平成23年4月5日定例記者会見

更新日:2019年07月01日

このページは、市長定例記者会見の内容を秘書広報課でまとめたものです。

市長会見事項 要旨

(1)鳥取県北栄町との友好交流事業について

趣旨・目的

 相互に実のある持続的な交流により、互いの強みを生かしながらそれぞれの地域の活性化につながるような取り組みをめざして、鳥取県北栄町との交流を行っているが、このたび、友好交流提携や災害時相互応援協定を結んでいく方向で基本的な合意が得られた。

資料提供

(1)湖南市立菩提寺北小学校の学校キャラクターの決定について

趣旨・目的

 学校支援本部事業の「あすなろ応援団活動」において、子どもにも地域にも愛されるイメージキャラクターを公募し学校キャラクターとして決定した。

イメージキャラクターあすなろちゃんのイラスト

最優秀賞 あすなろちゃん

紙粘土で作成したあすなろちゃんの写真

紙粘土で立体化したあすなろちゃん

添付資料

発表内容

司会

これから平成23年4月度の定例記者会見を始めさせていただきます。それでは市長よろしくお願いします。

市長

 まず、東北、関東をはじめとした震災、津波、原発事故の被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。いまだに政府機能が十分に動かないなか、被災地との連絡がとれずに隔靴掻痒の感を強くしております。こうした破壊的な災害の場合は、都道府県単位でものごとを整理してもらわなければ、遠隔地からの支援は難しいところですが、本県においてはこれまでのところ、そうした連携体制が組まれていないのではないかと心配をしております。

 しかし、そうした危機管理の不備や自治体間関係の問題もさることながら、今回の震災で最も憂慮すべき事態のひとつとして、人権教育の効果いかにということが問われなければならないのではないかと思っております。

 東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故に関しては、いかに想定外のマグニチュード9の地震や10メートルを越える津波があったとはいえ、東京電力の隠蔽体質や内閣の初動判断の遅れなど人為的な作用が重なった複合人災であったという事実は隠しとおすことはできません。わが国の歴史上まれに見る犯罪的行為であったと言えようと思います。

 そうした史上最悪の事故により、放射性物質の飛散が被災地を襲っています。地震、津波の二重被害を受けた被災者が、原発30キロメートル圏内から追い出され、厳しい避難地生活を余儀なくされているのは、とても心が痛むところです。

 ところが、そうした三重被災者に対して投げかけられるのは、心ない「原発の現地からの避難者」というレッテルです。「福島県」というだけで差別的な視線が投げかけられ、福島県との県境から内に足を踏み入れることを潔しとせず、福島県の産品はすべて汚染されているかのような風評が公然と流されていることを見聞きして、唖然というよりは呆然としています。

 これまで、人権教育と銘打って行ってきた啓発活動はいったい何だったのか。福島県という、ただそれだけで差別をするのであれば、これは明らかな土地差別ではないのか。風評だけで忌避意識を持っているということは、これまで行われてきた人権教育の成果はあったのか、逆の意味で憤りさえ感じております。

 本当に苦しんでおられるかたがたの心を思い、寄り添い、痛みを分かち合うことが、今の日本には欠けていることがわかりました。かたちだけ対応していれば批判されない、責任を問われない、仲間はずれにされない。ステレオタイプの批判にステレオタイプの反省。そうした表面的な無責任主義がはびこっただけではなかったのか。戦後の人権教育のあり方は、今後、根本から問い直されなければならないと思っています。今回の震災で、民間ばかりか公務職場においても福島県全体に対する土地差別、忌避意識が広く見られたことで、これまでの人権啓発や人権教育のやり方を根本から見直さないといけないということがわかりました。

 さて、震災発生以来の本市の対応といたしましては、すでにホームページでお知らせしておりますが、甲賀広域消防からの緊急消防援助隊と公立甲賀病院からのDMAT(災害派遣医療チーム)の派遣と並行し、圧送ポンプ積載の2トン給水車を被災地に派遣し、仙台市ならびに岩手県大船渡市で給水活動を展開しました。5チームまで予定をしていましたが、現地本部からもうよいということで、結果的に4チーム16人の派遣となりました。また、避難者の受け入れのために市営住宅の準備をして受け入れるとともに、民間住宅での受け入れの申し出を何件も受けております。義援金と支援物資の受け入れもしておりまして、今後の対応についても全国市長会などを通じて依頼が来ております。

 この間、県の動きが不十分であり、国や県を飛び越して、現場の市町村間での直接やりとりによる救援活動が主流となっています。

 そこで、今月の会見事項ですが、鳥取県北栄町との友好交流事業についてです。

 やはり、大災害が生じた場合には、先ほど申しましたように、県が機能しないことがわかり、市町村レベルでの相互支援が有効であることを改めて実感させていただきましたので、先月末に鳥取県北栄町を訪れ、災害時相互応援協定を締結することで基本的な合意をしてまいりました。北栄町は、『名探偵コナン』の作者である青山剛昌氏の出身地で、名探偵コナンでまちおこしをしておりますので、こなんつながりで昨年から交流を重ねてきたところです。

 先月27、28の両日、北栄町役場を訪問させていただき、松本昭夫町長と今後の交流について意見を交わしてまいりました。まずは先ほど申しましたように、災害時相互応援協定を結びますとともに友好交流提携を行い、観光振興をはじめ、湖南市にとっては北栄町の先進的な農業、環境政策を、北栄町にとっては湖南市の産業、障がい者福祉政策について、それぞれお互いに足りないところを学びあい、補いあいながら、互いの強みを生かして地域活性化につなげ、末永く付き合っていこうと合意をしたところです。北栄町では、すでに町の総合計画に本市との交流を掲げていただいておりますので、今後早いうちに友好交流提携と災害時相互応援協定を結んでいければよいというように考えております。

 資料提供として、菩提寺北小学校のキャラクター「あすなろちゃん」ができたということがございますが、その他に、現在進めております「アール・ブリュットのあるまちづくり事業」に関して、民間企業では西村建設株式会社が第1号として会社のほうでアール・ブリュット作品を飾っていただいておりますので、ご報告いたします。

司会

それでは、会見事項について担当者から説明いたします。

企画・まちづくり課長

 お手元の資料に基づき、鳥取県北栄町との友好交流事業について説明させていただきます。 国内交流事業について、基本的な考え方のところですが、従来の交流ということで、湖南市は北海道比布町と以前から交流しております。従来の交流とバランスをとりながら新しい交流を進め、相互に実りのある持続的な交流を目指し、互いの強みを生かし、補間しあいながらそれぞれの地域の活性化につながるような取り組みをおこなうということであります。経過については、今年の1月に町長一行を受入れトップ同士の会談が実現したことを受けて、3月末に訪問させていただき災害時相互応援協定を含め、友好交流提携について両市町間で基本的な合意ができたという報告であります。近いうちに提携に結びつけられるようにお互いにスケジュールを組み、次回5月の下旬頃に北栄町のほうから訪問団が来られ具体的な協議をおこなう予定であります。

 現時点での交流案ですが、あくまで案ですので今後協議が必要ではありますが、お互いの長所を学び合うということで、両市町の資源がそれぞれにありますので、まちおこしに活かすということです。それぞれにイベント行事がありますので、まずは相互参加をおこない交流を進めたいと考えます。湖南市の行事においては、4月のさくらまつりは中止しておりますがその他これらの行事の中で交流をおこない見つけていきたいと考えております。また地域ブランドの研究、特産物の物産交流展、市民の相互交流など事務レベルベースで交流案を出したいと考えております。

 今後の方向性ですが、東日本大震災のこともあり、以前から調整していたのですが災害時の相互応援協定を結ぶことによりお互いに有益な交流が可能となるではないかと考えております。

 裏面のページにはこれまでの交流経過について書いておりまして、平成21年に滋賀大学において、湖南市の職員も出ております「湖南市の未来を考えるシンポジウム」において「コナンのまちプロジェクト」について、滋賀大学「学び直し塾」研究グループから湖南市をさらに元気にする提案として鳥取県北栄町と交流してはどうかという提案がありました。その後ここに書いておりますような経過をふまえて先月末を北栄町に訪問したところであります。

 北栄町はホームページからの資料でありますが、町の概要、プロフィールを添付しております。北栄町は平成17年10月に旧北条町と旧大栄町が合併した町で北条町の「北」と大栄町の「栄」を取って新しい町の名前とされました。日本海に面しており砂丘地帯があります。これは鳥取砂丘よりも大きい砂丘であり黒ぼく畑が広がる地形で合併後の面積は57.15平方キロメートルで東西は約12.5キロメートル、南北9.5キロメートルで人口は平成17年で16,875人であり、最新の人口は16,097人となっております。鳥取県内でも有数の農業の町であり砂丘地帯では長いも、ラッキョウ、特に全国ブランドの大栄スイカは100年の歴史があり北海道からも視察があるほどの農業の町であります。また名探偵コナンの原作者である青山剛昌さんが由良宿出身であり、全国ブランドを活かした「コナンの里」作りを展開されており、こなんつながりで友好交流を進めたいと考えております。また、環境面においては、9基の風車があり環境にやさしい町として、特に昨年度、環境部門において大臣賞など3つの賞を取得されています。

 次のページには先日訪問したときの記事として日本海新聞に取り上げていただいた記事を添付しました。それと北栄町の観光パンフレットを参考に添付しました。以上でございます。

司会

本日の提案事項は以上ですが何か質問はありますか。

記者

災害時の相互応援協定は今後結ばれるということですが、具体的にはどのような形になりそうですか。

企画・まちづくり課長

今後、調整が必要ですが災害時における物的支援、人的支援などそういったことを盛り込んでいきたいと考えています。

記者

北海道の比布町とはいつ提携されましたか。

企画・まちづくり課長

合併したときに改めて提携しており平成16年12月です。それ以前については調べますので少しお待ちください。

記者

比布町とは災害協定はされているのか。

企画・まちづくり課長

現在は災害協定は締結しておりません。

記者

比布町とは具体的にどのような取り組みをされているのか。学んで活かしている例はありますか。

企画・まちづくり課長

下田夏まつりを通じて、物産品の交流などおこなっています。

市長

比布町は明治の初めに本市の下田地域から開拓団として入植したという歴史があり、比布町は3県からの入植があり、比布町の100周年を記念にそれぞれのルーツとなる町をお迎えいただき記念式典をおこなった経緯があります。その後、友好交流を締結し交流が続いています。その当時はお互いに学び合うということではなく、ルーツとなっている湖南市と縁をつなげていこうとありました。

記者

北栄町から先進的な農業や観光について学ぶということですが、具体的にはどのような形になるのか。また先進的な農業とはどのようなものなのか。

企画・まちづくり課長

具体的な形については今後検討する部分であります。北栄町の先進的な農業はブランドのスイカが100年の歴史があり、ブドウなど特産物が非常に多いというのが特徴です。湖南市の場合、水田農業が主流ですが、北栄町は野菜やスイカの二毛作、三毛作がおこなわれています。農家戸数は1,596戸あります。専業農家も多いようです。

市長

農産物の価格は市場が買いたたいている状況にあるようですが北栄町では農業生産物の質を高め市場に提供し出荷時期などをコントロールすることでブランドを維持しておられます。また農作物以外に最近では花卉栽培に取り組んでおられます。本市においてはほとんどが水田農業で第二次兼業農家がほとんどであり、農業以外の収入がほとんどを占めるという状態とは違いますので参考にすべき点は多いと思います。

企画・まちづくり課長

先ほどの補足説明ですが、比布町との交流につきましては、平成11年3月がスタートでありました。平成16年の調印は合併した湖南市として改めておこなったということです。

記者

姉妹都市提携とは違う意味なのでしょうか。

企画・まちづくり課長

基本的には同じです。

記者

今のところ提携されているのは比布町だけですか。

企画・まちづくり課長

そうです。環境面で補足ですが、北栄町には風力発電所が9基ありそれに伴うソフト面の取り組みもおこなわれて、環境省主催の「ストップ温暖化『一村一品』大作戦」全国大会2010において最優秀賞を受賞されています。環境家計簿などのいろいろな事業の総合的な取り組みで受賞されたと聞いています。

記者

協定の締結の目処は5月くらいですか。

企画・まちづくり課長

交流を繰り返して以後ですのでまだ先と思われます。

記者

環境面で滋賀県の目標としては50パーセント削減という目標がありますがそれとの関連はあるのですか。

市長

50パーセント削減目標というのはあくまで滋賀県の目標です。北栄町は9基の風力発電で、町内の使用電力以上の電力を発電されておられて、余剰電力を中国電力に売電されています。

記者

湖南市もおいても風力発電を考えておられますか。

市長

風力発電は地形的に湖南市では難しいと思われます。湖南市も石油エネルギーに頼らないそれらに替わるものを考えるのに北栄町の取り組みが参考になると考えています。

記者

資料提供の「あすなろちゃん」について説明してください。

教育長

菩提寺北小学校には3年前から学校応援団の組織があり、そこで学校キャラクターを募集され、またあすなろについてはこの学校が創立したときに玄関にあすなろの木が2本あったことに由来するもので、募集の中から優秀賞を決めたというもので今年度からこのキャラクターを使用する予定です。

記者

学校単位でこのようなキャラクターを作られることはめずらしいことなのでしょうか。

教育長

めずらしいことと思われます。湖南市では初めてです。

記者

どんなところで使用されるのですか。

教育長

地域の方々が学校に来ていろいろな援助をしていただいており、クラブ活動あるいは登下校の見守りなどの支援をいただいたいます。その方々のシンボルとしてマークを付けていあただくというが考えられます。

記者

今回の震災関係で市営住宅に入居されている方はどれくらいですか。

危機管理室長

募集は6戸でその内で入居されているのが3戸7名です。

記者

その方々はどちらから来られたのですか。

危機管理室長

すべて福島県の方です。

記者

いつから入居されているのですか。

危機管理室長

3月22日に1世帯2名、3月28日に1世帯3名、3月31日に1世帯2名が入居されてきました。

教育長

学校にも福島県や関東方面から転入してきた生徒も2名います。

記者

民間住宅も募集があるんですか。

危機管理室長

アパートやマンション、個人の住宅も提供するとおっしゃっていただいてる方もおられます。またビジネスホテルについても改装計画があり、その間は提供するという申し出もいただいています。

市長

滋賀県庁にはこのような情報提供はおこなっていますが現在のところ県庁からの応答は無い状態です。

記者

何世帯くらい入居できる数ですか。

危機管理室長

市営住宅も含めて約500名ぐらいは入居できると思われます。

記者

アール・ブリュットについて教えてください。甲賀市内のどこかがおこなっていたと聞いていたのですが。

市長

民間企業としては湖南市内の西村建設さんが第1号です。

司会

よろしいでしょうか。次回の定例記者会見については5月6日(金曜日)午前11時からこの会場でさせていただきます。それでは記者会見を閉じさせていただきます。ありがとうございました。

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総合政策部 秘書広報課 秘書係

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