就任式訓示

更新日:2019年07月01日

平成20年11月7日

おはようございます。昨晩から今朝にかけての大雨もあがりまして、先ほどは市役所の玄関で皆さんから歓迎を受け、「さあ、仕事をしましょう」とお話しをいたしましたが、本日から二期目の市政をお預かりすることとなりました。職員の皆さんには、これまでの4年間支えていただきましたが、これからの4年間もどうかよろしくお願いします。

市長選挙については、1か月前の10月5日に無投票というかたちで当選をさせていただきました。このことは、市民の心がひとつとなり、湖南市の政治的安定と新市建設のさらなる推進に向けてまとまった証であり、私たち市政を預かるものはその民意をしっかりと受け止めなければなりません。

これまでの4年間、最初は旧両町の進め方の違いなどから、事務的な不整合も目立つとともに、町役場から市役所になったということがどういうことか、自覚することが難しかったのではないかと思います。役場時代は「しょうがない、役場はその程度や」とお目こぼしをいただいていたものも、市役所となると厳格な事務処理が求められ、なおかつ対外的な交流や注目度が飛躍的に高まったことを自覚していただけたのではないでしょうか。それをクリアするためには、組織としてのまとまりと連携、一人ひとりの責任感と努力が求められるということも、この4年間には感じていただけたことと思います。

高度で効果的な事務処理を正確に行うためには、それぞれの職員一人ひとりが、受け持った職分をしっかりと守るということが大切です。自らの責任を果たし、湖南市の建設を力強く前進させる礎となる覚悟をもって日々の仕事に取り組んでいただくことを期待します。

私は、市民の皆さんの厳格な信託を受けて、職員の皆さんの仕事ぶりに厳しい指摘を重ねてきたこともあったかと思います。しかし、この4年間を通じて見ておりますと、4年前とは比べものにならないくらい、市民の皆さんに対するサービス提供者としての姿勢や大切な税金をお預かりしている立場の理解が進んでいると感じております。これからの4年間は、職員の皆さんの自主性を重んじて市政の舵取りをしてまいりたいと考えます。

自主性を重んじるということは、全くの自由放任ということではありません。それぞれの職員がアンテナを高くし、市民の皆さんの求めているところを敏感に感じ取り、それを素早く政策化して、サービスを届けられるようにしてほしいということです。一方で、不当な要求、根拠のない嫌がらせには毅然とした態度が求められます。公務員は全体の奉仕者であるということを忘れないようにしてください。当然、対外的な責任は最高責任者である私が取ります。自主性を重んじるということが、問題の先送りを放任するということではありませんし、組織としてその成果をしっかりと求めるということでもあります。そういう意味で、市役所の主役は市長から一人ひとりの職員に移してまいりますので、その責任の重さを十分に感じ取っていただきたいと思います。

市政は、始まってまだ4年しか経っておりません。市民の皆さんの市政に対する期待は大きいものがあります。昨日も石部地域で市民の皆さんとお話をしていると、「道路がよくなった」とか「すぐに対応してくれるようになった」というような声もいただいておりますし、今年から始まった石部公民館まつりも「盛況でよかった」というお話もありました。このことは、「一利を興すは、一害を除くにしかず」という耶律楚材のことばそのものであると思います。石部南小学校、下田小学校に続く岩根小学校の耐震工事が一昨日には始まりました。これから始まる湖南三山や三雲城のろし駅伝など、地域の皆さんと一緒になった取り組みも目白押しとなっております。このさきも、例えば「男女対の吉御子、吉姫両神社でイケメン神輿とギャル神輿を出してはどうか」といったような新しい視野と発想を、職員の皆さん一人ひとりが持つことで、地域を盛り上げていただきたいと思います。

また、世界同時不況はわが国経済をも直撃しており、昨日も最大の製造業であるトヨタ自動車が1兆円の減益を明らかにしております。今後、税収が減ることは明白であり、これまで以上にコスト意識を厳格にしなければならなくなってまいりました。公立甲賀病院の移転新築では、当初160億円必要とされた建設費用を90億円に圧縮する計画で進んでおりますが、ムダを省き、発注者としての監視をしっかりすることで、そうした節約も可能となります。外部委託に出した仕事についても、担当としては厳しいチェックを入れるようにしてください。それが説明責任をしっかりするということです。また、企業誘致など市の収入確保ということにもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

一方で、国や県に対して主張すべきことは主張する。それは市民の皆さんの利益を代弁するという極めて大切な役割ですから、これまでのように国や県が言ってきたからそのまま従うということではなく、一旦咀嚼して、体に悪そうなら吐き出し、問題になる成分が含まれていないかを検査し、毒分が検出されればその検査結果を製造元に突き返すくらいの気概を職員の皆さんには持っていただきたいと思います。過日も厚生労働大臣が国民健康保険を都道府県の仕事とすべきと発言したり、昨日も内閣総理大臣が地方農政局や地方整備局廃止に言及しましたが、このことは役人の常識だけでは計り知れない激動の時代になったということです。先月には福祉医療費助成制度を滋賀県が主体となって実施すべきというスキームを提案しましたが、今までの状況を受け入れてジリ貧になるのを待つのであれば、よりよい制度提案をすることにより事態を打開することも職員の皆さんに課せられた新たな仕事であることに気づいて欲しいと思います。最近は、地域間競争ということが、例えば大阪府知事が補助金をちらつかせて学力テストの成果の公表を強制したように、“順位”と“金目”の問題に矮小化されて残念ですが、本当の地域間競争としては、職員の皆さんがどれだけ柔らかい頭を持つことができ、地域に貢献し、次の世代のことに思いをいたしながら生き生きとしたまちをつくれるかを試される時代になってまいりました。

ようは、「ド真剣に仕事をしろ」ということです。重箱の隅をつつかれないように、常に自らの仕事に真剣に向き合ってください。仕事で給料をもらっている以上はプロ意識を忘れるなということでもあります。アメリカのオバマ大統領予定者が合い言葉にしていた”Yes,we can!”と同様、皆さんにもそれはできると思っておりますので、明るく、強く、そして何より正しさをもって、期待に十分応えていただきますようお願いします。

選挙期間中には「節度あるたおやかなまちづくり」ということを示しましたが、「たおやか」とは「しなやかでやさしいさま。しとやかで優美なさま」という意味であり、「しとやか」とは「物静かで気品があるさま」、「優美」とは「気品があって美しいこと」とされております。皆さんの仕事の背景には、これまでの4年間に対する市民の皆さんの市長選挙無投票という評価が、民意として明確に示されているということを自信として、「あれもこれも」と高望みはせず、「人口減少時代」「成熟時代」における市民の生活をしっかりと守り、気高く品格あるまちづくりを進められるように、職員の皆さんには誇りを持って日々の仕事に取り組んでいただきたいと思います。

普段は5分もかからない簡潔なあいさつにしようと心がけておりますが、本日は二期目のスタートにあたって、少し長目の訓示となりました。どうかこれから4年間も市民のために、そして何より職員の皆さん自分自身のためにしっかりと仕事をしていただきますようよろしくお願いして、初登庁にあたっての訓示とします。

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