平成23年3月市議会定例会閉会あいさつ

更新日:2019年07月01日

平成23年3月22日

平成23年3月市議会定例会の閉会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。

議員の皆様方におかれましては、先月25日以来、慎重にご審議を賜り、平成23年度当初予算のご決定をはじめ、執行部から提案いたしました案件のほとんどをお認めいただきました。このうえは、これら当初予算等の計画的な執行をさせていただきたいと考えております。

ところで、このたびの東北関東大震災においては、公の仕事に従事する人たちの献身的な働きが国民に感動を与えました。地震の災害対策本部を設営中に津波に呑み込まれた大槌町の町長、地震直後に津波の襲来を知らせるために最後まで防災無線で避難放送を続けた南三陸町の若い女性職員、津波からの避難者の誘導に当たって無惨な姿となった車輌だけを残し、いまだにその行方の知れない多数の警察職員、消防職員、消防団員。このたびの地震と津波は数多くの犠牲者を出しましたが、そのなかでもこうした決然と他人を守る活動により殉職された皆さまには、同じように公務を預かるものとして悄然と頭(こうべ)を垂れ、深い哀悼の意を表せざるを得ません。

さらには、わが国史上最悪の原子力発電所事故に際し、国民への放射能被害を防ぐために、高濃度放射線に脅かされながらも果敢に機器の制御に挑んでいる東京電力協力会社や東京電力の従業員、決死的な放水活動に従事した自衛隊員、警視庁機動隊員、東京消防庁ハイパーレスキュー隊をはじめ全国の消防職員。彼らは、いみじくもときの総理大臣が空虚にも口にした「命がけ」の任務に現在も従事しております。

戦後、わが国においては、公務員をおとしめ、悦にいる風潮がありました。公務職場においてその原因となる行いがあったことも確かなことです。しかし、その組織に属しているというだけで罵声を浴びせられたり、冷ややかに見下げられたりしてきた危険従事職員たちが、今回は文字どおり「命がけ」の戦いを展開してくれています。

今は非常時であり、自分の権利だけを主張し、安全策ばかりを述べている事態ではなく、他人のため、郷土のため、国のために何ができるのかが、私たち国民一人ひとりに問いかけられています。

平素、人権の大切さを学び続けた成果を発揮するのは今をおいて他になく、もしこうしたときに後ろ向きの人間性が垣間見えるようなことがあれば、それはとても悲しいことであります。阪神淡路大震災での常識が通用しない、当時を遙かに凌駕した著しい被害の状況に、市民の皆さんからも心からの支援の申し出が数多くございます。「がんばろう東北」を合い言葉に、わが国を挙げて復興に取り組まなければならないときであると思います。

年度内は、東北関東大震災に対する緊急的な対応を順次行いますとともに、今後の災害時相互応援協定の締結も視野に入れながら、鳥取県北栄町との連携を深めてまいります。また、4月以降はお認めをいただきました当初予算等に基づいて計画的に業務を進めてまいりますので、引き続き、議員の皆様のご理解とお力添えを賜りますようお願い申し上げまして、3月定例会の閉会に当たりましてのごあいさつといたします。

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