令和6年12月所信表明
この度、第3代湖南市長に就任いたしました松浦加代子でございます。
令和6年12月湖南市議会定例会の貴重なお時間をいただき、今後の市政推進について私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
市民の皆様の温かく力強いご支援をいただき、市政運営の重責を担わせていただくこととなりました。私を支持していただいた皆様。そして、他候補者に投じられた皆様の票。どの票の重みも全身で感じながら、湖南市民5万4千人の代表として、「湖南市を良くしたい」という思いを胸に、本市の発展のため未来のために全身全霊で取り組む覚悟です。
また、谷畑元市長・生田前市長と、20年に渡り、このまちの発展にご尽力されましたことは、先に開催された湖南市市制施行20周年記念式典で、市民の皆様に感じ取っていただいたとおりです。そのご功績に心から敬意を表し、続く者として、精一杯努めてまいる所存です。
10月に行われた、12年ぶりとなる市長選挙で、私は、「市民笑顔率世界一!」をキャッチフレーズに掲げました。選挙期間中、このキャッチフレーズに、心から湧き上がる期待感を語ってくださる市民さんと数多くお出会いできました。また、選挙運動の方針として「若者が選挙に関心を持ってほしい。そのことが具現化できるしかけをしよう」と取り組みました。7日間の選挙運動期間中、市民の皆様に、湖南市の明るい未来を一緒に考え、取り組んでいただけるようなメッセージを届けることに努めました。
活かします!つなぎます!湖南市を良くしたいみんなの思い
加えます!25年の教員経験・湖南市役所勤務約13年半の経験
創ります!笑顔!くすっと笑える空気感!
現在、世界では、2030年を目標年とした持続可能な社会を創るための取り組みであるSDGs思考の社会活動が世界各国各所で最盛を迎えています。また、国内では、少子高齢化、人口減少、IT化などといった新たな潮流に大きく移り変わっています。こうした社会変化の影響は、決して大都市圏や消滅の可能性があるとされた都市だけの話ではありません。今後も少子化が進むと予測されていることから、負担はますます増大していくこととなります。これは市の財政面から見ても極めて危機的なことです。要するに市民の皆様が働いて得た所得などから税として納めていただいている収入は減っていく一方で、支えるために必要な扶助費などはどんどん増加していくこととなりますので、財政収支のバランスが保てなくなることが容易に予想されます。こうした状況下に陥ることを防ぐべく国が普通交付税として不足する財源を補っていただく仕組みとなっていますが、身の丈に合わない過大な投資や多額の起債に依存した投資を続けた結果、公債費負担が膨れ上がり健全な財政運営が立ち行かなくなる事態に陥ることにもなりかねませんので十分に注意を払いながら慎重に運営する必要があります。
このような厳しい状況にあっても、教育長として得た行政経験と、教員としての教育愛、教育現場で体得した知見を活かして、私が生まれ育てていただいた湖南市へ恩返しをしたいと考えました。
そのためには、市民の皆様はもとより市内事業所や学校へ通勤通学される皆様や友人知人、ご親戚の方、生業の取引先の皆様など、わがまちと関係する全ての方々と協働し、湖南市のみらいづくりにチャレンジしたいと考えております。
湖南市には、次のような魅力・強みがあります。
なんといっても自然にあふれているまちです。
実は歴史や文化、伝統のまちなのです。
外国人もたくさん暮らしている多文化共生のまちです。
湖南工業団地をはじめとする工業のまちです。
社会福祉の父「糸賀一雄氏」ゆかりのまちです。
JRの駅が3駅もある公共交通に優れたまちです。
SDGs未来都市や脱炭素先行地域に選定されたまちです。
これらの資源と強みを活かして「市民笑顔率世界一!」の実現に向けて3つのビジョンと12のゴールをお示しします。
ビジョン1 心でつながる ずっとここで暮らしたいまち 湖南市
ゴール1 子育てを楽しめるまち
具体の一つとして甲西図書館のリニューアル、全天候型の遊び場の創出、働き方改革による保育負担の軽減を図るための事業所への働きかけ、延長保育や病児保育の充実を図ります。
ゴール2 発達支援システムが充実しているまち
乳幼児期から就労まで、たて よこ ななめにすき間なく をモットーに教育・福祉・保健・医療・就労の関係各課や関係機関、学校が力を合わせて、子ども、大人・家族を支える、また、学校においても支援の方向性についてアドバイスができる仕組み。このシステムを持続可能なものにするには、システムを支える人財の育成・人的配置の充実に取り組みます。
ゴール3 市教育方針を教育にかかわる者が共に練り上げているまち
市教育方針は総合教育会議で承認をします。その方針に沿って教育の充実を図ります。
ゴール4 高齢者を支える輪が広がっているまち
誰もが健康で若々しく活き活きとした楽しむ人生を送れる健康長寿のまちをめざします。地域包括ケアシステムの充実など地域の隅々まで行き届いた「求められるケア」を推進し誰もが住んで良かったと思えるまちをつくります。また生活支援コーディネーター(地域ささえあい推進員)の配置は地域住民の参画も呼び起こしており、ますますの充実と周知を図ることで、誰もが自分らしく暮らし続けられるまちの実現に取り組みます。
ビジョン2 持続可能な 稼げるまち 湖南市
ゴール5 3つも駅があるまち 観光のまち 交流のまち
総合計画に掲げられている3駅を基軸としたまちづくりを推進します。その一つの方策としてはJR甲西駅の行き違い整備要望を精力的に行い少しでも利便性の高いダイヤ編成となることをめざします。また、過年度から駅周辺整備を進めており、合わせて駅前を中心にまちが活気づくなどのメリットを還元する必要があると考えています。
ゴール6 企業が進出したくなるまち 異業種間交流ができるまち
湖南市は関西圏や中京圏に約1時間余りという東西交通の要衝であり、また、これまで比較的大きな災害を経験していない地域であり、自然災害の猛威などを受けにくいという地理的特性があると考えます。こうした特性を活かした企業誘致により、さらなる地域経済の活性化を図ります。また、既に立地いただいている企業間の連携を図りサプライチェーンを構築し地域内における経済循環構造が創出されるような協議の場づくりなどを積極的に創出します。さらには、企業間のみならず、異業種間(企業、商店など)の連携により低未利用土地などの地域に潜むポテンシャルのある資源を活用した新たな事業スキームが生まれるような交流会などの取り組みも推進します。こうした湖南市産業と、天然記念物平松のウツクシマツ自生地や石部宿、湖南三山をはじめとする文化財や伝統産業、伝統行事、特産品などがコラボレーションして企業をはじめとする産業体験なども織り交ぜた観光ツアーの実施や名物となる新たなお土産(湖南市ブランド)を創出するなど観光事業にも注力し交流人口の増加をめざします。
ゴール7 SDGs未来都市に選定されたまち
内閣府のSDGs未来都市や環境省の脱炭素先行地域に選定されたまちとして、それにふさわしい地球環境にやさしい先進性のある政策を展開し、環境にやさしいまちをめざします。この取組は、市も出資している「こなんウルトラパワー株式会社(自治体地域新電力会社)」が核となっていますが、全国的に極めて珍しく先進性のある取組ですので、さらに強化し市民の皆様へ還元できるような仕組みづくりを行っていきます。
ゴール8 公共交通・都市計画・インフラ整備に20年後の視野を持つまち
小規模多機能自治や防災に強いまちづくりを推進するためにもインフラ整備(道路、河川、上下水道、用途地域など)の方向性を20年後の視野を持ち、再検証し、総合計画や都市計画に反映し実現していきます。 まずは国道1号の4車線化実現です。4車線化の実現に向けては、単なる渋滞の解消を訴えるのではなく、湖南中央消防署の移転や国道1号を中心とした周辺環境も含めた「まちづくり構想」を国や県に示し、粘り強く訴えることで実現をめざします。また、コミュニティバスについては、通勤・通学に主軸をおきつつ、また生活圏内における移動は、地域まちづくり協議会で進められている好事例を押し上げ、さらに民間事業所による送迎についても注力いただく、といったように、まちぐるみで取り組む必要があると考えています。
ビジョン3 市民とつくるまち 湖南市
ゴール9 多様な人 だれもが参画できるまち
市民全員で取り組むまちづくりを進めるため、市民人財(若者、アクティブシニア、障がいのある方、外国籍の人、文化やスポーツの関係者、研究者、クリエイター、起業人など)のフル活用を行います。多くの市民人財に積極的に協働・参画いただくために、市民人財登録制度を創設します。
ゴール10 東庁舎/西庁舎周辺整備事業を市民とともに進めるまち
東庁舎については、現在策定中の湖南市庁舎整備基本計画に基づいて、早急に生の声を聴く機会を持ちます。タウンミーティングにほぼお越しいただけていない、20歳代から40歳代の方を集めてお聴きします。そのうえで、3月議会に市長としての考えをお諮りしたいと考えています。
まずは、東庁舎周辺整備事業に取り組み、その後、西庁舎周辺整備事業について市民の声をお聞きします。まずは、東庁舎、その後、西庁舎を東庁舎に集約。そして、4つの小規模多機能自治センターを置きますが、共通する基本となる機能のうえに地域住民が求められることは、それぞれに聴く必要があります。石部文化総合センターについてはしっかりとお聴きしたいと考えます。その時間はたっぷりあります。
ゴール11 防災減災を市民とともに進める災害に強いまち
社会資本(上下水道、橋りょう、庁舎をはじめとする公共施設など)の耐震化による防災力向上はもちろんのこと、小規模多機能自治構想の基本軸の一つにある地域住民のコミュニティ力(自助、共助)の強化による地域防災力の向上をめざします。その方策として最も身近な「向こう三軒両隣」のコミュニケーション力の強化をはじめ、自治会・行政区で形成する「ふるさと防災チーム」の充実、小規模多機能自治区域(中学校区)単位での広域防災手法の新たな創出、「消防団」や「防災士連絡協議会」による専門部隊の体形化、「消防署」や「災害対策本部」、「地区連絡所」といった行政機能との連携強化などを図り市民全体で防災減災を実現できるよう推進します。
ゴール12 市役所職員が3K(機動力・根拠・心)でもって働くまち
湖南市役所の市役所職員が笑顔でいること。まずここからです。笑顔を生み出す根源は、「ほめて 認めて 励まして」市役所内の空気感を温かなものにすること。ここから、職員がのびやかに自己の資質能力を十分に発揮することができます。そのことにより、機動力をもって、根拠を確かめ、心、温かな心で市民とともにある市役所となっていきます。すべてをトップダウンで行うのではなく、職員一人ひとりがいきいきと提案し、実現に向けて取り組めるそんな環境をつくっていきます。私が特に力を入れたいことは、ここです。ここから始めます。
結びに、議員の皆様におかれましては、今後も市政運営への格別のご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げ、市長就任にあたりましての所信とさせていただきます
更新日:2024年12月04日