平成21年11月市議会臨時会 開会あいさつ

更新日:2019年07月01日

平成21年11月11日

おはようございます。

本日11月臨時会を招集いたしましたところ、去る10月25日に執行されました市議会議員一般選挙において、市民の皆さんの厳粛な信託を得られた20人の市議会議員の皆さんがこの議事堂にご参集いただくことができました。まずは、厳しい選挙戦を勝ち抜かれました皆様方に対しまして、衷心よりお祝いを申し上げます。

さて、4年前の臨時会でも申し上げましたが、イギリスにおいて議会制が生まれた理由は、国王が貴族に税金を課すために貴族代表を一堂に集めて議論させて、そこでの合意を持って徴税を円滑にしようとしたことと、貴族側からは勝手な徴税をされてはたまらないという既得権益を守るための砦としての必要性からであったといわれます。つまり、国王と貴族が税金について契約を改めるための手段として誕生したのが議会であるといえます。その後、エリザベス1世が議会の言論の自由を尊重したため「言論の府たる議会」が生み出され、普通選挙制度を通じて一般市民の意思が議会を通じて代表されるようになりましたが、こうした議会における出生の秘密を考えますと、議会政治の要諦は課税の是非を問う、すなわち予算議決権にあると申せます。

ところで、鳩山内閣が誕生して2か月を迎えようとしておりますが、その方向性が見えてくるまでしばらくかかるとされております。しかし、現場の行政は日一日と休むことなく動いており、生き物である経済は気息奄々としております。昨日財務省が発表したところによれば、国債や借入金などを合計した「国の借金」は、麻生内閣が策定した景気対策に伴う国債増発により9月末現在、864兆5226億円となり、国民1人当たり約678万円の借金を背負っている計算になるということです。90兆円を超える概算要求を、40兆円を下回るかもしれない税収で支えようとしている来年度予算編成に向けて、本日からは行政刷新会議による事業仕分けも始まりますが、地方自治体に対する財政上の影響が、経済冷え込みによる税収の大幅減とともに、国からの歳出削減のダブルパンチとならないように慎重に見守っていく必要があります。

一方、滋賀県においても、すでに組織的計画的な財政構造改革プログラムを策定する余力もなく、平成22年度予算における歳入不足は230億円、基金をすりつぶし、県有財産を売り払って一時的に食いつないでも、平成23年度以降毎年300億円の財源が見あたらないという危機的な状況を迎えておりまして、市に対する歳出削減も上乗せされることを危惧しております。

ひるがえって、湖南市におきましても、財政状況は「極めて厳しい」という言葉では言い表すことができないところにきております。これまでもスクラップアンドビルドに取り組んできた湖南市の財政ですが、世界金融恐慌に端を発した経済危機から来る税収の激減には耐えきれませんでした。税収は昨年度末の見通しより文字どおり急降下し、歳出とのバランスを大きく破ってしまっております。これを是正するために歳入確保をすべく、これまで遅れてきました湖南市の土地利用・都市計画を急がせ、ようやく見直しに手がかかった時期にこうした危機が訪れたことは極めて遺憾なことでありますが、市民のみなさん、議員の皆さんのお知恵やお力をお借りしながら、何とか市政運営をしてまいらなければならないと考えております。

今議会には、後ほど、9月補正でお認めをいただきました議会のインターネット中継に関する財産取得案件も上程いたしますが、こうしたツールも活用して市民の皆さんとも情報を共有しながら、4年前にも申し上げましたが、議会におきましても、今、ここだけがよければよいという刹那的部分的な考え方ではなく、あらゆる主体が複雑に絡み合う社会でのあらゆる側面への影響を勘案し、10年後、20年後の湖南市を見通した上での建設的かつ大局的な議論をお願い申し上げまして、初議会の招集に際してのごあいさつといたします。

どうかこれからよろしくお願い申し上げます。

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