平成23年5月6日定例記者会見

更新日:2019年07月01日

このページは、市長定例記者会見の内容を秘書広報課でまとめたものです。

市長会見事項 要旨

(1)東日本大震災被災自治体への職員派遣について

趣旨・目的

 湖南市では、東日本大震災発生直後に給水応援として岩手県大船渡市などに職員を派遣し、また先日、市内で集められた支援物資を岩手県釜石市に搬送しました。全国市長会や被災自治体などからの職員の派遣要請を受けて、湖南市の職員を再び被災自治体に派遣することとしました。

資料提供

(1)「地域まちづくりフォーラム開催」について

趣旨・目的

協働のまちづくりをすすめるため、市内の地域まちづくり協議会の活動報告と基調講演を開催します。

日時

平成23年6月11日(土曜日) 午前9時30分から

場所

湖南市甲西文化ホール

(2)「湖南市まちづくり市民活動補助金提案募集」について

趣旨・目的

さまざまな分野における市民の自発的な活動を促進するために、補助金を交付し、市民活動を支援します。

添付資料

発表内容

司会

 これから平成23年5月度の定例記者会見を始めさせていただきます。それでは市長よろしくお願いします。

市長

 昨日まで福島県に行っておりました。行っていたと申しましても、公務ではなく、観光に行ってまいりました。テレビで福島県における原子力発電所事故の風評被害がひどいという現状を観まして、家内と意見が一致して、ゴールデンウィークは福島県に観光に行こうと2日の夜中に即決し、昨日までの2泊3日で観光をしてまいりました。

 あくまでも私的な観光ですので、公務をしないつもりでしたが、週明けから職員を派遣しますので、どうしてもその事前調査の気分は抜けませんでした。

 泊まったのは郡山市ですが、そこから原子力発電所の方に向かって車で30分ばかり、三春町の「みちのく霊泉・やわらぎの湯」というところに行きました。ここは「放射能泉」でして、世界有数のラジウム泉だといわれておりまして、岩盤浴でデトックスをしてまいりました。しかし、温泉に来ているお客さんはかなり少なく感じられました。話をうかがいますと、震災直後はまったくお客さんが来なかったが、徐々に戻り始めているということでした。

 また、観光が壊滅的な風評被害を受けたと報道されました会津若松市にもまいりましたが、さすがに報道の威力はすごいもので、市内は観光客であふれておりました。しかし、バスでの団体観光客はほとんど見かけませんでしたので、まだまだ本格的な回復までには至っていないと感じました。

 三春町と会津若松市でたくさんモノを買い、食べてきましたので、少しは復興に役立ったと思いますが、どうか滋賀県の皆さんもぜひ福島県へ観光に行ってほしいと思います。

 特に、鶴ヶ城(会津若松城)は、ちょうど震災の直後に、本来の赤瓦にリニューアルしてお披露目をするところだったものが、震災で観光どころではなくなったということでしたが、一度途絶えた客足を取り戻すのは大抵ではなかったと思います。しかし、鶴ヶ城ではちょうど桜が散り始めのところでしたが、お城に入るのには長い行列ができていました。城内で偶然、民主党最高顧問の渡部恒三代議士と出会いましたが、渡部代議士も「滋賀県と福島県とは縁があんだよなぁ。会津の藩主の蒲生氏郷が日野から来てんだから」と話して、滋賀県の支援に感謝しておられました。

 こちらの方では、風評被害ばかりが先行していますが、今朝、現地の新聞を1週間分ばかり、情報として危機管理監に渡しましたが、福島県の現地では、被災されたかた以外は、概ね日常生活に戻っております。このことは、4月12日の自治創造会議でも申し上げましたが、どこのマスコミさんも取り上げませんでした。しかし、現地では花見もするし、テキ屋も出ているし、流通もかなり回復し、普通に生活をされています。普通の生活は報道に値しないのかもしれませんが、自粛などせずに普通に経済活動を行うことこそが、現地の経済活動や生活を支えることだということを、もっと知っていただきたいと思います。

 そこで、会見事項ですが、東日本大震災で被災された自治体への職員派遣についてでございます。
 湖南市といたしましては、これまで、震災直後から3月末まで現地に職員を派遣し、宮城県仙台市や岩手県盛岡市、同大船渡市で給水応援活動を展開してまいりましたし、4月上旬には岩手県釜石市へ支援物資を届けてまいりました。
 しかし、さらに、全国市長会や被災自治体などからの職員の派遣要請がありましたので、再び現地へ支援の職員を派遣することといたしました。
 大きくは行政事務支援と給水応援に分かれますが、行政事務支援は原子力発電所事故で郡山市内に仮役場を設置している福島県富岡町、給水応援は岩手県大船渡市や陸前高田市での活動を予定しています。

 詳細は後ほど担当より申し上げますが、行政事務支援につきましては、先に支援を行っている彦根市と共同支援を行いますし、給水応援については大津市と共同応援を行いたいと考えております。
 本市は小さな自治体ですので、単独で長期間にわたりアウトレインジでの支援を行い続けることには相当な無理がございます。本来であれば、国や滋賀県が支援の必要性についての調整をしていただいて、小さな自治体もそのなかに輪番で入れるようにしてもらえれば、安心して現地を支えられるのですが、今のところそうした動きはありません。
 それどころか、震災から2ヵ月になろうとしているにもかかわらず、いまだに物資が不足している被災地があるとうかがいますと、政府が政府の体をなしていないという背筋の寒くなる現状が明らかになります。人心一新こそが最大の震災対策、復興対策ではないかと思います。

 それはさておき、国も滋賀県もそうした調整をしてくれませんので、本市といたしましては、獅山市長が震災直後に福島県入りして、その後富岡町の支援に入っておられる彦根市の支援に入ろうと考えました。また、給水応援についても、前回はこちらから圧送ポンプ積載の給水車輌を持っていって活動をしておりましたが、日本水道協会の支援体勢もできておりますことから、その滋賀県支部を預かっている大津市が展開する支援の枠のなかで支援活動をしていこうと考えております。

 いずれも、大きな市の行っている支援枠組みに参加させてもらうことから、私はこれを「コバンザメ作戦」と名付けました。小さな自治体単独では支援に力不足ですが、大きな市といえども長期間の支援は息切れしてきますので、それを支えるかたちで一緒に現地支援をしていこうというものです。
 国も滋賀県も調整機能を喪失しているなかで、現地をなんとか支えたいと考えている小規模自治体があれば、ぜひ同じような「コバンザメ作戦」のスキームに参加をされるとよいと思います。災害救助法などを基本とした今の支援スキームでは、東北現地に何らかの関係がなければ支援しにくいスキームとなっておりますので、すでに支援に入っているところを支援するということであれば、参加しやすいのではないかと考えます。

司会

 それでは担当部長から説明をお願いします。

危機管理統括監

 東日本大震災に対する湖南市の支援について、第1陣は3月18日から3月28日まで間、給水支援に延べ16名が仙台市、大船渡市に行きました。第2陣は市長と職員3名が支援物資の搬送と被災地見舞いに4月8日から4月10日に行きました。今回は第3陣ということになります。

 概要は、福島県富岡町に行政事務支援に、既に彦根市が入っておりますので彦根市と共同で支援したいと考えております。場所につきましては富岡町の仮庁舎があります福島県郡山市にあるビックパレットふくしまに行きます。支援の内容につきましては、各種証明書の発行ということで状況によっては事務支援の内容も変更する可能性もあります。連休明けの5月9日から6月20日まで職員2名体制で概ね2週間交代の予定です。現在のところ職員6名で課長補佐級1名、主幹級3名、主査級2名の派遣の予定です。
 給水支援については、日本水道協会からの要請ですが、岩手県大船渡市と陸前高田市に支援に行く予定です。給水業務については大津市と共同業務となります。5月23日から6月6日までの予定ですが、本日ファックスがちょうど着まして5月23日よりもう少し遅い時期に開始になりそうだという内容でした。職員4名が2名体制で1週間交替で派遣する予定です。

司会

 本日の会議次第には記載していないのですが、追加の資料提供があります。絵本「だちょうの原画展」&書「元気メッセージ・1/4世紀展」を資料として添付しておりますのでご確認ください。 何かご質問はありますか。

記者

 東日本大震災において国や県が機能していないことについて、いろいろな情報を耳にします。過去においては関東大震災の時には国が主導したという事実があるのに対して今回は基礎自治体が主導していると聞きますが、基礎自治体として有事の時にどのように対応するのか国とか県の役割など含めてどのように市長は考えておられるのか。

市長

 釜石市に支援物資を持って行ったときに、パソコンが水没してしまい支払いの伝票類はすべて手書きで対応したということを聞きました。国や県が機能していないというのは役割分担との関係もあろうかと思われます。経済を支えるというのは国や県の役割でそれがうまく機能していないので現地が混乱しているという状況なのだと思われます。関東大震災の時は震災手形を多量に発行し、その決済が政府と枢密院との関係から滞ってしまって金融恐慌が起こったという過去があり、おそらく戦前から同じようなことなのかな、と感じております。

記者

 地方に権限と財源を与えて、地方が決定して災害に対応できるような仕組みづくりが必要かと思われますが市長はどのように考えておられますか。

市長

 政治はルールを決める。行政はそのルールを執行する。それが原則です。過去において国は物事を決めるのが官僚で政治家がそこに関与しなかったということもあり、政治がルールを決めればいいのに、目の前の課題だけに対応して全体の物事に対応できていないと思われます。
 それぞれの自治体に権限を渡すということも大事だと思われますが、このような非常事態には中央統制がしっかり取られることが必要であると思います。またそのバランスが大事かと思います。

記者

 そのバランスの問題は今後、議論されると思われますが、例えば関西広域連合が滋賀県は福島県を支援するという形になっていますが、どのように考えておられますか。

市長

 今回はテストケースだと思われます。これからひとつづつ積み上げて行くのかと思われます。しかしながら関西広域連合で何が出来ているか、おそらくは出来ていない状況だと思われます。ただ割り振りをした、というだけだと思います。現在、湖南市は個別に相手に電話をかけて支援の有無を聞いて現地に支援に入っている状況で、県がとりまとめをしていないので、更に大きな広域連合ができているとは思われません。

記者

 県はコーディネートしないのですか。

市長

 要するに責任を取るか取らないのか、という問題だけだと思います。滋賀県が組織として物事を決めて、市町と連携するということが出来ないのだと思います。いろいろな事に対して基礎自治体は自分自身で責任を取らなければならないので、結局のところ基礎自治体ばかりが動いている、というように見えていると思われます。

記者

 今後の政権はどうなると思われますか。

市長

 それは不明です。ただこのままだと国内全体が閉塞状況で世界経済に与える影響も大きいと思います。

記者

 リーダーシップが発揮し易い政治や政府の仕組みについてどのように思われますか。

市長

 このような不安定な時期には大声をあげた人に付いていきたいという風潮になりますが、先ほども申しましたとおりきちんとしたバランス感覚を備えるということが民主主義において大事であると思います。リーダーシップというのはきちんと物事のルールを決める、ということだと思います。

記者

 その後、湖南市に東北地方から避難されている方は増えているのか。

危機管理統括監

 増えております。5世帯で18人の方になりました。

記者

 前回の記者会見でビジネスホテルを避難者に開放するという話を聞いたのですが。

危機管理統括監

 ビジネスホテルの利用はありません。公営住宅に4世帯、民間住宅に1世帯です。公営住宅の空きは2部屋となっております。

市長

 ビジネスホテルの開放は滋賀県にも連絡しています。本来、発進力のあるところから発信していただきたいのですが機能していないようです。

記者

 今度、派遣される湖南市の職員の寝泊まりはどのようにされるのですか。

市長

 ビジネスホテルを借り上げします。

危機管理統括監

 富岡町の仮庁舎は郡山駅から2キロメートルくらいのところにあり、職員も駅の周辺のビジネスホテルに泊まる予定です。

記者

 出張という形ですか。

危機管理統括監

 そうです。

記者

 県内の他の市町はどのような状況ですか。

危機管理統括監

 派遣要請に応えると手を挙げているところはあるようですが、すべてが連携しているということではない状況です。それぞれの市町の支援はスポット的であり、とりまとめるところがないため非効率です。とりまとめて支援するのが理想的なのですが。

市長

 全国市長会が「支援を必要としている自治体」と「支援も申し出ている自治体」とのマッチングをしています。しかしマッチングできる仕組みを作っているだけで、実際のところそれぞれが電話なりでマッチングをしないと支援に入れない状況です。先日の自治創造会議でも滋賀県知事からは、それぞれの市単位でそれぞれに支援してください、ということでした。

記者

 市長が3日間、支援物資を持って行かれたときも余震があったと思いますがどうでしたか。

市長

 ちょうど車で走行中でしたので気付きませんでした。実際にこちらのテレビ報道が震度4であったとしても、現地においては震度1であったりとか、その地域の地盤によっても揺れが違うと思います。釜石市に行った前日には震度6がありましたので現地では停電が発生していましたが、当日はかなり復旧していたようで回復力を感じました。

記者

 統一地方選挙が終わっての感想をお願いします。県議選挙に限ってでも結構です。

市長

 自民党に入った票と受け止めるのは危険かもしれません。県民がどのようなニーズなのかというアンテナを張って動いていく必要があるかと思います。これまでの県政に対しての民意の表れですので県政全体で検討していく必要があると思います。

司会

 ご質問はありますか。資料提供について説明させていただきます。

企画・まちづくり課長

 1点目は「地域まちづくりフォーラムの開催」についてです。6月11日の午前9時30分から甲西文化ホールにて開催します。3つのまちづくり協議会の活動報告と基調講演を四日市大学の岩崎先生お願いしています。2点目は「湖南市まちづくり市民活動補助金提案募集」で昨年度は一旦休止しておりましたが今年度は市民アンケートにより市民が求めているテーマを募集しております。また従来の自由テーマについても募集しております。上限10万円の補助金で今月末まで募集しております。

甲西図書館主幹

 追加資料の「パートナーとあゆむ」~絵本「だちょうの原画展&書「元気メッセージ1/4世紀展」です。市内にあります県立三雲養護学校の卒業生2名がパートナーの先生との約束により展覧会を甲西図書館の展示コーナーにおいて開催されます。

司会

 よろしいでしょうか。次回の定例記者会見については6月1日(水曜日)午前11時からこの会場でさせていただきます。それでは記者会見を閉じさせていただきます。ありがとうございました。

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 秘書広報課 秘書係

電話番号:0748-71-2314

ファックス:0748-72-1467

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