平成18年10月5日定例記者会見

更新日:2019年07月01日

このページは、市長定例記者会見の内容を政策秘書課でまとめたものです。

市長会見事項 要旨

  1. 湖南市防災の日
    • 災害図上訓練
    • 防災パネル展
  2. 東海道石部宿まつり
    • 日時 平成18年10月21日(土曜日)
    • 場所 雨山文化運動公園

資料

発表内容

市長

 おはようございます。ご苦労さまでございます。今月は、お手元にありますように2件の話題提供をさせていただきます。

 1件目は、湖南市防災の日を10月9日に定めまして、地域でお互いに協力し合いながら防災意識を高め合っていきたいということでございます。この10月9日と申しますのは、陰暦に換算しますと9月16日に当たりますが、今からちょうど250年前の宝暦6年、西暦1756年のこの日に、市内妙感寺地域におきまして大規模な山津波、今で言う土石流が発生いたしまして、死者94人、流出家屋57件という、一つの村が丸ごと呑み込まれるという未曾有の自然災害が起こった日であります。

 これを「妙感寺流れ」と申しますが、市内には、その他にも菩提寺地域において約400年前に山津波があったり、昭和28年には岩根小学校の裏山が崩落したりと、これまで治山、治水上の大きな課題がございました。これらの解決のためには、当然行政といたしましては、砂防工事などの治山事業やダムなどの治水事業を行いまして、生命・身体・財産の保全に力を尽くす責務を果たしてまいりましたが、災害時にはやはり一人ひとりがお互いに助け合い、支え合う必要がありますし、常日ごろからそうした啓発を行っていけば、「減災」ということで被害が減っていくのではないかと思っております。

 そこで、関東大震災の9月1日、阪神淡路大震災の1月17日という国民的な防災の日もありますが、さらに身近なところで、一見安全に見える郷土におきましても過去に大規模な災害があったということを、特に湖南市は市外から引っ越して来られたかたが多くお住まいですので、特別な日を定めまして情報を共有していくということは非常に有意義ではないかと思っております。

 当日は、妙感寺多目的集会所におきまして、県や消防署、消防団の協力を得ながら、地域の中学生や住民の皆さんにもご参加いただいて、DIGと呼ばれる災害図上訓練に取り組んでいただくこととなっています。中学生まで参加してということはあまり例がないかなと思っております。また、甲西図書館においては、その前後の10月7日から15日までの間、これまであまり知られてこなかった「妙感寺流れ」の資料展をはじめといたしまして、地震対策に関するパネル展を行う予定としております。

 市内の各自治会におきまして、自主的に防災講演会を催したり、今後DIGに取り組みたいというところもあると伺っておりますので、市行政と地域とが平行して「減災」に対応していければよいと思っております。

 また、安心安全という面から申しますと、本日、午後2時から湖南市国民保護協議会を開催する予定としております。

 次に、2件目といたしましては、「湖南市東海道石部宿まつり・楽市楽座」の実施についてです。

 東海道石部宿まつりにつきましては、旧石部町の時代に始まり、通算いたしますと今回で4回目となります。今年は楽市楽座ということも加えまして、市内外の商工業者の皆さんにもご参加をいただき、さらに市内の観光振興・物産振興に寄与してまいりたいと考えております。

 10月21日と申しますと、ちょうど琵琶湖環状線が開通する日でありまして、鉄道利用客が増えるときにあたりますが、これまでは旧東海道で実施してまいりました石部宿まつりを交通規制や駐車場の課題が多いということから、一度会場を別に移してはどうかということが実行委員会で議論されまして、今回は雨山にあります雨山文化運動公園一体で展開してまいることとしております。

 雨山文化運動公園には、「宿場の里」という江戸時代の建物を再現した建造物群がありますので、その中で街道名物の豆腐田楽やトコロテンなどを販売することも予定されておりますし、これまでよりタイムスリップして江戸時代の石部宿を体験していただけるのではないかと期待しております。

 また、石部宿では、寺院の勧進興行としての浄瑠璃興行が盛んであったということから、今回は三重県志摩市の安乗(あのり)中学校の生徒が国指定重要無形文化財である「安乗文楽人形浄瑠璃」を披露していただく予定としております。

 そのほか、楽市楽座といたしましては、模擬店やフリーマーケットも出店いただきますし、FM滋賀の公開ラジオ放送も予定されております。そして、東海道53次ウォークといたしまして、全国森林浴の森百選に選ばれました「臥龍の森」にミニチュア東海道コースを設定して、健康づくりにも参加いただこうと考えております。

 これで今月の定例記者会見における話題提供といたします。

安心安全課長

 先ほど市長も申しましたように、湖南市防災の日を10月9日に設定させていただきました。250年前といいますと宝暦6年になるわけでありますが、ちょうどモーツァルトの生誕250年にもあたるようでございます。250年前に「妙感寺流れ」で死者94人という大きな山津波、土石流が発生したということでございます。流出家屋におきましても57件ございまして、こういった大きな災害があったことを語り継ぐという意味からも、また自分たちの地域は自分たちで守るんだということで災害が起きたときに少しでも被害を少なくしていこうという意味で、10月9日に地域の皆さんと協力いたしまして防災意識を高め合うということでございます。参加者ですが、30人ということで、地域の中学生、消防団員、ふるさと防災チームといった地域の皆さんがたに参加をいただきまして、DIG(災害図上訓練)を行いたいと思っております。この妙感寺地域は急傾斜もございまして、また資料の「ふるさとの碑(いしぶみ)」、これは旧甲西町の町誌から抜粋したものですが、ここにありますように大変大きな災害があったということから、10月9日を湖南市防災の日と設定し、この日の前後にさまざまなそれぞれの地域なりで訓練などを実施していく予定です。

 次に防災パネル展につきましても、10月7日から15日まで甲西図書館で「できることから地震対策」と題して「妙感寺流れ」の資料を展示しまして、来館者に啓発をしていこうと計画をしております。

商工観光課長

 湖南市東海道石部宿まつり・楽市楽座ということで、先ほど市長も申し上げましたように、この10月21日土曜日になりますが、午前10時から午後3時30分まで雨山文化運動公園を主会場といたしまして、この辺り一帯でおまつりを展開していきたいと考えております。旧石部町のときから数えまして、今年で4回目の石部宿まつりになります。昨年までは旧東海道での時代行列を中心として実施してまいりました。しかしながら、場所的にさまざまな問題がございまして、今年は一度見直しをしていこうということで、会場を雨山のほうへ移設することになりました。内容につきましては、お手元にお配りしておりますチラシ、これはもう少し前に募集を中心に新聞折込をしたものでございます。実は今日締め切りというものもあります。この会場は、先ほどの市長の話にもありましたように、いわゆる当時の石部宿を再現した「宿場の里」というものを設置いたしております。平常はここは有料施設になっておりますが、まつり当日におきましては、無料開放をし、多くのかたにお越しをいただきたいという思いと共に、施設を有効に活用したいということでございます。当時を再現したさまざまな施設、例えば、米問屋、農家、米倉、茶店などがございますので、そういうところを有効に活用していろんな事業を展開したいなという思いで計画をしているところでございます。

 具体的に申し上げますと、まず「宿場の里」の関所におきまして、木製の通行手形を作製しております。これがないと入れないということではございませんが、それをお求めいただきまして、それと共にお茶なり、お菓子をセットにした販売を考えております。それと茶店におきましては、こちらの地域が豆腐田楽の発祥地であるという話がございますので、それを再現するような形で、これは有料になりますけれども提供したいと思っています。トコロテンにつきましても、夏見というところに休憩所がありまして、当時そこでトコロテンを販売されていたという話がありますので、それも再現という形で提供していきたいと思っております。それから、米問屋につきましては、いわゆる飢饉の歴史を知っていただきたいという思いもございまして、飢饉のパネルの展示なり、今現在の湖南米を食べていただくということで、無料での配布も考えております。農家のところにおきましては、当時の稲作期間以外での副業がどういうことをされていたのかを再現したいということで、地域の住民のかたに「わらぞうり」の実演をしていただく予定です。米蔵におきましては、俵担ぎを皆さんにやっていただこうということで、俵を再現したものをお借りして実施していきたいと考えております。八石(はっせき)教会所におきましては、囲碁や将棋に取り組んでおられるかたがたに大会をしていただくなど、考えております。

 先ほど市長からも話がありましたように、当時は相撲なり、芝居の興行が石部宿では盛んであり、芝居の中でも浄瑠璃がもともと有名であったので、このあたりの関連から三重県志摩市阿児町のほうから国の指定重要無形民俗文化財である安乗文楽人形芝居、中学生のかたを中心としたかたがたにお越しいただいて上演をしていただく予定をしております。

 全国森林浴の森100選に選ばれている雨山の「臥龍の森」を有効に活用していきたいという思いから、53次ウォークということで、ミニチュア版で距離を測り出しまして、若干現状とは合いませんが、それぞれの宿場の配置を表示いたしまして、そこをハイキングとしてまわっていただけるようにセッティングをいたしております。

 なりきり石部宿コンテストにつきましては、メインイベントにしていきたいという思いがあるわけですが、なかなか集まっていただけません。これは公募を取りまして、当時の衣装を着ていただきまして、コンテストに参加していただけないかなということで募集をさせていただいておりますが、今のところ集まりが悪くて事務局でも困っております。

 石部宿の歴史民俗資料館というのがございますが、こちらのほうは通常は有料ですが、今回の事業の中では無料とし、広重の石部宿関係のシリーズ版画を多くのかたに見ていただきたいということで、特別公開なり、学芸員の話なりを入れていきたいなと考えております。

 ここまでが大きな一つの分野でございます。これと共に、平成湖南宿の「楽市・楽座」ということで、湖南市内の商工業者のかたがた、また市内の各種団体のかただたを中心といたしまして、幅広い模擬店を展開していきたいと考えております。それと、湖南市と交流のあります北海道比布町のほうからお越しいただいて、特産品などの販売も一緒にしてきたいと考えております。それ以外にもこちらの会場では、駕籠かきレース、フリーマーケットを考えております。

 また、先ほどの「臥龍の森」との関係もございますが、JRハイキングを計画をいたしております。当日、石部駅から雨山文化運動公園まで歩きで来ていただきまして、このイベントを見ていただきながら、「臥龍の森」のハイキングをしていただいて、また石部駅へお帰りいただくというような形でセッティングしております。こちらも現在募集をさせていただいております。

 まだまだ啓発などが足りない部分もございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

記者より質問

「湖南市防災の日」について

Q

 市レベルで「防災の日」を設定しているところはありますか。

A:(担当)

 おそらくないのではないかと思います。

Q

 「防災の日」は今回新たに設定されたものなのですか。

A:(担当)

 今回の250年ということで、改めて防災意識を高めていこうということで設定しました。

「東海道石部宿まつり」について

Q

 広重の版画はどの程度の価値のあるものですか。

A:(助役)

 どれだけの価値があるか、例えば1000万するのか500万するのかという証明書まではないのですが、京都の浮世絵などを扱っている業者さんですとか、百貨店でそういう展示即売会などがあった折に石部町時代に本物ということで買い集められたものです。中には複製版もありますが、複製版は色がちょっと明るいので、たぶん見られたらすぐに分かると思います。

Q

 本物は何点くらいあるのですか。

A(助役)

 わたしの記憶の限りでは、数十枚はあると思います。53次プラス東西2宿の55枚は揃ってないと思うのですが、 この滋賀県内の東海道、土山から大津までは少なくとも本物ということで買い求めたものがあります。大きさはまちまちです。

Q

 「なりきり石部宿コンテスト」は毎年されているのですか。

A:(担当)

 今回初めてです。

Q

 グループごとに順位を付けるのですか。

A:(担当)

 そうです。クループとして考えております。

Q

 各賞1万円というものがありますが、各賞とはいくつくらいあるのですか。

A:(担当)

 「なりきりコンテスト」は締め切りが10月10日になっておりますが、現在聞いておりますのが3、4組という少ないなかで、記者の皆様にぜひともお願いしたいわけであります。例えば火消しの格好をして来るとか、鹿鳴館時代の格好をしてくるとかいう形で現在応募をいただいております。各賞につきましては、実行委員会のほうで20組の応募を予定しているわけでありますけれども、20組に満たない場合は応募組数に応じた形で考えていきたいと思っております。最高20組ですと、各賞は5賞ほど考えておりました。例えば、ほのぼの賞とか石部でゆかりがあるで賞とかいろいろ考えていたわけですが、応募組数との関係もございますので、チラシには詳しくは記載しませんでした。

Q

 全部商品券ですか。

A:(担当)

 優勝・準優勝は現金を考えております。各賞につきましても現金を考えております。参加賞につきましては、賞外という形、賞に漏れたかたについて商品券を用意していきたいと考えております。

Q

 「安乗文楽人形芝居」のきっかけは。

A:(担当)

 「安乗文楽人形芝居」につきましては、先ほどの話にもありましたが、石部宿では芸能がたびたび行われていたとうこと、例えば花相撲と浄瑠璃が行われていたということでございます。昔、石部宿には常盤館という芝居小屋がございました。芝居小屋は大正時代までありましたが、現在はございません。タイムスリップというまつりのコンセプトのなかで、昔、浄瑠璃が行われていたことから、いろいろ調べたところ、安乗文楽は400年前から人形浄瑠璃をやっておられ、現在も引き継いでいくために地域、子どもたちも一体となって、毎年9月15日、16日に演芸をされていることを聞きました。そこで、ぜひとも石部宿で披露していただけないかというお願いをしましたところ、快くお引き受けをいただきました。当日は三味線、語りは安乗中学校の生徒が上演します。上演演目につきましては、お手元の資料にあります、9月16日土曜日に上演されております「傾城阿波の鳴門」を上演していただけると聞いております。この資料につきましては、現在データで取り寄せました。また、三重テレビさんにお願いして、「県政ウォッチング」の中で流されたものを取り寄せましたので、ぜひとも石部宿まつりの広報に利用いただければと思います。

Q

 子どもが上演するのですか。

A:(担当)

 中学生が三味線を弾いて、浄瑠璃の語りもします。人形を動かすのは大人のかたがされます。

Q

 「常盤館」とは、どんな芝居小屋だったのですか。

A:(助役)

 大きな芝居小屋だったと聞いています。写真が残ってますので、当日展示します。中が2階建ての建物で、お年寄りから聞いた話では、昔の南座のようなもので、実際お客さんは1階でしか見られなかったようですけれども、桟敷席があって1本の花道があって、舞台は回り舞台だったそうです。残っている写真を見ますと、屋根には瓦が葺かれており、江戸時代に建ったものなら江戸後期だと思いますが、大正10年前後に火事で焼失してしまいました。石部にゆかりのかたで大津にお住まいのかたが1枚だけ写真提供をしてくださいましたので、当日展示します。写真から見ますと、収容人数は何百人程度だったと思います。どん帳にも常盤館のマークが入っていたそうです。こういうお話をしていただいたお年寄りは残念ながら数年前に亡くなられました。浄瑠璃に石部の宿場がゆかりがあったのが、名神高速に桂川というパーキングエリアがありますが、その下に桂川が流れていますが、そこで石部の宿場で知り合った男女が結婚ができずに入水自殺をしたという「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」という浄瑠璃の演目が非常に有名だそうです。当日はそれは上演されないようですが。

Q

 今回の上演にちなんで何か交流をされたりということはないのですか。例えば中学生同士が交流するとかはないのですか。

A:(助役)

 そのあたりは今後の課題です。

「草津線複線化」について

Q

 昨日の知事のコメントをどのように受け止めておられますか。それと、これから草津線複線化の代案の問題などについてどのようにお考えですか。

A:(市長)

 昨日の知事答弁については、まだ詳細を把握していないのですが、報道によりますと、「草津線全線の複線化は難しい。ただし、甲西駅の行き違い設備の設置には全力を挙げる」という意味であったと理解しております。草津線につきましては、わたしも4年前までは通勤通学で毎朝毎晩使っておりましたので、ラッシュ時には殺人的な混み具合であったということは身をもって体験しております。ですから、そういったなかにおきまして、甲西町長選挙、湖南市長選挙を通じまして、草津線複線化と甲西駅の行き違い設備の設置については最前面に出して強く訴えてまいりました。それにつきましては、当時の甲西町民、そして今の湖南市民の皆さんも共感していただいたと思っております。嘉田知事の表現をお借りしますと、まさに民意による部分ではないかと思っておりまして、その点について、知事が甲西駅の行き違い設備の設置に全力を挙げられるということは、ご理解いただいているということで大変うれしく思います。

 ただ、危惧いたしますのは、一言の下に「草津線複線化は困難」と言われたと聞いておりますので、先ほど申しました琵琶湖環状線につきましても10月21日に開通いたしますけれども、単純に利用者数だけをもって、すべて一刀両断してしまうということではなくて、やはり将来に向けてのまちづくり、県土づくりを視野に入れながら、現状を認識したうえで今後どういう努力をしていくのかという「プラス思考の視点」を強くお持ちいただきたいと思っております。ですから、昨日のご答弁につきましては、草津線複線化は全くダメだということを言われたのではなくて、現状認識をおっしゃられたのだと思っております。今後、草津線複線化期成同盟会の中において、知事が会長として力強くこれからどうしていくのかという旗振りをしていただけるものと強く期待しております。

Q

 利用者数は減っているのですか、横ばいですか。

A:(市長)

 基本的には草津線全線を対象に考えていくと思いますが、貴生川-草津間、柘植-草津間の両方を視野に入れながら考えないといけないと思います。そのなかで、やはり湖南市として考えておりますのは、草津線に寄り付きやすい状況をつくる必要があると思っております。具体的に申しますと、鉄道沿線に寄り付きやすくなる道路整備にもう少し県が力を入れていただかなければ、利用したくても利用できないという状況ではないかと思っております。このへんについては嘉田知事さんも十分にご理解をいただいていると思っております。

「栗東市」について

Q

 昨日のことですけれども、栗東市が控訴されることを全会一致で決められましたけれども、高裁判決を待つ、さらに今月中には栗東市長選を控えている、非常に促進協議会の先行きが見えない部分があるわけですが、市長のほうで状況の変化に応じてどのように対応されるかというお考えはありますか。

A:(市長)

 まずは栗東市の問題がたぶん大きな割合を占めると思いますので、栗東市民がお考えいただくところが大きいのではないかと思っております。ですから、栗東市と県が、この新駅の問題につきましては、大きく関与してますので、それぞれが十分に議論を尽くしていただく必要があると思っております。促進協議会につきましては、周辺の5市も参加をさせていただいておりますけれども、負担割合の区分で申しますと、やはりそこまで大きな発言権を持っているということではないと思っております。ただ、その中でそれぞれ対等の立場でご議論させていただくということはいたしますけれども、まずは県と栗東市が、それぞれの団体としての意思を固めていただくということが大事ではないかと思っております。だれがどう思っているかということではなくて、団体としての意思をきちんと固めたうえで団体間の交渉をしていただくことになるのではないかと思っております。

Q

 10月の負担金の支払いについてのお考えは。

A:(市長)

 今のところは既定どおりだと思います。それに関する具体的な環境変化はないと認識しております。以前から申してますとおり、契約事項は遵守されるべきだと思っておりますし、もしそれを変えたいというのであれば、まずはそれを変える手続きが必要になってくると思います。むやみやたらと契約を一方的に破棄するということは、言ってみれば、法律関係全体に対する安定性を破壊することになりますので、やはりまずはきちんと手続きを踏むことが大前提だと思います。ですから先ほど申しましたように、それぞれの団体間において議論をする前に、それぞれの団体が意思を固めていただくというのが先決ではないかと思います。

Q

 栗東市と県が意志を固められたら、手続きの問題は残るとしても、その方向性というものがある程度固まった場合は、それに対して湖南市のほうでどうするということはないということですか。

A:(市長)

 その次の段階になりますので、その段階で湖南市民に対して損害が生じるでありますとか、利益が得られないということになれば、当然湖南市として申し立てなければならない点が生じてくると思います。ですから、そういった面でのリスクマネジメントを十分したうえで、それぞれの団体が意思決定をされるべきではないかなと思います。

Q

 判決に関しましては、現実問題として起債ができないという難しい一面もありますけれども、起債が禁じられたからといって新幹線新駅をつくることを禁じられるわけではないわけで、そのへんで栗東市が財政的に厳しくなった場合に、周辺市で対応していくというお考えは湖南市としてはありますか。

A:(市長)

 今のところ仮定の話ですし、採算性のなかで議論されるんだろうと思います。

Q

 栗東市長選につきましては。

A:(市長)

 ノーコメントです(笑)。

Q

 市長会で国松さんを推薦されましたが。

A:(市長)

 市長会では推薦をいたしました。

Q

 国松さんが周辺市に応援の要請をしているしているそうですが。

A:(市長)

 伺っております。

Q

 応援は。

A:(市長)

 市長会で推薦をさせていただいておりますので、そういう事実を前提とする形になると思いますけれども。

Q

 市長会の会員という立場以上の立場で応援されることは。

A:(市長)

 湖南市としての立場と政治家の立場としては使い分ける部分もあると思います。市長会とか促進協議会というのは湖南市としての立場だと思いますし、それ以外の部分については個人的なお付き合いもありますので、いろいろな判断をしていくこともあろうかと思います。

「幹部職員民間派遣研修」、「職場規律」について

Q

 市長が推奨されていた「幹部職員民間派遣研修」で今年度対象になっていた4人のうち2人が「意義に疑問がある」などという理由で研修を拒否し、処分を下されたという経緯がありますが、「意義に問題がある」などということを受けて今後方針を変えるとかいった考えはありますか。

A:(市長)

 全くありません。民間企業へ幹部職員を派遣するという研修は、地方分権という大きな流れのなかで、自治体はサービスをリクエストする市民に正面から向かって行かなければならないということと共に、自治体の経営も考えていかなければならないという時代になったと思っております。ですから、幹部職員の皆さんにも一体民間企業はどういうことをしているのか、また民間企業から見て市役所はどのように思われているのかということを実地に肌で体験していただきたいというのが趣旨であります。先月の会見でも申し上げたのですが、去年参加いたしました職員の反応を十分に見ておりますと、やはり何ものかを獲得して帰ってきておりますので、少しずつではありますが、市役所組織が変わるきっかけになったということは確実だと思っております。市民に対して、顔を向けて市役所が変わっていくために、その部下職員を指導監督しなければならない立場にある管理職員であるにもかかわらず、正当な理由がないにもかかわらず、研修命令を拒否するということにつきましては、これ以上放置すると職場規律が乱れるということから、やむをえず処分をしたということであります。

 一般的に、官製談合でありますとか、裏金づくりとか、飲酒運転とか、今、公務員のモラルがかなり崩れているということが言われておりますけれども、なぜ崩れたかということを考えますと、これまでの公務職場においては、そういった管理職の中における「何とかなるのではないか」という甘えに似た部分、もたれ合い的な体質が、別に湖南市役所がということではなくて、当然、国、霞ヶ関からすべてではありますけれども、そういう風潮があったと思います。「そこまでしないであろう」という甘い考え方で行動をされると、組織全体が崩壊する原因になると思っておりまして、こういった処分に踏み切らせていただいたということです。

 処分いたしましたら、かなりの反響がありまして、特に、わたしも元公務員ですので、公務員関係者からは「そこまでしなくても」という声がありました。ただ、民間企業の関係者でありますとか、市民の皆さんからは「そんな生ぬるい処分でいいのか」という声のほうが大多数でありました。ですから、今一度、飲酒運転も含めまして職場規律につきましては、厳正に確立したうえで、市民に愛される市役所づくりをきちんとしていかなければならないと思っております。

Q

 昨年度の研修成果などを市長自身が見られると、研修をする意義はあると考えておられるということですか。

A:(市長)

 はい。先月の会見でそういうふうにお話をさせていただきました。

Q

 飲酒運転だけではなくて、全体的に見直すということですか。

A:(市長)

 見直すというよりは、今までは人事院が示してきた規則に基づいて、各自治体も大体同程度という形で規則を作っていると思います。ただ、その規則を作って、きちんと運用できているのかというと、運用できている場面と運用できていない場面があると思います。それは湖南市役所に限らず、霞ヶ関もそうですし、各都道府県庁もそうだと思います。やはり職場規律をきちんと運営するということと共に、それによって市民に対して均質な良質なサービスが常に供給し続けられるという体制を確立しないことには、どこかで止まるということになると、それは市民のためにならないと思っておりますので、そういった意味で対応させていただきたいと思っております。先ほどおっしゃった飲酒運転の問題にしても厳しく対応していかなければならないと思っておりますし、今日も全職員に対して交通安全研修をさせていただいているところでございます。

Q

 飲酒運転に対して厳しく対応する必要があるということなんですが、具体的にそういうことがあったとき、どうするかということを現在検討中ということですか。

A:(市長)

 そうです。その点については、当然、同乗ほう助者についても厳正に対処するという方向性で検討を指示しているところです。

Q

 いつごろにそういったさまざまな基準ができるのですか。

A:(助役)

  今、作業中ですので、できるだけ早い時期に市長に答申できるよう作業したいなと思っております。

Q

 内容は。

A:(助役)

 今、市長がおっしゃいましたように、人事院が今まで示してきた指針というか、我々がいただいている物差しは、かなりアバウトなんです。いろいろ報道でも言われていると思いますけれども。もう少しメニューを細かくしたような基準の見直しを各自治体ともやっている形ではないかなと思っています。ですので、実際に各自治体から処分が出ているのも、ほぼ同じようなケースでありながら懲戒免職であったり、諭旨免職であったり、停職であったり、いわゆる各自治体の裁量と言われる範囲が非常に広い状態ですので、それが今、「公務員はそれでいいのか」と指を指される一つの状況じゃないかと思っております。そのあたりをしっかり分析したうえで、十分議論をするよう市長から指示が出ています。今、いろんなケースから、過去の事例も含めながら、メンバーで研究、検討している最中でございます。具体的にメニュー化できればとわたしは思っています。そのつど、裁量でどうこうするのではなく。

(市長)

 刑法でいう「罪刑法定主義」に近いことになってくると思うのですが、その構成要件を明確にしていこうということになるんだろうなと思います。あまりにもアバウト過ぎるので、その運用の中で、もたれ合いが生じてくるのではないかと思っておりますし、やはり市民から見て「これだけのことをしたのに、この程度なのか」ということを言われないようにしていきたいと思います。そのためには、その処分を実施する側においても、その処分でいいのかどうかという疑義を生じさせないようなシステムとしての確立が必要だと思います。

Q

 従来よりは厳しくなるということですか。

A:(助役)

 公務員にいろんな形で目が向けられていますので、社会的な位置のなかで、「公務員がどうあるべきか」ということをもう一回見直しをするなかで、物差しを作っていくべきだというのが基本的なスタンスですので、いろんなメニューを考えていく際には、同じような事例で言えば、厳しくなると思います。そういう形で内容は固まると思います。単に、厳しい処断をするのがありきでやっているのではないのですが、やはり、いろいろなお声としては、「公務員の処分は生ぬるいのではないか」、「ゆる過ぎるのではないか」ということを聞いてますので、しっかり分析をして、「新しい物差しができたな」と評価いただけるような内容にできればと、今、幅広い議論をしている最中です。

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 秘書広報課 秘書係

電話番号:0748-71-2314

ファックス:0748-72-1467

メールフォームでのお問い合わせ