿を見せることができました。他府県の選手をお互いに応援しあうシーンも多く見かけ、優しさにあふれた大会だと感じました。

多くの応援と、水泳競技運営の皆さんのおかげで、とてもスムーズで、安全に、レースを楽しむことができました。滋賀水連の役員の皆さんの動きがすごくて、近隣他府県で評判になっています。

一度は水泳を離脱して障スポ出場を諦めましたが、思い出に残る、一生に一度の地元開催の障スポを満喫できて幸せでした。

今年の障スポ出場までにどのような思いで練習に取り組まれていましたか。

「身体チームを盛り上げること」を第一に考えていました。

競泳経験者が少ない中で、ただ練習をこなすだけではもったいないと感じており、結果を出すことに加えて「自分で身体づくりができるようになること」を大切にしてきました。障がいごとに工夫できる点は多く、それに気づけばパフォーマンスは変わります。私が身につけてきたことは積極的に共有し、「身体障がいという弱点をどう克服して泳ぐか」「これは何を一番意識する練習なのか」を一緒に考えてきました。 コーチ陣も選手も団結力があり、毎回集中して工夫を凝らした練習に取り組めたので、チームとしての充実感があり、私自身も学びになることが多かったです。

 

障スポに向けた練習の中で、特に意識して取り組まれたことや工夫された点はありますか。

まずは「無事にレースをこなせる身体づくり」です。

私は手術の後遺症で日常生活にも常に痛みがあり、レースで泳げる状態まで整えるには時間と手間がかかります。軽く流すだけではレースで勝負になりません。毎日のストレッチと筋トレで土台を整え、スイム練習で段階的に強度を上げながらフォームを磨きました。久しぶりに鍛えたので、昨年よりも少し歩きやすくなりました。

コロナ禍以降遠征しなくなってレースをする前に体力が落ちていて疲れる、筋力・脚力が落ちているから重い荷物を背負って歩くと脚を痛める、など、泳ぐ前に課題が多くありました。障スポ代表に決まってからはできるだけ毎日泳ぐようにして、日常の体力・筋力づくりから始めました。週あたり10,000~15,000m程度泳ぐようにし、毎日のストレッチ・筋トレなどで1週間のメニューを組んで練習しました。

半年間鍛えた結果、大会期間を大きな故障なく乗り切れたのは収穫でした。

今回のレースの中で特に意識されたポイントはどこでしたか。

ピッチを上げた新しいフォームを、最後まで崩さないことです。

もともと、「優雅に泳ぐ」と言われるほど、ゆったりした大きいフォームで、短距離には不向きです。今回のエントリーは25mと短距離なので、ある程度ピッチを上げないと速くならないのですが、それが苦手です。

ピッチを上げるために2種目ともフォームを変える必要がありました。元々動きにくい、動かすと痛いことをレースではできるようにしなければ実現できないほどリハビリスイムとレースでは身体の使い方が違うのでアップからレース用のフォームに整えていくことが難しかったです。しかし濱田コーチの具体的で的確な説明もあり、うまくいきました。

 

(濱田コーチ)

寺村選手は、まず練習自体がしっかりできていることが大前提で、こちらが投げた課題を次の練習までには直し、仕上げてこられるのでさすがです。非常に素晴らしい選手だと感じています。また、イメージ通りの泳ぎができ、言っていることをすぐ理解してくれるので、コーチとしても指導しやすいです。

濱田コーチ

レース中、ここは上手くいった、難しかった、という場面はありましたか。

2レースともスタートの反応は良好でした。9月の合宿で「スタートに変な癖がある」と指摘され修正した結果、体感で0.2秒ほど稼げたと思います。

自由形は浮き上がりが遅く出遅れましたが、浮き上がり後は終始ピッチを維持でき、最後までフォームが崩れずにタイムを伸ばせました。

バタフライでは前半は良かったものの、キャッチの感覚が合わず修正しようとして中盤以降ピッチがやや落ちてしまいました。直前のアップでは良い感覚だっただけに、本番で再現し切れなかったのは悔しかったです。表彰前に多くの方から「1位おめでとう」と声をかけてもらいましたが、思わず「失敗した〜」と言ってしまうほどでした。

 

(濱田コーチ)

寺村選手の試合前のアップを見た段階から、自由形は「いける!」と確信がありました。

クロール

滋賀県代表チームの強みはどのようなところですか。

「滋賀友泳会※」を中心とした団結力です。今回の障スポ水泳は、滋賀友泳会が10年以上かけて築き上げた成果だと思います。パラ水泳として選手登録し各大会で経験を積んできたメンバーが多く代表入りし、団体行動から応援、レース運びに至るまで、その経験が随所に活きました。

コーチを含め全員が優しく温かく、個人競技でありながら常に互いを気にかけ合う雰囲気があります。選手達の障がいはさまざまでも、支え合い、応援し、喜びも悔しさも分かち合えるチームです。水泳は個人競技ですが、お互いを常に気にかけているのはいいな…と感じています。仲がよく、心を許せて切磋琢磨できる存在です。

大会2日目プログラム最後のメドレーリレーでは、他チームのアンカーが泳ぎ切るまで、リレーを終えた選手も一緒に大声で応援し続けたのが「滋賀チームらしさ」だと感じました。選手もコーチも、パラ水泳や大会を盛り上げようという思いが強いチームだと思います。

滋賀チームの選手は皆、負けず嫌いで向上心が高く、ベスト更新を喜んだ直後から自己分析に入る姿が頼もしいです。「どこが悪かったのだろう?もうちょっと修正できたな…」と考え始めています。競泳未経験の選手も、障スポを通じてどんどん「選手らしく」なってきているのが嬉しいです。

 

※滋賀友泳会:滋賀県で活動する障がい者水泳クラブ。水泳を通じて仲間との交流や競技力向上を目指している団体

滋賀県チーム

寺村選手が思われる水泳の魅力はどのようなところですか。

水泳は、健常者と障がい者の垣根が低く、私にとっては健常の友人とも対等に一緒に楽しめる唯一のスポーツです。パラ水泳は、障がい者でも様々な障がいクラスが装具を身につけずに競い合います。水によるサポート(浮力)を得ることにより、陸上での競技が難しい比較的重度の障がい者も参加できることが魅力です。

水泳は、浮力を使って泳ぐことがトレーニングとしてとても有効で、身体作りに最適です。陸(重力環境)では鍛えることができないことでも、水中ならできることがたくさんあります。

私の経験では(22~27歳)手術後、杖無しでは歩けないと宣告されても、リハビリして歩ける身体づくりができたのは水泳のおかげです。子どもの頃に、正しく泳ぐ知識を身につけさせてくれたことに感謝しています。

大人になってから水泳指導を受けているのは滋賀チームの練習だけです。濱田コーチが障がいやコンディションに合わせた指導を工夫してくれるようになってから、スイムのリハビリ効率がグッと上がりました。毎回気づきをもらえるので、水泳だけでなくリハビリとしても効果上がっているので助かっています。

水泳

普段、どこで練習されていますか。またどのような練習をされていますか。

仕事帰りの夜、京都アクアリーナに行って一人で泳ぐことが多いです。

基本的に毎日リハビリをしないと歩けなくなるため、自分に合わせて作ったリハビリメニューをこなしています。メニューは全部自分で作ります。その時の状態に合わせたメニュー(ストレッチ+筋トレ+スイム)を組み合わせて実施しています。体幹を鍛えつつ右脚を動かせる状態に整えることが基本で、コンディションが良ければフィンスイムなども取り入れます。まともなフォームでスイム練習に入るには、30分〜1時間ほどアップが必要なことが多いです。

休みの日は友達と時間をあわせて泳ぐことが多く、いろんなプールへ行きます。

競泳の練習は、関西圏(大阪、京都、奈良、滋賀)のマスターズスイマーと練習するか、滋賀チームの練習に参加するくらいです。週末の競泳練習のために、平日自主練で体作りしておくという流れです。

休みの日などはどのようにリフレッシュされていますか。

基本的に休日は、治療・マッサージ・陸上トレーニングなど体のメンテナンスを優先しています。体が整っていたら自分にご褒美として遊びを入れて息抜きができます。長年お世話になっている方々のメンテナンスだけでも、リフレッシュできることが多いです。

週末の泳ぐイベント(試合や練習会)は私にとって「楽しい予定」の一つで、タイムレースなどに参加して気分転換できます。もともとスポーツ全般が趣味でしたが、今はそれが水泳に置き換わったイメージです。

泳ぐ以外では、食べに行くか、車で遠出することが多いです。美味しいものを食べるためなら遠出してもいいです。もともと、車やバイクが好きなので、今でもMT車に乗るほど、運転は好きです。

今後の目標をお聞かせください。

障スポ 25mバタフライの大会記録(2017年 愛顔(えがお)つなぐえひめ大会 15.70秒)がまだ残っているので、これを自ら更新します。

また、滋賀水泳チームの名前が長く残せたらいいな、と思っています。そのためには、とにかく水泳離脱前のタイムに戻すことが必要ですね。

今回の結果に至るまで、周りの方々からどのようなサポートがありましたか。

・滋賀チームの方

約5年間ほとんど泳げていなくて、前よりもタイムが落ちてしまった自分をチームに受け入れてくれたことに感謝しています。代表に決まってからの半年間、仕事や怪我で順調にトレーニングを積めなかったのですが、直前までアシストしてもらえて心強かったです。選手として結果を残せたし、かけがえのない貴重な経験をさせてもらえて、本当にありがたい思いでいっぱいです。

 

・病院関係の方

2025年6月 異所性骨化による肉離れで2週間ほど歩けなくなり、まったく泳げない時期がありました。最短で体を整えるにはどうしたらいいか考え、治療に協力してもらい、2か月弱で通常の練習に戻せました。

 

・仕事関係の方

2025年8月以降は、練習時間を確保するため、仕事中抜けて昼間に泳ぐ時間を作ることも多かったです。そのために、リモート勤務をする時間帯が増えましたが、仕事仲間も出場することを応援してくれていたので、協力してもらいました。

 

・マスターズスイマーの友人達

どのプールに行っても誰か居る、というくらいリハビリスイムから練習に付き合ってくれるスイム仲間があちこちにいます。短期間でタイムを上げるために、日々集中して練習をこなせたのは、常に対等なスイマーとして迎え入れてくれるスイム仲間がいるから楽しく泳ぎ続けることができているので、スイム仲間に感謝しています。

コーチやご家族からの声かけで励みになられた言葉はありますか。

家族は、一番厳しくて「遅くなったな」と言われました。6年前以降、タイムが落ちたまま戻ってないので、素直な感想だと思います。

10月に入ってからですが、スイム仲間から、「調子上がってきたね」と言われることが増えたことで、焦りが減っていった気がします。私より速いスイマーばかりなので良いコメントは心強いです。ダメなときは心配されるので、10月は本当に良い状態だったのだと思います。

濱田コーチからの、練習やレース前のアップ時、「仕上がってきた。そのまま行けばいい」という言葉には安心感があります。いつも驚くほど的確で、修正するとタイムが上がります。「なぜわかるのかな?」と不思議な感覚になります。障がいやコンディションに合わせて工夫し、「今の身体で何を意識すべきか」を示してくれ、私の感覚と一致した時は良い泳ぎができます。この言葉が出るまで何度でもやり直しますが、納得のタイミングがいつも同じなので信頼しています。

青谷コーチはいつも、「レースを楽しんで」と言ってくれます。楽しむことができるほど、十分な練習や準備をして努力してきたことをちゃんと見てくれているからこそ、直前に言えるアドバイスです。送り出してもらう言葉の中で一番好きです。

応援してくださった皆さん(湖南市の皆さん)へメッセージをお聞かせください。

泳ぐことは非日常でリフレッシュしやすいことも魅力です。滋賀県には多くのプールがあり、水泳チームもあり、水泳を長く続けられる環境があります。選手登録をしなくても参加できる大会もあり、スポーツとして楽しむ環境が整っています。皆さんも生涯スポーツとしてチャレンジしてみてください。

寺村 真美子選手、インタビューにご協力いただきありがとうございました! この度は本当におめでとうございます!今後ますますのご活躍を心よりお祈りしています!!

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 文化スポーツ課 国スポ・障スポ大会推進室〔東庁舎〕

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