所信表明(平成28年)

更新日:2019年07月01日

 平成28年10月9日に告示されました湖南市長選挙において、無投票というかたちで市民のみなさんの厳粛な信託を受けまして、4期目となります湖南市長職をお預かりすることとなりました。議長のお許しを得て、議員のみなさん、市民のみなさんに所信の一端を明らかにいたします。

 過去の所信や施政方針でも度々申し上げてまいりましたが、分権型時代における自治体経営は、ひとり市長が左右するものではありません。成熟した社会であればあるほど、構成員一人ひとりが役割と責任をもって、互いを思いやり支えあえる社会でなければなりません。そうした一人ひとりが輝くことのできる社会は、誰かがひとりで引っ張る社会よりも遥かに強靭となります。まさに、地域のガバナンスの質が問われる時代となりました。

 急激な高齢化の進行は地域の年齢構成を大きく変えてきています。税収も伸び悩む一方で、合併特例の期限を迎え、これまでと同じまちづくりがこれまでと同じように続けられるわけではなく、常に環境変化に対しては変わっていく勇気が求められます。

 地域においては、市民参加のもとでのまちづくりが進められてきていますが、さらに多様なみなさんが地域づくりや産業振興に携わっていただくことが期待されています。とりわけ、これまでの本市があまり得意としてこなかった農業については、従事者の高齢化と後継者不足を背景に、いったんリタイアしたみなさんや子育てに一区切りついた女性のグループ、障がいのある人、若い世代など、これまで農業とは縁の薄かったみなさんの新規参入を促し、付加価値の高い農業を少しずつシェアすることで、結果的に農地と食の安全を守ることができるような戦略的取組を進めてまいれればと思います。

 また、農業と同じように地域で付加価値を生み出しているのが自然エネルギーであることから、地域固有の資源である自然エネルギーから生じる富を地域でシェアしながら、地域を強靭化させる新しい時代の地域自然エネルギーの地域経済循環をモデル化していければと考えております。

 さらには、地方創生時代に求められる子育て支援について、若い世代に夢と希望を持って子どもを生み育てていただけるような地域としていくために、人口構造の変化を受けて、支えられる側だった高齢世代のみなさんには、若い世代を支える側に回っていただき負担をシェアしていただければと思います。限られた財源であれもこれも実現することは難しく、将来にわたる持続可能な地域とするためには、世代間で支え合える新たな税財源などのあり方についても議論を始める必要があります。それとともに、ワークライフバランスの実現が可能となる魅力ある地域とするために、市民のみなさんの理解と実践が求められております。

 南海トラフ巨大地震が目の前に迫っているとの指摘がありますが、地域での安全をシェアするための地域防災の確立とその実現のためには、災害対策本部となる庁舎の建て替えは避けることができません。できる限り早く新庁舎の建設を進めてまいりたいと考えますが、これについても市民のみなさんの理解と議論が不可欠です。

 これからの4年間においても、市民のみなさんと本市の抱える諸課題を丁寧に議論してまいりたいと存じます。それぞれが異なる市民の支持を背景とした議員が、利害が異なることを前提にしながらも限られた資源の配分について真摯に議論を交わし、合意を形成していく。議会でお決めいただいた条例や計画や予算という大きな方向性に基づいて、執行部としては危機意識を共有しながら執行をさせていただく所存でございます。

 こうした市民参加と二元代表制が適切に機能する民主市政を目指しながら、最後に前回の所信でも引用した前々回の所信の結びをここでも繰り返し、演説を終えたいと存じます。

 これからの湖南市は、世界永遠の平和を念願する日本国憲法の理想を心とし、民主主義に基づく文化国家建設の目的に向かって、市民憲章の各項に表されたまちづくりをさらに進めていかなければなりません。

 民主市政には市民の総参加が求められます。しかもそれは責任を伴った参加です。発言を通じて参加する者は、発言内容にしっかりと責任を持つことは当然ですが、その結果に対しても責任を負わなければなりません。公共をどのように支えていくかは、今や市民一人ひとりの肩に掛かっていると申せます。自分の利益だけをめざし要望と要求をするだけではなく、広い視野のもと市民全体の利益をめざす提案型の市民の市政参加を期待いたします。さりげなく支え合い、助け合える凛としたまちとしていきたいと思います。

 先の市長選挙に示された民意をしっかりと受け止め、市民のみなさんと一緒になった新しい湖南市づくりを、極めて厳しい社会経済財政環境のなかではありますが、明るく強く正しい心を持って進めてまいるための決意の一端を申し述べ、所信とさせていただきます。

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