知ってください!!高齢者虐待のこと

更新日:2019年07月01日

 急速に進む高齢化のなかで、介護と並んで虐待が深刻な問題となっています。高齢者虐待は徐々に高齢者の尊厳を踏みにじり、最後には命にまでも関わる重大な権利侵害です。
 高齢者虐待を防ぐために、地域や家庭で一緒に考え、声かけや見守りなど気軽にできることから始めましょう。

こんなことが高齢者虐待といわれています

身体的虐待

 暴力行為などで身体に傷やあざ、痛みを与えるような行為。または外部と接触させないような行為

(例)たたく、つねる、殴る、ける、薬を過剰に与える、必要な医療を受けさせない

心理的虐待

 高圧的な言葉や態度、無視や嫌がらせによって苦痛を与えるような行為

(例)子ども扱いする、どなる、ののしる、無視する

経済的虐待

 財産や金銭の無断使用や、本人が望む金銭の使用を理由なく制限するような行為

(例)本人の貯金、不動産などを本人の意思や利益に反して使う

性的虐待

 本人の意思もなく性的な行為を行ったり、強要したりするような行為

(例)罰として下半身を裸にして放置する、性的行為の強要

介護や世話の放棄・放任

 介護や生活の世話を行っている家族が介護と世話を放棄するような行為

(例)髪が伸び放題、衣服や身体が汚れている、水分や食事を与えない、本人の居室の温度調整を十分にしない

 虐待と聞くと、たたく、けるなどの暴力的な行為を想像しがちですが、それだけではありません。子どもに対するように接する、本人の年金を無断で使う、必要な介護や福祉サービスを理由なく制限したり使わせないなどの行為も含まれます。
 トイレに行く回数を減らすために水分を控えさせる、外出すると危ないと思い玄関に鍵をかけるなど、一見すると本人のためを思った行為でも、本人の自由や快適に暮らす権利を侵害している場合があります。
 このような虐待行為はあくまで例であって、上記以外の行為だから虐待ではないと定義するものではありません。高齢者虐待は言葉で理解するよりも、高齢者本人の立場になって「どう感じるか。権利を奪っていないか」を考えてみるとその行為が虐待につながっているのかどうかがよく分かります。
 また、高齢者虐待は虐待されている本人や虐待をしている人も「虐待」と認識していないことが特徴だといわれています。言い換えれば、気付かないうちに虐待をしてしまっている可能性が誰にでもあるということなのです。

なぜ虐待が起こるの

 なぜ気付かないうちに虐待につながる行為をしてしまうのでしょう。老いていくということは、若いころと比べて身体の動きも緩慢になり、普段の生活のなかでも他者の助けを必要とする場面がでてきます。今までできていたことに他者の助けを借りるということは、なんでもできたころと比較してしまい、本人にはもちろん、助ける人にも戸惑いやいらだちが生じます。そういった戸惑いがストレスとなって心のバランスを失い、気付かないうちに互いに傷つけあう態度をとってしまい、虐待につながる場合があります。
 また、適切な介護方法や制度の利用の仕方を知らずに、不適切な対応をしてしまう場合や、逆に介護を熱心にするあまり、いつのまにか介護者のペースになってしまい高齢者を傷つけている場合なども考えられます。

虐待防止のためにできること

 虐待を防ぐためには、疲れや戸惑い、いらだちを感じている心にそっと風穴を開けてあげることが第一歩です。
 日々の生活に疲れやいらだちを感じている高齢者やその家族に気付いたときは、声をかけてあげてください。そして、何か助けを求めていたら相談窓口につなげてください。周りからの通報が、虐待を受ける高齢者や虐待をしている人を救う鍵となります。
 平成17年4月から相談窓口を設けています。どんな小さなことでもひとりで悩まず、気軽に相談してください。

この記事に関するお問い合わせ先

健康福祉部 地域包括ケア推進局 高齢福祉課 地域包括支援係

電話番号:0748-71-4652

ファックス:0748-72-1481

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