令和5年9月湖南市議会定例会開会あいさつ

令和5年9月1日

令和5年9月議会定例会の招集にあたりまして、一言ごあいさつを申し上げます。議員のみなさまには、市政の運営にご理解とご協力をいただいておりますことにお礼申し上げます。

8月5日に開催されました湖南市の夏まつりには大勢のみなさんにお越しいただき、見ごたえのある花火を約38,000人の方に楽しんでいただけたと伺っております。このように大勢の方にお集まりいただけた夏まつりが無事に終えられたのは関係者の皆様のおかげでございます。ありがとうございました。

また、8月15日から16日にかけて大型の台風第7号が滋賀県に接近したことで、28時間におよぶ災害警戒本部体制をとってまいりましたが、市内では大きな被害がなかったことに胸をなでおろしております。この時自治会等において自主避難所を立ち上げていただき住民に身近な所で防災に取り組んでいただきました地域のみなさん、警戒のために従事された関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。

さて、7月から8月にかけて小規模多機能自治をテーマに市内4会場でタウンミーティングを実施いたしました。タウンミーティングの概要については8月17日の小規模多機能自治検討特別委員会でご説明をさせていただいた通りでございます。タウンミーティングではいろいろなご意見を伺う中で、前の町政の方がよかったというご意見もありましたので、私なりに合併後19年を振り返ってみました。

当時を振り返りますと「国庫補助の削減と見直し」「税財源移譲」「地方税の一体的な見直し」のいわゆる三位一体の改革が推し進められる一方で、合併特例債により合併した自治体への手厚い支援が行われ、国はアメとムチを振りかざし合併の決断を迫りました。地方交付税等国に頼ったまちづくりをしていた地方自治体は今までどおりにまちの運営をしていくことができなくなることとなり、言わば、喉元に刃物を突き付けられるかのように合併の決断を余儀なくされました。この結果、広大な甲賀郡7町での合併は避けて、規模はコンパクトではありますが生活圏域の近い2町が合併することで、両町がもつ特徴を生かし、まちづくりに挑むこととなりました。ではそもそもこの合併の目的とは、何であったのかと改めて考えた時に、1つは財政規模を大きくすることで地域全体の発展に資する基盤の整備や行政サービスを広域的に展開することができることにありました。そしてもう一つ大きな目的は、行政コストを下げ、財政運営の効率化を図っていくことにあったと考えておりす。二つあるものを一つにする。両町に1人ずついた首長や教育長等特別職は合併後当然1人になりました。また職員についても段階的に整理を行ってまいりました。平成16年10月時点の市の職員は約500人おりましたが、現在は450人あまりとなり、歳出を抑制するために手を尽くしてきました。このように効率的な財政運営に努める一方で、JR3駅の改修や周辺整備、小学校、中学校のエアコンの整備や耐震工事や建て替え、子どもの医療費の無料化、中学校の給食費の無料化、ハード事業からソフト事業まで取り組むことが難しいと思われたことも力を合わせてやってきたものと思っております。

苦しいこともありますが、過去を振り返っているばかりはではいられません。タウンミーティングにおいてこれからの市の展望にマイナスのイメージを抱かれた方もおられましたが「HOPE TO THE FUTURE」将来このまちで活躍される市民のみなさまのために、私たちはしっかりと将来を見据えた市政運営に努めていく覚悟でございます。

私の最近の思いを少しお聞きいただきたいのですが、世の中は行政や法律の世界が全て正しいわけではなく、行政や法律が全て解決できるわけでもありません。長い人の歴史の中で、その時代を生きる人たちの人生、生活感、習慣、情による世界観は私たちが想像する以上に奥が深く、人それぞれに経験と感情があるので杓子定規に全ての人に当てはまらないことも多くあります。しかし行政はその部分も感じ取りながら問題解決に努めていく必要があります。人は感情を持った動物であり、受けた恩義や恨みは、決して忘れることはないと私は感じております。人が生きていく中で、決して法律が全てではありません。また最上位に法律がある訳でもないと思っております。人はもっと奥深いところで生きております。それがすべて法律で解決できるとは思いません。直面する問題が解決できなかったとしても、収めていかなければなりません。このようなことをしみじみと感じているものでございます。私自身も一人の人間でございますので、法律等定められたことの大切さは十分に認識しておりますが、人の内面にあるそれ以上に大切なことも肝に銘じて取り組んでいく所存でございます。

6月の定例会開会後から本日までの行政報告については別添にてご報告とさせていただきます。

本9月議会定例会は、条例の改正や令和5年度補正予算、令和4年度決算、人事案件などをご提案してまいります。慎重にご審議をいただきますようお願いを申し上げまして、招集にあたりましてのごあいさつといたします。