令和2年12月所信表明

更新日:2020年11月30日

令和2年11月30日

 

11月7日より湖南市長に就任いたしました。よろしくお願いいたします。

谷畑前市長は長年にわたり、このまちの発展に尽くされました。頭の下がる思いであります。本当にお疲れ様でございました。

前任者から見た時に私は、行政の常識がない者かもしれませんが、皆さんのお力添えをいただき精一杯努めてまいりますので、何卒一緒に進んでいただきますようにお願いいたします。

この度の市長選挙は、私はどうしても選挙を希望しておりました。いろんな考えを候補者が述べ合ったうえで、市民の皆さんにご判断いただきたかったのですが、残念ですがそれが出来ませんでした。

選挙戦で、「湖南市良いとこ。子育てするなら、湖南市で。仕事するなら、湖南市で。老後は、湖南市で。」というスローガンを掲げました。そして取り組み課題としての12項目ですが、明らかに意図をもって提案しております。

今まで以上に子育て施策の強化として、

1.中学生以下の医療費を無料化とする。

2.妊婦検診、産後検診の金額と回数を拡充させる。

3.こども園、学童保育など幼児保育の充実、小学校、中学校の給食の無償化。

4.高齢者の健康づくりなど、地域で支える地域福祉の充実。

安心安全のまちづくりとして、

5.現在の新庁舎計画は見合わせ、西庁舎周辺整備も含め再検討する。

6.災害時に避難所となる小学校、中学校の体育館にエアコン設備を。

7.コミュニティバス等の市内の交通システムの整備。

8.平松の天然記念物ウツクシマツ自生地の再生。

そしてインフラ整備として、

9.国道1号の4車線化を早期に実現させる。

10. 新中郡橋を早期に着工し、菩提寺と石部間の人の流れを良くする。

11.菩提寺の大山池浸水害の防止対策及び河川管理。

12.天井川である落合川の河川改修を早期に実現させる。

以上の12項目です。

 

私は市役所の仕事はサービス提供事業所であると考えています。市の職員には、世間の常識に行政の常識を一致させると言いました。行政は市民の側から見た時、選ぶことができない、そして行政の側から見た時、競争相手のない恵まれたサービス提供事業所であります。それにあぐらをかくことなく、汗をかいてまいります。

市長に就任した直後から、行政の中心である市役所の維持管理について私が気になっていたことを、初登庁後すぐに担当部署に指示をいたしました。

市役所については、老朽箇所も多く、最善の維持管理をしていくのは大変であろうと思いますが、顧客である市民の皆さんが来庁され、「市役所は良くなったなあ」と言ってもらえるようにしなければなりません。

初登庁後から1ヶ月弱が経過する中で、出来たこともありますが出来ていないこともありますので、お客さん相手であるこの職場を今後、一つ一つ改善できるところは改善し、市民の皆さんからお褒めをいただけるような市役所にしていきます。

 

第二次湖南市総合計画後期基本計画ですが、この12月議会に提案する予定でありましたが、延期させてください。これは、これからの5年間の計画であります。新しく就任する市長は、行政のこと何も知らんので、レールを敷いておくので、それに乗っかればよいとのことですが、今一度私なりに理解し、皆さんに相談いたします。

今後予想されるリスクとして、7つあると考えます。

1.住民の減少と高齢化による地域コミュニティの弱体化。

2.多様な人々の社会参加が進まない場合の地域活力の減退。

3.社会資本の老朽化の進行。

4.様々な分野の人材不足による産業や医療福祉への影響。

5.気候変動による農林水産業や生態系など幅広い領域への影響。

6. 生活に必要な買い物や交通などの利便性の低下。

7. 地震などの大規模災害。

以上と考えます。

私が合点いかない点を具体的に申しますと、

1つ目は、人口ビジョン、計画人口です。湖南市の最初の計画では6万人計画でした。今は5万5千人です。男女の割合を見た時、女性のほうが約2千人少ないのです。女性の流出が多いと考えます。認めたくはないのですが明らかに衰退の局面といえます。そこを、そうしない為にどうするかなのです。この点についてももう少し分析をしたいと考えております。

2つ目は、総合計画の基本構想にある「みんなでつくる将来のまちの姿」です。湖南市を、6つのゾーンに分けてありますが果たしてそうでしょうか。湖南市になる前の甲西町、石部町の時代とどう変わったのか疑問です。自然環境、地理的な制約がありますが、その中でどう利用してきましたか。私は時間をいただき、もう少し分析いたします。湖南市の中心をどう作っていくのがいいのか、検討したいと考えております。

3つ目は、まちづくりの主体は市民でありますが、それを支える行政組織は、これからどう変わっていくのか。みなさんからいろんな要望が出てくる中で、全てはお応えできません。皆さん方に助けてもらわないと出来ません。区、自治会組織と、地域まちづくり協議会の関係が未だに理解出来ません。今、各地区を回っていって、教えてもらっていますが皆さんの言われることが一致しません。融合、統一、一本化などの言葉は出てきますがすっきりしません。皆さんも同じだと思います。制度設計の拙さを地域の皆さんの人間関係でカバーしてもらっているのが現状です。地域防災のことがありますので、ここは急いでまとめたいと考えます。

4つ目は、数値目標です。総合計画審議会や議会の各常任委員会でも説明済みでありますが、改めて私の方でも十分確認をしたいと考えております。湖南市の最上位計画ですので血の通ったものにしたいのです。

 

次に、新庁舎問題です。建築時から言いますと東庁舎よりも西庁舎のほうが先だと考えます。

これからの人口減少社会の中でのまちづくり計画であり、コロナ禍後の新しい生活様式に合った、市役所に出来るだけ来なくてよい、出前サービスも含めて、生活の場に近いところで、スリム化した行政サービスの提供所としての市行政組織とは、どんなものかということであります。勿論、市の財政状況、懐具合を考えての話であります。

現在の東庁舎の耐震診断のことですが、耐震診断を実施したところ、公共施設における耐震基準となるIS値0.75を下回る0.52でありました。当時、2階3階の植え込みを除去して、屋根のドームが重いので軽く変えてみて、また上にある書庫の中を空にしてみたらどうかという案も示されたようです。また、耐震補強を行った場合は、0.75をクリアすることも可能との結果が出ております。そのための費用として、2億円程度が見込まれておりました。これについては早急に精査いたします。

新庁舎建設計画は、「中止」、「白紙撤回」、「延期」、「見合す」、「立ち止まって考える」のいずれも正解と言えます。つまり、当面は議会に提案いたしません。今まで新庁舎建設ありきで進んできましたが、私はそれに与しません。今の東庁舎の、この建物に私は愛着が有りますので、今しばらくお許しください。それまでに、しなければならないこと、優先順位から考えたら、先ずは急ぐことをします。

 

また、湖南市の防災マップについてですが、今ある防災マップは概ね100年に1回程度起こる大雨で野洲川流域の1日間総雨量350ミリを想定した外水氾濫と滋賀県全域に1日間総雨量529ミリを想定した内水氾濫による浸水の範囲とその深さを示しています。現在、野洲川上流・杣川想定最大規模で1日間総雨量663ミリを想定した氾濫と地先の安全度マップで200年に一度の1日間総雨量634ミリを想定した氾濫で防災マップの改正を進めていますが、今の私にはこの想定がイメージできないので今一度確認し、検討した上で、市民の安心と安全をしっかりと守れるような防災マップを作成し、配布したいと思います。

コロナ禍でこれからも数年間は税収が減り、市の財政運営が厳しい状況が続くことが見込まれます。苦しい台所状況をご理解いただきたいのです。

結びに、議員の皆様におかれましては、今後も市政運営への格別のご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げ、市長就任にあたりましての所信とさせていただきます。