平成18年7月6日定例記者会見

更新日:2019年07月01日

このページは、市長定例記者会見の内容を政策秘書課でまとめたものです。

市長会見事項 要旨

1.平成18年7月湖南市議会臨時会

会期

7月10日

2議案

  • 補正予算 1件
  • 契約 1件

2.湖南市キャリア教育(職場体験)の実施について

市内4中学校の2年生全員を対象
市内や周辺の事業所で、5日間の職場体験(7月3日~7日、8月21日~25日、10月2日~6日)

資料

発表内容

政策秘書課長

 皆さん、ご苦労さまです。従来なら市長のあいさつから始めさせていただくのですが、本日は諸般の関係もございますので、先に会見事項の内容説明に入らせていただきます。

 本日、総務部長が所用で欠席をしておりますので、私のほうから7月市議会臨時会について説明させていただきます。7月10日に補正予算と契約につきまして臨時議会を開催させていただきます。資料につきましてはお手元に配布しておりますので、そちらをご覧ください。

教育長

 教育委員会のほうから中学校のキャリア教育について報告をさせていただきます。滋賀県では5日間の職場体験学習を中学校2年生で実施していますが、今年度、湖南市では市内の全中学校で5日間の職場体験学習を実施します。

 現在、甲西中学校が今週月曜日から金曜日までの5日間、約50事業所に分かれて約172人が体験学習をさせていただいております。お手元の資料にお世話になっている事業所の一覧表がございます。こちらに2人ないし多いところでは5人が職場体験学習を実施しています。

市長

 おそらく今日の定例記者会見は、7月2日に執行されました知事選挙の結果に関する部分が非常に大きなウェイトを占めるのではないかと思いますので、最初にこちらのほうから今回の知事選挙に関しまして、感想なり、新しい知事さんへの思いなりについてお話させていただきたいと思います。

 今回の選挙において、有権者の皆さんの意思につきましては、新幹線新駅というものが表面上の課題であったといたしますと、その根底には9,000億に上ります県債残高に対する説明責任が果たせていないことと、それに伴う将来への不安が増大したことの結果ではなかったかと思っております。そういった観点で、嘉田新知事には県の行政に対する大胆な改革と財政の立て直し、さらには「対話」プロセスを重視しながら、そういった施策を示していただくことに期待したいと思っています。

 そして、新しい県政に対しましては、「三位一体改革」により疲弊いたしました地方財政、とりわけ市町の財政に対しまして、県財政の赤字のつけ回しではなく、県と市町が一緒になって財政の立て直しをしていく姿勢を求めてまいりたいと思っています。

 私自身、県庁で行政改革をずっと手がけてきた経験から申しますと、県庁の中には行政改革に対して、改革を阻んでいる大きな壁があったと認識しております。そういった壁を取り除きながら、市町行政の立場も十分に理解をしていただいたうえで、大胆かつ緊急の改革を行っていただくのであれば、改革前進県政に対しましては最大限の協力をしてまいりたいと考えております。

 一方、福祉や生活に関しましては、この4月に施行されました障害者自立支援法に基づくさまざまな課題がありますので、特に市や町の間でサービスの格差が生じないように、「格差」社会の是正に対しましても県として全面的に力を入れていただきたいと思っております。

 さらに、湖南市におきましては道路の渋滞問題という深刻な課題を抱えておりますので、広域交通網の整備については県の責務であると考えております。そういった観点で、実態に即した道路行政を進めていただきたいと思っております。また、企業誘致を積極的に進めるという姿勢に対しましては、賛意を表したいと思っております。ですから、ぜひとも新知事にはがんばっていただきたいとエールを送らせていただきたいと思っております。

記者より質問

「7月2日執行 知事選挙の結果」について

Q

 新知事体制になり、争点であった新幹線新駅問題につきましては、これから先紆余曲折が想像されますが、促進協議会のメンバーでもある湖南市のこれからの考えをお聞かせください。

A

 今回の選挙において、新幹線新駅の問題につきましては、草津線沿線の市の投票状況を見ていただくと分かりますように、この問題は草津線の複線化と密接に絡み合っておりまして、非常に複雑な課題であると考えております。湖南市としては、まずは甲西駅の行き違い設備の設置による草津線の利便性向上ということも草津線沿線の県民の願いであることも考えてもらわなければならないと思っております。
 本当に新駅というものがこの選挙の争点であったのかと考えてみますと、本当に争点であれば選挙が終わった段階で「マル」なのか「バツ」なのか結論が出ているはずですが、「推進」か「反対」かではなく「凍結」と「対話」を掲げた嘉田新知事が当選されましたので、これからスタートラインに乗るということと共に、県議会なり関係市なりとの間での対話を重ねていくとうことが進められていくのではないかと思っております。

Q

 その中で湖南市の立場・考え方はどういう方向に進めていきたいとお考えですか。

A

 湖南市としては、ずっとこの新駅の問題に関与しながら、「この問題は自治体間の外交問題だ」と主張させていただいたと認識しております。これまで県が強力に推進をしてきた経過がありますが、実は建前上は負担額の大小に関わらず、県と関係市の間の対等な関係の中での契約関係で進めてきたと思っております。対等な自治体間の合意について、今後どのようにしていくかという議論を始めなければならないと思っております。今回の選挙結果を受けて、また県が一方的に意思を押し付けてくることになれば、今の県政が進めてきたものと全く同じ形になるわけでありますので、おそらく嘉田新知事はそういうことはされないと思っております。ですから、促進協議会の中で対話を重ねながら、解決策を探っていくことが非常に大事なことであります。また、県も自治体であれば、各市も自治体でありますので、それぞれが抱えている事情もあります。自治体同士の外交関係で議論をやりとりすることが非常に大事ではないかと思っております。
 そういった中において、方向を変えようとしている県が外交関係で方向性を変えさせてほしいと述べるのであれば、新たな政策オプションを県の方から提案していただかなければならないことになるわけで、これから県の出方を見定めたいと思っております。

Q

 もし県から「凍結」という方向性を出されたら、すでに各市で分配している予算の執行についてはどうお考えですか。

A

 それは自治体間の外交の話ですので、まだ外交のルートで課題としてあがってきていないと認識しております。簡単に言うと、アメリカが方向転換すると言ったところで、外交ルートに乗ってこなかったら日本政府として何もできないのと同じような形であります。まずは県としての方向性を考えていただき、その中で県が強力なリーダーシップを図りながら、関係市や議会との調整を図っていくのだと思います。その過程で課題を投げられた場合には、市としても検討していくことになろうと思います。ですから、今の時点で予算について、どういう対応をするかということは明言できないと思っております。

Q

 これまで新幹線新駅が必要だということで進められてきたのだと思いますが、県が「凍結である」という明確な意思を示された場合は、それを検討するということですか。

A

 先ほど申しましたように、代替案をどのような政策オプションとして出してくるかということになろうかと思います。単に「凍結」であれば、それは今までの信頼関係を損ねることにつながりかねません。そうではなく外交関係というものは、一つひとつの積み重ねであると思いますから、方向を変えることになれば、それに対する見解を県が責任を持って示してくるはずだと思います。これまで県が「県民が主役」でありますとか「市町村優先」ということを言ってこられたわけですが、これまで主導的に進めてきた県から新駅に関する十分な説明があったかというと、いささか疑問があります。それと同じことをまた今回県がするということになると、これは信頼関係の問題になってくると思います。特に、知事が変わったというところで、すぐにポスターを剥がすというような形で、関係市に何の相談もなく県が方向転換をしようとしていることは、これまでにしてきたことと何ら変わっておらず、あまりにも関係市と県民に対する説明責任が欠如しているのではないかと思います。そういったことが、今回の選挙結果になったということを県としては真摯に受け止めなければならないと思いますし、これについて単に現知事に責任を押し付けて終わりということであれば、将来にわたって県政の改革ができないというわけでありますし、大きな禍根を残すことになりかねないと思っております。そういった意味で、総点検という形で県政の改革を強力に進めていただくのであれば、湖南市としては全面的に協力を惜しまないつもりでもありますし、「対話」にも応じていかなければならないと思っております。

Q

 もう一度同じような質問になりますが、2期8年の現職が新幹線新駅「凍結」を公約に掲げられた新人に負けられたことをどのようにお考えですか。

A

 嘉田新知事が新幹線知事になってはいけないと思います。県政の課題というのは新幹線新駅だけではないわけで、最初に申し上げましたように、財政構造の改革が喫緊の改革だと思っています。そのためには県政のあらゆる部分にメスを入れなければならないという場面が必ず出てきます。この新駅問題だけにとらわれて、それが県政を左右するということになると、この4年間、新知事にとっても県民にとっても不幸なことになると思っております。そういった自体は避けるべきだと思います。ですから、むしろ県の行政、財政の全面的な改革ということに対して大なたをふるっていただくのであれば、私自身も県の行政改革を進めてきた中において、できていない部分はすべて分かっているつもりですので、助言なり協力は可能ではないかと思っております。
 また、同時に県と市町の間を対等、協力の関係にきちんと積み直していかなければなりません。県があまりにも強いペースで市なり町なりに対して進めていくならば、一呼吸ということも大事ではないかなと思っております。

Q

 県政の中のことも外のこともよくご存じの市長ですので、あえてお聞きします。率直なお考えを分かりやすい言葉で。

A

 県庁の体質自体がこういった結果を招いたと思っています。県庁の職場の風土の改革とシステムの改革が非常に大事だと思います。政策判断ができる体制をきちんと整備していく必要があると思います。県議会、広くいえば県民、外部のいわゆる圧力団体と言われるさまざまな関係団体、そして各市との交渉能力が求められてくると思います。政策形成能力と交渉能力が両輪となって、県がきちんと建て直っていただくのであれば、市としては協力していくであろうし、そういった体制を嘉田新知事が作り上げていただくことを期待しています。
 特にマニフェストに掲げられた問題は、非常に必要な課題ばかりでありますので、待ったなしで進めていかなければならないと思いますし、それを県民が支持したということであると思います。そういった観点で申しますと、まずは大胆に行政改革、財政改革で財源を確保したうえで、新しい施策に大胆に取り組んでいくことが必要だと思います。その際には「対話」プロセスを重視していただきたいと思います。

Q

 今回各市の出口調査を分析した結果、県民が新幹線新駅を一番の問題に掲げて投票した傾向が分かりますし、各社で少々のばらつきはありますが、おおむね6割から8割程度の県民が「新駅はいらない」と答えています。なおかつ「凍結」と掲げられた嘉田さんが当選されました。この新幹線新駅に対する民意に対してはどうお考えですか。

A

 新幹線新駅が必要かどうかの十分な資料を持って議論がされてきていないところにずっと危惧を感じていました。先ほど申しましたように、県から関係市にすら十分なお話があったかどうかという部分についても問題がありますし、それについて湖南市としては、県に対して県民に十分に説明してほしいと何度も何度も要求しましたけれども、その点について十分だったかというと疑問符だと思っております。本当に必要なのかということについては、十分に議論を重ねていく必要があると思いますし、嘉田新知事においても「議論」と「対話」の姿勢は崩さないとおっしゃっておられますので、十分に話し合っていきたいと思っております。

Q

 今回で県民が判断したということになりませんか。

A

 マニフェストにはありとあらゆることが書かれています。その中において、単一争点での選挙というのは危惧すべきものだと思っております。今回の選挙結果については「推進」か「反対」かではなく「凍結」と「対話」ということで、嘉田新知事が当選されたわけでありますので、今後、嘉田新知事が判断していくべき部分が残されていると思います。ですので、嘉田新知事の思いがまず先にあって、そこから「対話」が始まっていくということであろうと思いますので、県の出方というものが最初にあってしかるべきだと思っております。

Q

 草津線複線化への影響は。

A

 新幹線新駅の問題が進められてきた際に、県は新幹線新駅は草津線複線化の前提条件であって、新幹線新駅がなくなれば草津線複線化はないということで、その当時の周辺市町を引っ張ってきたと思っております。それについては、私はかねてからずっと反論をしておりまして、新幹線新駅と草津線複線化ということは関連はしているけれども、新幹線新駅は草津線複線化の前提条件ではないと申し上げてきたわけであります。新幹線新駅と草津線複線化を無理にセットにしたのは県の手法でありまして、その点で関係市町との「対話」はなかったわけであります。今後の嘉田新知事に対しては草津線複線化と新幹線新駅についても十分に議論を重ねて、明確にしていかなければならないと思っております。

Q

 新幹線新駅と草津線複線化は別物だと。

A

 別物ではあるけれど、密接に関係しているということだと思います。

Q

 嘉田新知事のおっしゃる「凍結」の方向に進んでいくとなると、草津線にとってはかなりの痛手ということになりますか。

A

 そう進むかどうかが今後の議論だと思います。まず結論ありきではなくて、選挙結果で「マル」か「バツ」かが出なかったのですから、その結論を求めて議論を重ねていくということになると思います。

Q

 これからの議論の形は促進協議会に新知事が出てこられて、県と各市が公開の場で議論していただくというのが県民にとって最も分かりやすい方法だと思いますが、今回の選挙結果を受けて、新幹線新駅について湖南市はどのような主張をしていくのですか。

A

 新駅については、先ほども申し上げましたように、まずは知事のお考え、県の動向が先にあるべきであろうと思っております。私どもは県と各市が対等の関係であるという中において促進協議会で話を進めてきております。促進協議会とは別の場で、突然、県が方向転換することを決められたわけで、まずは促進協議会の中で、対等な場で議論していくことが大切だと思っております。それを受けた後で、どうしていくかということは「対話」と「議論」の積み重ねだと思っております。

Q

 まだスタートラインに立ってないということですか。

A

 そうです。これからがスタートラインだと思っております。選挙結果で明確に「マル」か「バツ」かがつくような争点設定をしなかったことが問題でありまして、それが選挙後に持ち越されてしまったことは、今後の県政が少し左右にぶれることになるのではないかと思っております。やはり新幹線新駅だけでなく県政全体については、十分に県と市町とで議論を重ねていく必要があろうと思っておりますし、県が苦しくなってきたから事務をすべて市町に渡すというような形は避けるべきだと思っております。それぞれの立場でそれぞれの主張を折り合いをつけていく関係が築いていけると一番よいのではと思います。

Q

 選挙結果が出た後、促進協議会のほかの市長とお話はされましたか。

A

 栗東市長とは話しました。
 隣同士ですので、これまでは県と甲賀市との間に立つようなことも多々ありましたけれども、これからは県と栗東市の間に立つようなことも出てくるのかなと思っております。湖南市の置かれた位置的な宿命だと思っております。

Q

「凍結」になって実質的に中止に追い込まれることになると、湖南市で税金を使って先行投資している部分でマイナスになってくることはありますか。

A

例えばの質問にはお答えしないのですが、実際に先行投資はまだしておりません。促進協議会の運営経費として支出した部分だけです。

Q

 新幹線新駅は草津線複線化の前提だったのですか。

A

 県がそう主張していたわけです。

Q

 ほかのメンバーも統一の見解だったのですか。

A

 おそらくメンバーの中にはそう思っているかたと、思っていないかたがいたのではないかと思います。特に甲賀市や当市は前提だという意識はなかったと思います。当然、草津線には草津線複線化期成同盟会という組織があって、以前からJR西日本と交渉していましたので、前提という条件は県が戦術的にテクニックとして持ち込んだものではないかと思っております。その点で今回の知事選挙の中でテクニック的に行われてきたこととちょっと似通っていると思います。やはり、きちんと責任を持って決めるべきところが責任を持って決めるという態度がこれからは必要になってくると思います。

Q

 これからの促進協議会の話し合いの中で、湖南市としての最大の関心事は草津線複線化になってきますか。

A

 現在のところは、まだ促進協議会で新駅について話し合うという段階ではないので、新駅が先か複線化が先かということとは少し違うのではないかと思います。ただ複線化については甲西駅の行き違いの問題もありますが、その先の全線複線化を目指していくことはずっと前から進められていることです。それと共に、湖南市内は道路の渋滞問題が非常にクローズアップされておりますし、それが経済に悪影響を与えるだけでなく生活基盤も悪化していますので、生命、身体、財産を守ろうという立場から言えば、広域交通網の整備は県が責任を持ってされるべきことだと思っております。

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