地方創生健康寿命延伸プロジェクトの取組
2019年プロジェクト始動!
健康寿命延伸プロジェクトの一環として、「健康」と「特産品の復刻」をキーワードにヘルシーフードの開発をスタートしました。2020年実施事業「東寺献上ごぼう復刻プロジェクト」や2021年実施事業「朝国しょうが復刻プロジェクト」につながっていく取組になります。
2019年では、本プロジェクトの基盤づくりとして、スポーツ協会主催「スポーツフェスティバル」と健康づくり推進協議会主催「健康まつり」を連携し、「2019湖南市スポーツフェスティバル&健康まつり」として同時開催し、まずは若者からお年寄りまで幅広い年代層が参加し、健康づくりに興味を持てるように企画を準備しました。
伝統野菜復刻プロジェクト
東寺ごぼう
プロジェクトの中心を担うメンバーは、平成30年度に若者郡中惣が実施したビジネスコンテストここどりで「NINCYAプロジェクト」(奄美のくび木茶)を提案され、優秀賞を獲得した窪田さん。奄美で生まれ育ち、大阪から湖南市東寺に移住されました。窪田さんは「東寺の地域の皆さんが温かく迎え入れてくれた恩返しをしたい」と東寺ごぼうの復刻に意欲を持っておられました。
もう一人は、NCLこなん(地域おこし協力隊)の釘田和加子さん。釘田さんは、コーディネーターとしてラボメンバー(起業を目指す地域おこし協力隊)のサポートをより充実させたいという思いがあり、商品開発のスキームを学ぶために参加されました。
東寺の献上ごぼう茶の発案は、窪田さんのふるさと奄美の「くび木」を使った健康茶が原型となっています。くび木の正式名称を「ツルグミ」という関東より南ではどこにでも生えている木です。くび木は煮出して飲むことができるのですが、くび木茶はくせが強いため奄美大島をはじめ、加計呂麻島、徳之島などの地域に限定されています。一般向けとしては受け入れにくく、基本が煮出して飲むスタイルなので手間も時間も掛かります。
健康を前面に押し出すのであればターゲットは女性になります。そのためには、手間が掛からず、飲みやすく、健康に対して効能がいいもの。目指す健康茶は、くび木茶をベースにして何か市の特産品とブレンドして飲みやすく、さらに手軽に飲めるように形状を粉末やティーバックにして水出しができるお茶にする方向で進みました。
株式会社Do.ベガHOMEの西村純代さん(右)、西村信之さん(左)
専門的な知識を補うために、草津市で月桃茶の製造販売を行う株式会社Do.ベガHOMEの方にアドバイザーとして協力いただけました。
早速、奄美大島のツルグミと本市宝来坂地先で採取したナワシログミから煮出した2種類のお茶を試飲。
開発段階からの徹底した衛生管理、マルシェでの試飲やモニター調査、消費者が安心できる要素つまり産地や農薬の有無、品質や成分・効能の提示などのアドバイスをもらいました。
くび木のお茶からヒントを得て、本格的に東寺ごぼうを使ったお茶でのまちおこしに本格的に取組をスタートしました。
東寺献上ごぼうは、東寺地域の砂質土壌で採れたまっすぐに太く伸びたゴボウのことで、昭和天皇即位の御大典(昭和3年)に献上されたことからその名が付きました。
大嘗祭資料
ごぼう献上の様子(右下)
ゴボウはお茶だけでなく、スープやチップスなど汎用性も高く、他の特産品である弥平とうがらしや朝国ショウガ、岩根の里芋とのマッチングも期待できます。
農福連携の一環として、ゴボウの栽培は社会福祉法人 椎の木会 落穂寮の皆さんに協力をお願いしました。
試作品開発
湖南市の特産品で「健康」で「おいしい」お茶を開発し、ゴボウで地域を盛り上げる!というコンセプトを掲げ、試作品の開発に臨みました。試作したゴボウ茶と現在販売されているゴボウ茶4種類の飲み比べをしました。販売されているゴボウ茶の味やゴボウの大きさ、パックの網目の大きさを参考に改良していきました。
試飲準備
既製品で梱包資材やゴボウの形状を確認
農福連携による東寺ごぼう生産
農福連携の取組として、社会福祉法人椎の木会落穂寮の皆さんに東寺ごぼうを栽培していただき、プロジェクトメンバーが見守る中、収穫作業が行われました。まっすぐに伸びたゴボウが折れてしまわないように、丁寧に掘り起こされました。
収穫後、プロジェクトメンバーで笹がきを行い、天日干しを行いました。
掘り起こし作業
収穫されたごぼう
手作業でささがきに
天日干しの準備作業
ゴボウの粉末量や湯量の調整
試作品の意見交換
朝国しょうが
朝国地域で一大産地となっていた伝統野菜「朝国しょうが」は、市場では滅多に見かけない小しょうがという品種です。約220年前の江戸時代から続く伝統野菜を復刻するプロジェクトの前身となる取り組みです。
朝国地域に自家用で作られている農家を頼り、品種は異なるものではありますが、水はけのよい土壌で作られた美しい朝国しょうがです。
すくすく育った朝国ショウガ
採れたての瑞々しいショウガ
農家さんと地域おこし協力隊
食のプロジェクトにより起業を目指す地域おこし協力隊の江ぐちさんが参加しました。
また、湖南市健康推進委員と連携し、アイデアを募集しました。健康に過ごすためには、「食」と「スポーツ(運動)」がキーワード。楽しく健康と向き合うため、「スイーツ」、「お茶」の新たなレシピを募集しました。
そのレシピを江口さんがブラッシュアップし、湖南市の伝統野菜を使った「朝国しょうがのジンジャーエール」と「里芋のマフィン」を健康推進委員と試作しました。
2019湖南市スポーツフェスティバル×健康まつり
若者からお年寄りまで楽しく参加できる健康イベントとして、「2019湖南市スポーツフェスティバル&健康まつり」を開催しました。
地方創生の取組として、伝統野菜(東寺ごぼう、朝国しょうが、里芋)を使った「健康茶」「健康スイーツ」の試食会、官民連携事業として「RIZAP健康セミナー」の開催による健康志向の地域健康リーダーになり得る人材、特産品がもらえるスタンプラリーの実施でファミリー層の来場、地域おこし協力隊による出店など今までにない魅力的なイベントとなり1,600名を超える来場者がありました。
2019湖南市スポーツフェスティバル×健康まつりのポスター
ゴボウ茶試飲会のポスター
「ごぼう茶」試飲会での行列
伝統野菜「里芋」でパウンドケーキ販売協力
体験イベントに来場された皆さんに里芋のパウンドケーキや朝国ショウガのジンジャーエールと合わせて、ゴボウ茶の試飲とアンケート調査を行いました。
アンケート結果1,2
アンケート結果3,4
アンケート結果5,6
アンケート結果7,8
小さなお子さんから80代の方まで、合計301人の方から回答を得ました。
頂いた感想や意見を参考にさらに改善をしていき、市の特産品としての商品化を目指します。
更新日:2024年02月16日